海岸の町   作:アイバユウ

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第146話

 

海岸の町 旅館の別館

 

もう決めたことを変えるつもりはない。私は未来を切り開いていく。

ゼーレと対決してすべてを思い出すのだ。たとえつらい記憶であってもすべてを思い出したい

そしてこの町で生きていくのだ。静かに暮らしていくためにもミスは許されない。

私はいつものように金庫から銃を取り出すと一度分解してきちんと整備をすると再び組み立てて金庫に戻した

私は作業を終えるとロッキングチェアに座りながら缶コーヒーを飲んでいた

平和だ。少し前までの騒動が嘘のように静かな時間が流れている

当たり前だと思っていた。平和であることが 

だけど現実は違った。平和など虚実に過ぎないという事を身をもって実感した

だからこそ戦って勝ち取ろうと思ったのかもしれない。自分の真の平和を得るために。

 

『トントン。カオリ、少し良いか?』

 

お父さんが外からドアをノックして話しかけてきた。

私はすぐにドアに向かうと開けるねと言ってからドアを開けた。お父さんはどこか心配そうな表情を浮かべていた

 

「何かあったの?」

 

「いや、カオリの方が心配でな。いろいろとあっただろう。大丈夫か?」

 

私は苦笑いをして大丈夫だよと言った。私は私だからと言って変わらないと答えた

 

「カオリは最高に自慢できる大事な1人娘だ。なにかあればいつでもな」

 

「わかっているよ。お父さん。ありがとう。でも大丈夫だから」

 

そう言うとお父さんは私の頭を撫でる。私はもう子供じゃないんだからというが

お父さんはお前はいつまでも子供だと言って仕事に戻っていった

 

「ありがとう。お父さん」

 

私は小声でそう言うと部屋に戻った

 

『ピーピーピー』

 

非通知電話からの電話だった。私はなんとなく嫌な予感をしながら電話に出た

 

「もしもし」

 

『僕の嫌な声を聞きたくないとは思うけど、情報だけでも。ゼーレは君の事に気づいている。身の回りを気を付けた方が良い』

 

「どうして?」

 

『どういう意味だい?』

 

私はそこで電話を切ってしまった。その先の言葉を言えずに

その先を言うのが怖かった。私は結局のところ、過去にまた結びを持とうとしている。

せっかく決別しようとしているのに。再び結びを持つつもりはないのに

過去を乗り越えて新しい未来を創ろうとしているのに。これではその意味がないではないかと

 

「私って、何なんだろう」

 

そんな疑問を浮かべながら、時計を見るともう午後4時だった。私はもうこんなに遅い時間なんだと思いながら食堂に向かおうとした

お客さんで混雑する前に食堂で食べようと思ったからだ。私は身だしなみを簡単に確認すると食堂に向かった

 

「こんばんわ」

 

「カオリ、大丈夫か?」

 

食堂のおじさんまで私のことを心配してくれている。それはそれで迷惑をかけて申し訳ないと思っているが

私用のメニューを出してくれるといつものようにカウンターで食事を取り始めた

まだ食堂は人が少なく静かだ。外には綺麗な夕日が見える。

まだときどき思い出してしまう。赤い月。

決して忘れないと思っていたのに。この最近の忙しさと様々な出会いで記憶が薄れて言っているのか

あそこでの記憶は忘れても問題ないものばかりだ。まさに地獄そのものだった場所の記憶など

忘れてしまいたいが、簡単にはできない

そんなことを考えながらいつものように夕食を食べ終えると食器を返して、私は自室に戻った

その途中で私は隣の部屋の前で立ち止まった。

 

「少し良いかな」

 

私の部屋の前である男性がたっていた。

 

「ネルフ監察局の蒼崎という者だけど、少し話をしたいと思ってね」

 

彼の後ろにはルミナさんがたっていた

 

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