海岸の町   作:アイバユウ

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海岸の町(パート9)
第115話


翌朝私はいつものように起きた。またしても何でもない1日の始まりだ

今日も朝ご飯を食べようと食堂に行こうとすると、私の部屋だけに設置されている郵便ポストを見た

そこに1枚の郵便が入っていた。珍しいものだ。私に郵便なんて。私に郵便が来ることはまずないからだ

郵便で連絡を取り合うような相手がいないし、仮に連絡を取り合うとしたとしても直接この旅館に連絡するか

それかこの旅館に来て私と話をするかのどちらかを選ぶことがほとんどだ。郵便など選ぶ人などこの町にはいない

私はポストから手紙を取り出すと差出人の名前を見て嫌になった。碇ユイと書かれていた。しかし読まないわけにはいかない

私はあえて読むような事はしないで金庫に収めるといつも通り食堂に向かった

 

「お母さん、郵便が来ていたけど」

 

「どうしようかと思ったけど、一応ね。カオリ、あなたがどんな選択をしても良いからね。朝食は食堂で食べると良いわ」

 

私はありがとうと言うと食堂に向かった。すでに食堂でユウさんが食事をとっていた

 

「カオリちゃん。おはよう」

 

「ユウさん。おはようございます。早いですね」

 

まだ午前8時30分だ。こんな時間に出てくるお客さんは少ないから食堂は比較的に空席が多い

私はいつものように少なめの朝食を食べる。するとユウさんが食べ終えると私の横の席に座りある事を提案してきた

よかったら、今日も釣りに行かないかなと。でも私は断った。

1日ここにいたい気分だった。それにお酒の注文は昨日しているので今日はないはずだ

今日はネコさんたちと遊びたいと思っていた

なんて平凡な願いだと思うかもしれないが私にとってはかけがえのないものだ

私はいつものように朝食を食べ終わると、事務室に行きネコのエサの缶詰と専用の皿を取り出した

それを持って中庭に向かった。するとすでにネコさん達は待っていた

いつものように缶詰の中身のネコさんたちのエサを皿に盛り付けるとそれを地面に置く。

私は近くにあるベンチに座ってその様子を見ていた。平和だなと感じる瞬間だ

今日もある程度食事を終えた子猫が私の足元で体を擦り付けつけてきた。

私は仕方なく、抱きかかえると私の膝の上に乗せた。するとすぐに丸くなって眠りだした

まったく仕方がないなと思いながら、すると他のネコさん達も近づいてきたのでベンチの上に抱き上げるとイスに乗せた

今日もまた、ベンチの上にはネコさん達と私とで満席だ。これもまたいつもの事。

幸せを感じながらも少し不安な事もあった。ネルフだ。彼らが簡単に引き下がるとは思えなかった

何らかのアクションを起こしてくるのではないかと思っていたのだ。世の中何が起こるかわからない。

 

 

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第三新東京市 ジオフロント 監察局 査察部 部長執務室

 

私は部長として改革に励んできたが、ルミナの語った真実には驚くしかなかった

なぜ国連が彼女の意見を重視するのかの理由が分かったからだ。事実上、もし今あの子にもしものことがあれば世界が滅ぶ

それだけはどの国のリーダーも避けたいのだ。だからあれだけの予算が投じられているのだという事がようやく理解できた

 

「それにしても真実は残酷ね。このことをネルフが知れば、さぞかし揉めるでしょうね」

 

それだけは私にも容易に想像ができた。国連ですら恐れるのにネルフが知ればさらなる事態悪化につながることは確実だ

 

「ルミナは必死ね。ティアも。私も頑張らないと」

 

2人を最大限バックアップする事で世界が安定するなら、それで良い事だ

 

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