海岸の町   作:アイバユウ

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第270話

 

『俺』は渚カオルから渡された情報を基にカオリちゃんがいるはずの場所に向かった

車にはアサルトライフル・拳銃・爆薬などの武器が積み込まれている

『僕』の使命はカオリちゃんを守ること。

ゼーレの分派が生きているなら駆逐しないと、今後も同じようなことが発生するはず

なら『こちら』に手を出したらどうなるかを明確に示す必要がある

 

『ピーピーピー』

 

携帯電話に着信があった。

相手はルミナさんで車を一時停車させると電話に出た

 

『カオリ救出のために軍を動かしたわ』

 

「それはまた派手なことを。警察には任せることはできないからかな?」

 

それとも監察局にもまくすわけにもいかないからなのかと質問をした

ルミナさんは当然のようにこう言った。信じることができるのは限られた人間だけと

 

「今回の一件だけど、カオリちゃんは自ら餌になったかもしれないことは予測できているよね?」

 

一瞬の隙をつかれて誘拐されたにしては手口がかなり鮮やかだ

カオリちゃんが『彼』であることは限られた人物しか知らされていない

つまり『碇シンジ』という『彼』が『彼女』になっていることを知っている者はさらに限定される

 

『カオリは大切な人のためならどんなことでもするから。でも私達にはその汚いことをさせないために存在するのよ』

 

ルミナさんの言う通りだ。

僕が同じ家に住んでいるのも万が一に備えての対応だ

一緒に住んでいる方が守りやすいことは誰の目から見てもはっきりしている

ルミナさんが隣で住んでいるのは最悪の状態になった時に監察局がすぐに動けるように

僕はカオリちゃんに対する『直接攻撃の盾』

ルミナさんは『組織攻撃の盾』の役割をしている

 

『ところで、ネタ元が渚カオルである情報は信用できるの?』

 

「それについては間違いないよ。カオリちゃんが身に着けている発信機は情報と一致しているからね」

 

ルミナさんはあまり信用したくないようだ

気持ちはわかるけど、どんな小さな情報も見落とすわけにはいかない

 

「今は利用できるならどんなものでも使うだけだよ。カオリちゃんの安全確保は『俺』の仕事だ」

 

『あなたのスイッチの切り替えの早さはさすがね。とにかく香りを安全に確保することを最優先で』

 

『俺』と僕のことを表現したのはこちらはどんなことをしてでもカオリちゃんを守ることを示している

何が何でも守るためにカオリちゃんと一緒に暮らしているのだから

負けることができない戦いであることはルミナさんもわかっているはず

 

『とにかくカオリを傷つけないように安全に保護するのよ。無茶なことをしても上を黙らせるぐらい簡単だから』

 

了解と俺は返事をすると通話を切った

 

「カオリちゃん。待っていて」

 

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