博麗霊夢の保護者的感じの男   作:煉獄姫

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保護者シリーズ二つ目です!


博麗霊夢の隣にいる者

幻想郷、それは現代の裏側にひっそりと存在する妖怪や神、妖精たちの理想郷。そんな場所に現代と幻想郷の間にある神社、博麗神社と呼ばれるその場所に、一人の巫女と一人の男が居る。

一人は今代の博麗の巫女、博麗霊夢。

そして、もう一人は……………

 

「ちょっと!私の卵焼き取らないでよ!」

「違うんだよ、これはお前の卵焼きが俺に食べて欲しいって語りかけて来たんだよ。ほら、俺って食べ物の声を聞く程度の能力じゃん?」

「勝手に自分の能力でっち上げてんじゃないわよ」

 

そう言いつつもなお、男は霊夢の卵焼きを自分の口へと持っていく。

 

「じゃああんたのたくあん寄越しなさいよ!」

「馬鹿野郎!これは俺に食べてもらいたがってるたくあんなんだよ!てめぇは魚の骨でもしゃぶってろい!」

 

そう言いつつ朝ごはんの取り合いをする霊夢と男、名を夜月という。

 

「たく、朝飯ぐらいゆっくり食わせろよ」

「あんたが私のおかず取るからでしょうが」

 

渋々たくあんを霊夢に譲り朝食を食べ終えた夜月は今でダラダラと、霊夢は境内の掃除を始めた。これが二人の日課である

 

「ちょっと、ゴロゴロしてるだけなら手伝って」

「俺巫女じゃねぇし〜〜」

「良いから、ほら箒持って」

 

めんどくせぇな……と呟きながらも境内の掃除を手伝う、これも夜月と霊夢にとっての日課だ。

そして掃除を始めて1時間ほど経った時、びくびくしながら一人の男が階段を上ってやってきた。

 

「あの………巫女様、こちらに夜月という方がいると聞いたのですが………」

「なによ参拝客じゃないの?まあ良いわ、夜月ー!お客さん」

「ああ?客?」

 

蔵の掃除をさせられていた夜月が気だるそうに蔵から出てきた。

 

「で?お前がその客ってわけか?」

「はい、よ、よろしくお願いします」

 

青年は町で有名な道具店の4代目の店主らしく、最近亡くなった親の後を継いだばかりらしい。しかし最近になって彼の店を狙っているヤクザ者が来て嫌がらせをしてくるらしい。

 

「なるほど、それを解決して欲しいわけか……めんどくせぇな、他の用心棒雇ったりしねぇのか」

「そのヤクザ者が………何ぶん街でなかなか大きい組でして…」

「それで他の連中は尻込みしてるってわけね」

 

いつの間にか縁側に座っていた霊夢も話を聞いていたらしい。

 

「具体的になにすれば良いんだ?そいつら叩き潰せば良いのか?」

「いえ、出来るだけ事を荒立てたくないのです。店を守ってもらって、もう嫌がらせをしないようにして欲しいんです」

「そんなことで引き下がるような連中じゃないと思うわよ?」

 

確かに今まで嫌がらせをしていた組みが少しの障害ができたからといって引き下がるわけではないだろう。

 

「そこをなんとかお願いします」

「そもそもお前金持ってんの?金がないなら仕事しねぇぞ」

「お題なら、ここに」

 

青年は風呂敷を広げるとそこには小判の束が何個もあった。

 

「ここに30万ございます、こちらを前金としてお納め下さい」

「30万で前金だぁ!?」

「た、足りませんか?」

(足りねぇわけねぇだろ!こちとら前金なんて言葉聞いたことねぇよ!しかも30万ってそれ依頼報酬並の金額だよ!?)

 

青年は最後の頼みの綱である夜月に驚かれたことにオロオロとしている。ここを断られたら後がないのだろう。

 

「足りないのであれば直ぐ用意します!お願いします夜月さんに頼むしかないんです!」

(どうするのよ、ふっかけるの?)

(仕事内容が不確定要素多いのにふっかけられるか!)

 

土下座して頼む青年に夜月と霊夢はげんなりしてしまう。そんなに追い詰められているならもっと他に頼るところがあるだろうに。

 

「はぁ、仕方ねぇ、前金はこれで良い。でも成功報酬はこの二倍はもらうぞ?」

(60万!?いやいやいくらなんでもふっかけすぎでしょ!?)

「はい!よろしくお願いいたします!」

(良いんかい!?)

 

そう言って青年は深くお辞儀をして賽銭箱に1万円を入れた後、自分の町へと戻っていった。

 

「ふっかけたら帰るかと思ったのに帰らなかったな」

「きっとふっかけられたとも思ってないわよ、うっそ1万入ってる!!やった久しぶりのお賽銭が1万円♪」

 

ちなみに霊夢は久しぶりのお賽銭に大興奮である。対称的に夜月の方はため息をついていた。

 

「ヤクザと揉めんのはめんどくせぇんだけどなぁ、仕方ねぇ。前金もらっちまったし、やるか」

「あっ、私も行く!」

 

夜月が立ち上がると、ちょうどお茶を飲み終わった霊夢も付いてくると言い始めた。

 

「構わねぇが報酬はわけねぇぞ」

「はぁ!?なんでそうなるのよ!?」

「わかったわかった、場所代で5万はやる、それで良いだろ」

「ふざけんじゃないわよ!半分はもらうだから!」

「ふざけんな、ガキがふっかけてんじゃねぇよ。大体お前巫女だろ、そんなに欲深じゃダメだろ修行してこい似非巫女が」

「あんたに言われたくないのよ!ほとんど無職と変わらないくせに!依頼ない時はほとんど家で寝てるくせに!」

「なんだとゴラァ!?」

 

これは、博麗霊夢といつも喧嘩しながら過ごしている夜の様な黒い髪と死んだ魚の様な青い目をしている男の物語。

本来いない、博麗霊夢の保護者の様な男の話である。

 

 

 




喧嘩するほど仲が良いとはこういうこと。
ていうかこれ保護者って言えるのかな………
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