海岸の町   作:アイバユウ

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第64話

 

つまり抜けることは難しくないということだ

あの街を

 

「ところで、下で試し撃ちをしてもいいですか」

 

「カトラスは持ってきてるのかい?」

 

カトラス、私の銃につけた愛称の名前だ。正式にはソードカトラス。

愛称はカトラスだ。この呼び方のほうが一般の人の前で話しても問題ない

ある漫画からつけた名前だ。ソードカトラス。少しかっこ良い

 

「持ってきています。訓練をしてもいいですか?」

 

「かまわないけど、銃の練習だなんて珍しいね」

 

「これからのことを考えて訓練をしておこうと思って」

 

「だったら、私が教えるわ。男にベタベタ触れるのは苦手でしょう」

 

ティアさんがそんなことを言ってきた。

私は別に気にしたことなどないのだが特にユウさんには絶対的な信頼を置いているためだ。

 

「私はユウさんでもかまいませんよ。銃を習うなら慣れている人が一番ですし」

 

「どうやら私は振られちゃったみたいね。相葉ユウさん。くれぐれも不謹慎なことはなさらないようにしてくださいね」

 

不謹慎なこと、それがどんなことを指し示すのか私にはよく理解できていない

というか、私にはまだ女の感性というものが良く理解できていないことが大きい

 

「喜んで引き受けるよ。下の銃器訓練室に行こうか」

 

ユウさんの地下1階には銃器訓練室がある。

ブースは3つしかないが、2人しかいないため問題ない

 

「やっぱり、私もその訓練に付き合っても良いかしら」

 

そこにティアさんも入ってきた。私は別にかまわない。他者の介入は特に気にしない

私はユウさんからソードカトラスと同型のベレッタM92Fを借りると射撃訓練用の的にめがけて発砲した

耳にはイヤープロテクトをつけて。私は的の中心部分と一部を外していたが

ティアさんとユウさんはほぼ中心部に的中していた

 

「ティアさんって銃の扱い上手いんですね」

 

私が率直に言うと、私は軍上がりの人間だからねと返事が帰ってきた

 

 

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ティアさんは銃火器の取扱は手馴れているのだろう

彼女はユウさんが持っている銃の量を見て驚きの表情を浮かべていた

 

「すごい量ね。良くここまで持ち込めたわね」

 

「こう見えても、ルートはあるからね。何だったら、弾の補充でもしていく?」

 

「そうさせてもらおうかしら。こっちに来てから久しぶりの射撃訓練」

 

「よかったら、僕がいる間なら今後も使っても良いよ」

 

「そうさせてもらうわ」

 

私の知らない間に、ティアさんとユウさんの話は進んでいる

特に私には関係のない話なので聞き流していたのですが

 

「それにしてもカオリちゃん、銃の筋は良いわね。本気で訓練してみる気はある?」

 

振って沸いた私への質問に、私は一瞬回答に戸惑ったが遠慮することにした

別に本気で刑事を目指しているわけではない。あくまでも肩書きだけだ

休職中の刑事扱いなのだから

 

「私でもよければお願いします」

 

銃の訓練は良い事だ。ソードカトラスの訓練をしておくことで

訓練をしておくことで、本当の刑事に近づけると思った

今は書類上の刑事だけど。いつか本当の刑事になろうと考えていた

もちろん第三新東京市ではなく、この海岸の町を所管する警察署の刑事に

いつか、自分が本当に役にたつときが来ればよいと思っていた

 

「喜んで引き受けるよ」

 

「あなたのためならどんなことでも協力するわ。」

 

ルミナさん。あの事件以降、私は姿を見ることはなかった

ティアさんの話ではネルフ監査本部勤務になったということだ

私とルミナさんは手紙のやり取りをする程度だったが、今でも交流があった

わずかな小さな紐のような交流だったが。

 

「ルミナさんは最近はどうしていますか?」

 

「さぁね。今頃ネルフをいじめるのに力を出しているんじゃないのかしら」

 

確かにネルフ嫌いで有名なルミナさんならやりかねないことだ

でも、今は私には関係のない話だ。

 

 

 

 

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