海岸の町   作:アイバユウ

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第114話

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・口は堅いですか?」

 

「局長からの承諾書をもらってきたわ。ただし、局長はこういった。私の口からは話す権利はないと。知りたければあなたに聞けと」

 

私は書類を確認した。署名欄に書かれた筆跡は局長のものであることは間違いない事が確認できた

 

「水川カオリは碇シンジ。そして私はエヴァンゲリオン初号機の生まれ変わりです。あの方によって作られた存在」

 

そう、私はサードインパクトの時に生み出された存在。彼女によって。しかし彼女はその事を忘れてしまった

あまりの悲劇を見てしまったために記憶を失ったのだ。

その時の記憶を。詳細な記憶を。サードインパクトをした事は覚えていても

詳細の内容は覚えていない。それもまた彼女が自分を守るための物だ

 

「その事、ティアは?」

 

「一部は知っていしますが。詳細までは」

 

そう、ティアには詳細な事実までは話はしていない。

彼女にまで迷惑をかけるわけにはいかないと判断したからだ

これ以上迷惑をかけるわけにはいかないと。ただでさえ迷惑をかけてきたのだから

 

「あなたはすべてを背負って生きていくつもり?」

 

「それが彼女が望んだ結果ですから」

 

そう。そのために私は存在する

 

「あなたはそれで満足なの?」

 

「これが私の存在意義ですから。彼女が望むまで今の状態であの町で静かに過ごしてもらうつもりです」

 

「わかったわ。けがはあと少しもすれば治るだろうからそうしたらあの町に戻りなさい。彼女を守るのよ」

 

分かっていますと返事をすると上司は出ていった。私の願いは決まっている。

彼女が平穏に生活が遅れる事を望むことだけだ。それ以外なら私はどんな犠牲を払っても構わない

 

「主を失うわけにはいかないんです。今のこの世界の安定があるためには」

 

そう、もし彼女に何かあれば再び悲劇が繰り返されることになる。無知というのはあまりにも罪というものだ

だが知らない事が幸せという事もある。彼女にはサードインパクトの時の記憶を思い出してほしくない

できる事ならあのまま静かに暮らしてほしかった。でもその願いはもう叶うものではないという事は確実だ

これから嵐が吹き荒れることになる。それを乗り切るしかない。何としても

それがどんなに苦難な道であろうと彼女には負担を極力かけないで対処する。それが私の使命だ

 

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海岸の町 旅館 カオリの部屋

 

私は寝ていたが何故だか目が覚めた。外ではお月様が綺麗に輝いていた。でも私にはそれが好きになれない

前にも言ったがあの時の記憶を思い出してしまうからだ。でも何かが欠けているような気がしてきたのは最近の事だ

きっとルミナさんなら何かを知っているはずだが。彼女は以前言った。いづれ知ることになると

その時が来るのを待つしかないのだろうか。私はあの時の記憶を失っている

サードインパクトを起こしたことは覚えていても詳しい事は覚えていない。いや思い出せないのだ。

思い出そうとしても頭を痛めてしまう。頭痛が激しいのだ。思い出すたびに

なぜ思い出せないのかわからない。このことは誰にも相談する事はできなかった

相談すれば迷惑をかけるような気がするからだ。だから誰にも相談しない

自分で解決するしかないのだ

 

「どうしたら思い出せるのかしら」

 

 

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