海岸の町   作:アイバユウ

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第3話

 

「う・・・ぅん」

 

今何時なんだろうか。自分は太陽の夕日が部屋に差し込んできたので目が覚めた

この部屋はほぼ真南に海が一望できる窓があり、そこからも夕日が良く見えるが、砂浜からの夕日のほうが美しく見える

私は完全に目が覚めると机の上においてあるお母さんのメッセージを見つけた。

そこには、目が覚めて夕日が綺麗だったら私が散歩に行くであろう事を予想してかかれたものであった

 

お母さんは抜け目なく、部屋にはきちんと懐中電灯が置いてあり、遅くならないように帰ってくるようにと書いてあった

自分の行動がもう完全に予想されている事に苦笑いをしながら、私はお母さんへのメッセージを別の紙に書いた。

それを机の上に置くとその懐中電灯を手にもち、部屋を後にした

別館の廊下を歩いていると何人かの生徒に会い、私のことを見て驚いた顔をする人などがいた。

しかし、一切気にせず旅館をでると、また海沿いの道を歩いていった。

 

 

 

海岸まで家からだいたい10分ほど、それほど遠くない。

道にはきちんと歩道が整備されていて車線は2つあるが、この時間はほとんど車の通行はないし、

誰かに会うとすれば海に遊びに行っていた生徒や自宅に帰る小学生ぐらいだ。私は誰も気にせず、ただ砂浜に歩いていく。

ちょうど良い時間なのか砂浜が一面太陽の光の色に染まり、そこは一枚の絵画を見ているようだった。

 

だれもいない、ただ時が止まった世界。

私たちすべての生物の母の海、それらが綺麗に太陽色に染まった世界、私にはその一瞬を見ることが楽しみだった。

道路から砂浜に降りると、写真家の男性がこの風景を写真におさめていた。

何かが足りないのであろうか、また撮り直していた。

私には何となくだがわかったように感じた。彼が撮っている写真に足りないものが。

でもそれが何かを言葉で表現する事はできなかった。

 

言葉では表現する事はできないこの風景の魅力、綺麗や美しいなどでは到底語ることができない風景がそこにはあるのだ。

私たちを魅了し、それを放そうとしないものが

砂浜に座り込むと、ただその光景を見るだけ。太陽が少しずつ沈んでいく光景を

少しずつ太陽の光は薄くなり一面が真っ暗になっていく。闇のカーテンが下りてきるがこの一瞬もまた好きだ。

太陽がもう少しで沈むか沈まない一瞬が。

 

 

 

太陽が完全に沈む一面真っ暗になると、私は手に持っていた懐中電灯をつけた。これでようやく少し先の視界を確保できる

砂浜の近くを走る道路には電灯はあるがその光はこちらにはあまり届かないのでどうしても暗くなる。

私は懐中電灯の光をさっき男性がカメラで写真を収めていた男性のほうへ向けると

男性も懐中電灯をつけて私のほうに歩いてきた

 

「こんばんは、カオリちゃん。早く帰らないとお母さんが心配するよ」

 

途中まで車で送っていこうかといわれたが私は歩いて帰ると言った。

たった10分の距離を車で送ってもらうのは気が引けたし彼の自宅と私の自宅は正反対の位置にある

わざわざ遠回りをして帰ることはないだろうと思って断った

 

「それじゃ、またね」

 

私はそう言うと砂浜から道路に上がるとまた来た道を戻り始めた

そこはさっきまでとは別世界だった。一面真っ黒の世界。砂浜付近は電灯があるが自宅と砂浜の間には電灯は少なく暗い

一寸先は闇といった感じだ。私はそんな道を懐中電灯の光をたよりに帰った

自宅に帰ればおそらくまた彼らと会うことになるだろうが無視しようと思った。

もう彼らのことなんてどうでも良い。私は今自分がここに居れるだけでいいのだから

 

 

 

本館から入るとそこには受け付けカウンターにお父さんしかいなかった。

おそらく他の人は今日来た生徒のご飯やいろいろと準備をしているのであろう。

私はお父さんにただいまと言うと、彼は今日は綺麗だったかとぶっきら棒に聞いた。

とっても綺麗だったよというと、お父さんはそうかと返事をした。

あとで夕飯を持って言ってやるから部屋で休んでいろと言い、受付カウンターの奥にある事務所に入っていった

お父さんの彼らに会わそうとしない心遣いに感謝しながら別館にある私の部屋に戻っていった

本館の廊下では誰にも会わず、別館でも同じだった。みんな大広間にでもいるのであろう。

この旅館に宴会をするための大広間と普段職員や静かにご飯が食べたい人のための食堂がある。

食堂からは海が一望でき、その光景も絶景だ。

そのため、風景を楽しみながら食べたいグループは食堂、騒ぎたいグループは大広間と大体決まっている

 

 

 

部屋に戻るとすぐにお父さんが夕飯を持ってきてくれていた。

食べ終わったら部屋の扉の前において置いておけと言うと仕事に戻っていった。

私は持ってきてくれた夕飯を食べると日記を書き始めた

 

「今日はいやなことが多いな」

 

私は日記を書きながらそんな事を思っていた。彼らとの再会は最悪だった。それにお父さんとお母さんにも迷惑をかけた。

 

「明日は良い事あるかな」

 

そう言うと私は布団に入り眠った。良い明日を願って

 

 

 

 

 

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