海岸の町   作:アイバユウ

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第159話

 

第三新東京市ジオフロント ネルフ本部技術部長補佐執務室

 

そこが私の職場だ。でもどうしても納得できていない

シンジ、いえ。彼女ともっと話がしたかった

あの時のことを覚えていない事は分かっている。私にもわからない

でも知っている人には心当たりはある。あのルミナという女性。

彼女はどこか真相を知っているという事は夫であるゲンドウさんから聞いていた

だから監察局には接触するなと言われていた。

 

「ユイ。大丈夫?」

 

私に声をかけてきたのはアスカちゃんの母であるキョウコだった

キョウコ自身もなぜ生きているのかわからないが、サードインパクトのあと蘇った中の1人だ

 

「また悩んでいるの?いい加減にあきらめたらどうかしら。私達は多くの過ちを犯したのよ」

 

「キョウコは良いじゃない。アスカちゃんがいるから」

 

「あなたにだってレイちゃんがいるでしょ。カオリさんはもう自立した大人よ」

 

キョウコはこの世界に戻った時に必死になってアスカちゃんに謝罪していた

全てを話した。アスカちゃんはキョウコが戻ってきたことについては喜んでいた。

でも、少し納得していないところがあり初めのうちはギクシャクしていた

今でこそ、元の家族に戻っているが。

 

「私達は罪を犯した。その罪は彼女に背負わせてしまった。私達も咎人であるはずなのに彼女は救ってくれたのよ」

 

キョウコの言うとおりだ。本来なら私達も咎人として裁かれるべきだった

だがそうならないようになったのはすべて彼女のおかげだ。

でも私はすべてを奪ってしまった。

性別から将来の人生も。彼女はきっと永遠に生き続けなければならない

それを考えると確かに答えることができなかった

 

「彼女は自ら歩み出しているのだから邪魔はしないでおくべきだわ」

 

「キョウコ」

 

 

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ネルフ本部保安諜報部 部長執務室

 

「どうやらキール・ローレンツ議長が逮捕されて、他のゼーレ幹部も続々と逮捕されていっているみたいだ」

 

「キール議長以外のリーク元は僕ではありませんので」

 

僕は加持さんと話をしていた。僕は確かにキール議長に連絡を取りたいと

そのおかげで連絡先を聞き出しそれを逆探知してもらった

 

「それで、カオル君どうするのかな?」

 

「すべては流れのままに。彼女が望んだことです」

 

「監察局は公表すると思うかな?」

 

「それはないでしょう。蒼崎局長のほかに各国政府のトップは彼女に何かあればどうなるか。身を持って知っているでしょうし」

 

確かに彼女のそばにいる彼を狙撃されただけで気候変動があったのだ。そう蒼崎局長から聞いている。

彼女をどうこうすれば世界は壊れる事は分かっている。だからあの町が存在するのだ

各国のトップではこう呼ばれている。その引き継ぎ事項は永遠の誓いと呼ばれている

 

「次に狙われるのはカオル君。君だ」

 

「覚悟はできています。だからこれを」

 

僕は1枚のディスクを渡した。

 

「内容は?」

 

「真実です。あの時の。僕が分かる限りの真実を記録しています」

 

そう、あのサードインパクトの時の僕の知りうる限りの真実が記録されている

誰かに引き継いでほしいからこそだ

 

「俺にも永遠の誓いをしろと」

 

「誰かが引き継ぐべきことです。加持さん」

 

僕はそう言うと執務室を出ていった

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