海岸の町   作:アイバユウ

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第110話

ティアさんの車によって私とユウさんは旅館に到着した

車から降りるともう日が暮れ始めた。夕焼けが綺麗に見える時間を迎えそうだった

今日も旅館には多くのお客さんが泊まりに来ていた

お客さんが多い事はお仕事があるという事だからいい事だけど。

私にとっては静かな空間が少なくなるという事であまりうれしくない、ちょっとした板挟みだ。

 

「カオリ、夕食はまた部屋に運ぶから。ユウさんと一緒にとって」

 

受付カウンターにいたお母さんにそう言われて私とユウさんは別館の自室に向かった

その間も今日の釣りの話で盛り上がりながら楽しく戻ることができた

部屋に戻ると私は道具を綺麗に清掃して片付けると冷蔵庫からいつものように缶コーヒーを取り出した

ロッキングチェアにすわると、またいつものように飲み始めた。夕食が届くまでには少し時間がかかる事は分かっているからだ

コーヒーを飲んでいるとユウさんが入っても良いかな声をかけてきた。私は大丈夫ですよと言うとユウさんは入ってきた

 

「また缶コーヒーを飲んでいるんだね」

 

「好きなんです。綺麗な夕日を見ながら缶コーヒーを飲むのが」

 

「そういう姿。さらに君の美しさを出しているよ」

 

ユウさんも缶コーヒーもらえるかなと聞いてきたので私は冷蔵庫に入っていると言った。

缶コーヒーには少しこだわりがあっていつも通販で注文している。そのため、ストックはかなりある

私は缶コーヒが好きだ。それもかなりのこだわりでいつも特定のメーカーの物しか飲まない

多い日で1日で3本も飲む時がある。カフェインの取り過ぎには注意をしているつもりなのだが

 

「カオリちゃんは缶コーヒーが好きなんだね。冷蔵庫にこんなにあるなんて」

 

冷蔵庫には最低でも10缶は入っている。

 

「だって缶コーヒーが好きなんです。日によってブラックとかも飲みますし」

 

するとベランダのドアから物音がした。子猫がそこにいた。白いネコでいつも私のそばに真っ先に来るネコだ

 

「しかたがないわね」

 

私はロッキングチェアから手を伸ばすとドアを開けた。するとネコは私の部屋に入り膝の上に乗ってきた

いつものの何でもない光景だ。

 

「猫は君のことが好きみたいだね」

 

「ネコさんは私のことを好きみたいだから。いつものことです」

 

1頭が入ってくるとその親猫が近づいてきた。その猫も私の部屋に入ってきた

私はその猫も抱きかかえると膝の上に乗せた。2頭のネコは丸くなって眠り始めた

静かな時間の始まりだ。ユウさんもコーヒーを飲み終えると部屋を出ていった。

 

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第三新東京市 ジオフロント ネルフ監察局 局長執務室

 

「国連が決断を下したよ。あの町を内密にだけど国連直轄の町にする。政府も了承済み。彼らも責任をすべて被るのは嫌みたいだね」

 

「ですがこれでよりあの町が守りやすくなることは間違いありません。国連の傘下に入るという事はネルフでさえ簡単には手が出せない」

 

私の理想はかなった。あの町は半永久的に静かな町であり続けることができる。

私の願いはそれだ。我が主であった彼女が求める物はそれなのだから

 

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