海岸の町   作:アイバユウ

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第3新東京市(パート2)
第54話・第55話


 

ユウさんが出て行ってからの10分後、突然玄関のドアがノックされた。

私はとっさに右腰のホルスターにあるベレッタM92を取り出し、銃を構えた

 

「どうぞ、開いてますよ!」

 

私が大声で言うと部屋に誰かが入ってきた

私は済みに隠れて様子をうかがっていると、入ってきた人物を見て警戒を解いた

 

「渚カヲル。もう1度私達の前に現れたら殺すって言わなかったかしら」

 

「そういわれたのは覚えているよ。でも話をしておきたいことがあってね」

 

「何かしら、返答しだいであなたの頭に穴が開くことになるけど」

 

私はベレッタM92を渚カヲルの額に照準を合わせた

 

「ネルフは今のところ僕を自由にしている。それに携帯電話は碇レイのかばんの忍ばせてきたよ」

 

つまり発覚するまでは少し時間があるということだ。

 

「それで話っていうのはなに?」

 

「君は2人に会ってどうするつもりなんだい?」

 

「そんなことを決まってるわ。碇ゲンドウと碇ユイした事と同じ事をするだけ。それが碇シンジの遺言だからよ」

 

そう、私は碇シンジの遺言を実行している遺言実行人に過ぎない。

そこに、銃を構えながら、部屋に入ってきた人物がいた。ユウさんだ

 

「大丈夫?なにもされてない」

 

「むしろ私のほうから何かするところでしたよ。それじゃ、話は終わりよ。渚カヲル、もう帰りなさい」

 

「わかったよ。そうさせてもらうよ」

 

渚カヲルが部屋から出て行こうとする寸前に私は一言告げた

 

「もし今日のこと、誰かに話したら、今度こそあなたの命を奪うからそのつもりで。それじゃ、さようなら」

 

「さようなら、水川カオリさん」

 

ユウさんはカヲルが部屋が出て行くのを最後まで確認しに行くため、1度外に出て行ったが、もう誰もいなかった

 

「よかったのかい?彼と話をして」

 

「良いんです。もし話したら殺すだけです」

 

「カオリちゃん」

 

「私の運命がかかっているんですから妥協はできません」

 

そう、この作戦には私の最後の運命がかかっている。妥協などしていたらこちらが負けてしまう

その後、昼食を食べて、2人でおしゃべりをしながら楽しいひと時を過ごしていた

夕食のときもずっとおしゃべりで時間を潰していた。私達は寝るときは、持ち込んだ寝袋で2人川の字になって寝た

 

 

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翌朝7時、いよいよ作戦実行の日だ。

私は前のときと同じように妙な興奮状態で迎えていたが

ユウさんに鎮静薬をもらって落ち着きを取り戻しつつあった

 

「それじゃ、そろそろいきましょうか?」

 

「そうだね」

 

少し早いが私はアスカの携帯電話に連絡した

 

『だれよ、こんな時間に電話してくる奴は?』

 

「相変わらずの口の悪さ。直したらどうですか、惣流・アスカ・ラングレー」

 

私はあくまでも高圧的な態度で臨むことにした。

そのほうが、得策だと考えたからだ

 

『あんた、誰よ?』

 

「碇シンジに会いたくない?私が匿っていたけど、彼もあなたと会いたいといってきたわ」

 

『それ、信じても良いのね』

 

「信じるか信じないかはあなたしだい。もしこの件をネルフや誰かにしゃべったらその時点で取引は終了」

 

『そうしたらどうなるの?』

 

「あなたは一生碇シンジに会うことはできない。どうする?」

 

向こうで数秒の沈黙の後、分かったと返事が来た。私がユウさんのほうを見ると、そちらもOKの返事をもらえたようだ

 

「それじゃ、8時に第三新東京市市営住宅第22番建設職員用団地6号棟の402号室に来なさい」

 

『わかったわ。すぐに向かうわ。その代わりうそだったらこっちも黙ってないから』

 

「来れば分かるわ。それじゃ、またね」

 

電話を切るタイミングは私もユウさんも同じタイミングだったようだった。

 

「これでパーティーの準備は完了したわけだ」

 

「そうですね。これからが本当の戦いですね」

 

 

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午前8時、約束の時間だ。

最初に現れたのは碇レイだった。

 

「碇レイさん。お久しぶりね」

 

あの時とは違って今は冷静に対応できている。あの時、それは碇レイの首を絞めたときのことだ

 

「こんにちは、お誘いはあなたからでしたか」

 

「そうよ。碇シンジの真実を知っているのは今ここに居るメンバーの中ではあなたとユウさんだけ」

 

「それで碇シンジにはどうやって会わせてくれるの」

 

「私はあわせるとは言ったけど。だれも本人とは言ってないわ。ただ遺言を伝えるだけが役目なお人形なのよ」

 

かつて、アスカがレイのことをお人形と評したように、今回は私がお人形の番だ

そこに駆け足で廊下が走ってくる音が聞こえた。そして乱暴にドアを開けた

 

「バカシンジ!」

 

バカシンジと呼ぶのはただ1人、アスカだけだった。これで面子はそろった。

 

「それじゃ、お話を始めましょうか。碇シンジについて」

 

それは地獄の扉を開けるようなもの。でも、パンドラの箱でも最後に残ったのは希望だ。

その希望すらも私は壊そうというのだ。残酷な女だといわれても構わない。それが宿命なのだから

 

 

 

 

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