海岸の町   作:アイバユウ

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第173話

私とレイが高台についた時、監察局に属する女性職員であり私達とあの町から切り離した彼女もいた

到着した私達に会いたかった相手からもう忘れてほしいと言われた

でもそんな事はできない事は分かっている

 

「あなたには謝りたいの。たくさん迷惑をかけたから」

 

レイの言葉に彼女は何がたくさん迷惑よと言った

 

「あなた達に何が分かるの!あの苦しみを!私はすべてを失ったのよ!」

 

そう、私の知っている碇シンジはもういない。壊れてしまったのだから

私はあの時、最後にシンジとの記憶を覚えている

だから、どうしても話をしたかった。たとえネルフを裏切ってでもだ

 

「アスカさん、あなたは碇シンジに最後に最悪の絶望を与えたの。でも一番罪が重いのはネルフそのもの」

 

「分かっているけど、何も話さないまま終わりたくないの」

 

「レイさん。あなたもアスカさんと同じであることをよく理解する事です。あの儀式の時にどれだけ絶望と苦しみを与えたか」

 

あの時に何が起こっていたのかを知っている者はかなり限られる

私は彼女が言っている儀式のことについては何も知らされていない

あの何を考えているかわからないカオルですら、何も語ろうとはしないのだ

どれほど罪深いものなのかは私にはわからない

 

「カオリさん、傷つけてしまったことは本当にごめんなさい。でも「傷つけた?ふざけるのもいい加減にして!」」

 

カオリさんはポケットから小型リボルバー拳銃を取り出した

 

「私は永遠に生き続けるのよ。ネルフやあの儀式のせいで。それがどれくらい残酷な運命なのかわかるの?!」

 

永遠に生きる。必ず誰かと死別する運命を

悲しいが最後には彼女には1人になるしかないのだ

 

「カオリちゃん」

 

彼女のそばにいた男性が彼女を抱きしめた。すると彼女は泣き始めた

 

「ここまでのようね」

 

監察局の女性がそう言うと上空からヘリが降下してきた。それも戦略自衛隊のヘリだ

私はどういう意味なのか分からなかった。ここは第三新東京市でネルフのお膝元なのにどうして戦略自衛隊がと

 

「もう限界ね。そこまでよ。このヘリで町に戻って。車の方は私が手配しておくから」

 

あのルミナという女性が下りてくると泣きじゃくるカオリさんと男性をすぐにヘリに乗せようとした

ところがカオリさんがこちらに振り返ってこういった

なにもかもが遅すぎたのよと泣きながら言うと、そばにいた男性に連れられてヘリに乗り込んだ

ヘリは3人を乗せると離陸していきその場から去っていった

残されたのはティアという女性と私達だけだ

 

「もう良いわね。カオリさんたちはあなたのことを恨んでいる。これ以上会う事を願うのはやめなさい」

 

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