海岸の町   作:アイバユウ

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第302話

 

私は食事を終えると後片付けをルミナさんやユウさんに任せてリビングでテレビを見ていた

今の話題はゼーレに関することが今も大きく報道されていた

かつての『僕』にも関係のある話なので注目して報道内容を見ていた

 

『国連は調査にはかなり時間が必要になることは間違いないと声明を発表しています』

 

『多くのマスコミは情報開示を求めていますが、国連は慎重な態度を示しています』

 

「国連も大変ね。私も悪いけど」

 

「カオリは何も悪くないわよ」

 

私の小さな独り言にルミナさんが後ろから抱き着いてきて、優しく声をかけてくれた

でも耳元で声をかけられたので思わず驚いてしまったことも事実であった

 

「本当に大丈夫ですか?」

 

「監察局が報道規制をかけているから心配いらないわ」

 

局長は頭が良いから利口な手段をとってくれるから、

あなたは何も気にすることはないわとルミナさんはそう言う

 

「洗い物は終わったんですか?」

 

「彼が引き受けてくれたわ。あなたの面倒を見ておいてってね」

 

マスコミの報道内容を見て不安になっているかもしれないと

私が不安に感じていることをユウさんは見抜いている

本当の意味でユウさんは私のことをよく理解してくれているし心配してくれている

そのことに私は少し頼りきってしまうことに不安を感じていたことも事実だった

 

「マスコミの報道であなたのことも彼のことも名前は出ることはないわ」

 

ルミナさんが言った彼というのはかつての『僕』のことを示している

私の心配事はそこにあったこともルミナさんには簡単に見抜かれていた

 

「私の名前が漏れることはあるのではありませんか?キール・ローレンツがしゃべるかもしれませんよ」

 

「その時は報道管制を敷くから心配しないで。国際司法裁判所で裁判が行われるけど、それはあくまでも非公開裁判だから」

 

マスコミに公開される時にはあなたの名前が漏れる心配はないわとルミナさんは言ってくれた

それなら少しは安心できるのだが、世の中には完ぺきということは存在しない

必ずどこかで情報というものは漏れてしまうものである

強固な水門であっても時間の経過に伴い劣化していくの同じで徐々に損傷していく

そして損傷したところから情報という名の水が漏れていくのだ

 

「カオリ。大丈夫よ。何があっても私たちが守るから」

 

「ルミナさん」

 

「それにあなたには頼もしい恋人がいるでしょ」

 

「ユウさんですか?でもユウさんに迷惑ばかりかけたら」

 

私がユウさんの名前を出すとルミナさんはユウさんの名前を出していないのに、

私から名前を出すということはそういう関係にあるのかしらと追及してくるかのように言った

 

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