海岸の町   作:アイバユウ

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第186話

『まさか本気で言っているの?』

 

「自ら道を選び歩いていく。それが重要なのはよくわかっていると思うけど」

 

僕はルミナさんと電話で話をしていた

カオリちゃんが大学を目指すなら僕は応援をする。

必要なら彼女のそばにいて見守っていくだけだ

幸せに生きていくのにはいろいろな方法がある

彼女が自ら選んだ道ならそれを尊重するべきだ

僕の意見にルミナさんは否定すると思っていた

彼女にとってはここで幸せに生きていたほうが良いと思っているからだ

でも旅をするのも幸せになる道になる時もある。

 

「君が言っていたように旅立つときが来たと思うよ」

 

『彼女を第三新東京市の大学に入れるなんて上層部が認めないわ』

 

神に等しい彼女が狙われたら最悪の結末を迎える

この町で静かに暮らしていくことも良いことだと思う

ただ、狭い世界だけでなく広い世界を見ていく生き方もある

僕には彼女に生まれ変わった世界を見ていくことも良いとも思っていた

 

『局長と少し相談をさせてもらうわ。いきなりすぎるしリスクもある』

 

「ネルフという影もあるけど、考え方次第では保護がしやすいという点もあると思うけど」

 

『どういう意味なの?』

 

「第三新東京市の各種センサーはネルフだけでなく監察局にも情報が提供される」

 

警護するうえで監視センサーを使って監視をするならコストや労力という意味ではやりやすくなる

 

『確かにそういう手法があるかもしれないけど。リスクはどこにだって存在する』

 

「それはこの町でもそうだよ。僕が撃たれただけでカオリちゃんは動揺した」

 

広い世界で安全に監視ができるなら使える手だと僕は後押しをした

ルミナさんは少し考えさせてというと通話を終えた

確かにルミナさんの懸念事項はよく理解している

でも思い出は悲しい物だけではさみしいものだ

少しでもいいから楽しい思い出を作ってあげる

そうすればいずれは道は開けると思うものだ

カオリちゃんにはまだこの町でしか楽しい思い出はない

この狭い町で過ごしていても楽しい思い出は作れるかもしれない

でももっと幅広い目で見ていくこともできるはずだ

 

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彼から連絡を受けた私は正直なところこの町で過ごしてほしいという思い。

または羽ばたいてほしいという思いの両方があった

確かに彼の言うとおりだ。小鳥はいつか巣から飛び立つ

そして新しい広い世界に向かって旅を始める

私はそうなる事を望んでいないつもりだった。

だが彼女の最近の行動によって、そういう考えが少し変わってきたのも事実だ

あの子に広い世界を見せることは良いかもしれない

だがそうすればリスクが伴う。どうするべきか

必要なら本部から人員を出して警護をしてもらうしかない。

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