海岸の町   作:アイバユウ

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第269話

私は今は監察局の廊下を歩いている。正確に言えば武器庫に向かっている

そこには数多くの銃火器が保管されている。こちらは装備をしっかりして対応しないと

必要なら強力な銃火器を使用してでもカオリを守るために断固たる姿勢を見せる

 

「情勢は極めて危険と言ったところね。まぁ、誰かが協力していないとカオリの誘拐なんて無理」

 

カオリはもしかしたらわざと誘拐されたのではないかと考えていた

トラブルを少しでも減らすには、妨害行動をしてくる組織にわざと誘拐された方が良いと考えたのかもしれない

『彼』の考えが『彼女』のこの街での生活を穏やかに過ごすためにと考えるとあり得る

何かこちらに状況を知らせるものを持っているのかもしれない

あくまでもそれは可能性と

 

「でも危険なコースをたどっているわね。手段を問わないでカオリに大きな影響が出る前に救出しないと」

 

その時、私と一緒に『彼』、いや『彼女』の警護を担当している人員はもちろんだが

他にも警護に役に立つ人材をフル活用して対応する

それができなければ最悪の結果になるかもしれないというだけでは止まらない

カオリに人殺しはしてほしくない。平和な世界で生きてほしい

私の願いは簡単にかなうことはない

カオリにトラブルという名の雨になる前に、雨雲をどこかに吹き飛ばして『始末』する

私がどんなに『汚れて』も気にしない。カオリを守れるなら血まみれになっても良いと覚悟がある

そのために『彼』が『私』を生み出した。でも真実はまだはっきり思い出しているのかと聞かれるとわからない

私としてはその方が安全である。真相をすべて思い出す必要などないのだから

 

「ルミナ」

 

私が武器庫に到着するとその部屋のドアの前でティアがいた

彼女は完全武装の状態だった。防弾チョッキにアサルトライフルとして『H&K G36』所持していた

 

「ティア。あなたも手伝ってくれるのかしら?」

 

「私も彼女を守るべき責任があるはずよ。真実を知っているのだから」

 

唯一、私から断片的ではあるが、『真実』の一端を知っている

だから全面的に参加して支援を約束してくれた

 

「あなたが援護してくれると助かるわ」

 

私はティアから同じように防弾ベストと『H&K G36』を受け取るとカオリを助け出すための行動を始めた

発信機で居場所はある程度はわかる。問題はそこから先の展開である

できるだけ『彼女』の前で流血沙汰になる光景を見せない方が良い

精神的にショックを感じてしまうと何が起きるか見当もつかない

今はとにかく安全に身柄の保護を最優先にしなければならない

使えるコネがあるなら今の私はどんな物にも頼るつもりだ

カオリは自らを餌にすることで私たちを手伝おうとしているのかもしれない。

そうでなければこんな危険なことはしないはず。

思惑通り、カオリの予測通りに話が進んだとしても簡単に解決することはない

カオリにできるだけ『嫌な状況』を見せるわけにはいかない

 

「一応言っておくけど。彼女の前で銃撃をして殺しはしないで。身柄を確保して調べないといけないことも」

 

私の言葉にティアはそんなことは言われなくてもわかっていると返答した

 

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