「カオリがまた誘拐されたの?!あなた、護衛を任せろって言ってくれたのに!」
私は彼からの緊急連絡の内容を聞いて、かなり苛立ちを感じていた
最悪のシナリオが予測できるからだ。カオリはようやく自らの意思で生きていくはずだったのに
彼女が誘拐されるとは。ましてネルフが監視をているこの街で。
どうやら私はカオリの護衛や警護体制を少し緩めるだけでこの状況だ
予測できる最悪のシナリオで物事になるかもしれないこと考えると黙っている暇など存在しない
『それは謝るしかないよ。でも発信機はカオリちゃんのお守りに仕込んでいるから追跡はできる』
発信機があることについては良いかもしれないが、それを使わないことが無い方が良いはず
はっきり言うとあの男は信頼できるのか少し考える必要があることは確かで
「第三新東京市から逃げ出せる道はすべてつぶすわ。市警察には検問を要請するから」
『こちらでも発信機のシグナルを頼って追跡をするよ。市外に逃げるとは思えないから』
ここはネルフの『MAGI』が常に監視している
簡単に市外に逃げることなどできるはずがないが、可能性として絶対とは言えない
どんな手段を使ってもカオリを取り戻すことが最優先事項である
ネルフのおひざ元であることから、簡単に市外逃げることは難しい
彼女を追い詰めるようなことをして、悲しい記憶を持ってほしくない
大豪雨が売っていた世界に太陽で温かく過ごすことができるように戻したのだ
悲しい記憶をこれ以上増やしたくない
幸せに生きてほしいだけなのに、妨害行為が数多く存在していることは明らかだ
「ネルフが動くことはないわ。碇ゲンドウと碇ユイはね。でもその他の『彼』の関係者の行動は監視させる」
『彼女』が『彼』と関係があり今も接触を求める人物の行動予測は難しい
監視をつけておくことで何とか時間稼ぎをするしかない。
ただし、それですらどこまで対応できるかと問われると困ってくる
『君も気をつけた方が良い。カオリちゃんを動揺させるために、とんでもないことをするかもしれないから』
そんなことはわかっている。でも私は『彼』が与えてくれた『神様の代理権』がある
私が死ぬことはないけど、傷つけられたら追い詰めてしまうことはわかっている
だから私は絶対に負傷するわけにはいかない
無傷でカオリを保護することは絶対条件である
カオリは自らの影響を受けて大切な人に不幸をもたらすことが知れば何をするか全く予測できない
もしかしたら、またしても『世界の再構築』をすることは十分に想像できる
カオリは大切な家族を守るためなら手段を選ばない
私は彼女が自ら手を下す前に対処することが任務なのだから
『この街ではネルフの警戒網があることはわかっているはず。そのリスクを背負ってカオリちゃんを誘拐したとなると』
確かに彼の発言は的中している。
こちらの警戒網が厳しいことはわかっているはず
それがわかっていないなら誘拐される前に確保することができている
わずかなスキをついて、カオリを誘拐したとなるとかなり利口な人間であり、利口な組織である
「とにかくこちらから警戒情報を流すわ。市警察に」
『僕の方でもカオリちゃんに身に着けてもらっている指輪に小さな発信機を頼りに調べるよ』
相手の言葉に抜け道は最小限にしていることに感心した
だからと言って褒めることはしないが
「とにかく香りを何が何でも救出するのよ。強引な手法を使っても」