海岸の町   作:アイバユウ

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番外編ー1

 

海岸の町(番外編)

 

海が一望できる旅館の従業員用の宿舎

そこには数多くの旅館の従業員が住み込みんでいる

そんな中の1人、カオリの隣の部屋に住んでいるのは私、根川ユリです

私はカオリとかなり親密な関係を持っている

私と言うよりも親友という感じだ。年齢も近い事もそのうちの1つだろう

彼女の年齢は21歳。カオリは18歳。3しか歳が離れていなのだから

私はいつものように中庭で布団を干していた

今日は絶好の布団乾燥日和だ。天気は1日中晴天

そこに猫たちの群れを連れたカオリがやってきた

 

「カオリちゃん、今日も人気者ね」

 

「おやつがきっと欲しいんですよ。ねぇ、ネコさん」

 

その言葉を理解しているのか、猫たちは一斉に返事をした

カオリちゃんはこの旅館のアイドルだ。彼女の魅力にひかれてやってくる客がいる

主にモデルになってみる気はないかという誘いだ。彼女にはそれだけの素質があると

しかしカオリちゃんはそんなつもりは全くないと。まるでこの旅館で静養しているかのように

この町から出る事は基本的にない。写真家の水野ユウさんと第三新東京市に買い物に行くときを除けば

それ以外はこの旅館と海岸を行き来するくらいだ。私はそんな彼女の姿を見ていつも不思議でならない

まるでオーラを発しているかのような彼女の様子。それを見るだけで目の保養になると言う物だ

彼女はよく猫たちの世話をしている。元々は捨て猫だったのを彼女が拾ってきては育て始めたのだ

今は5頭の大人の猫と3頭の子猫がいる。布団を干している時は彼らにとって格好な遊び道具だ

そのため、カオリちゃんがいつも彼らを引き連れて、旅館の裏側から事務室に入り彼らのご飯を用意する

そう言う事になっていた。そうする事でお互いに問題なく生活ができる状況を作っていた

なぜかは知らないが、ネコさんたちはカオリちゃんの言う事をほぼ100%聞くことになっている

こればかりは不思議としか言いようがない。まるでネコたちがカオリちゃんの言葉を理解しているかのように

布団を干し終えると次は旅館内の清掃だ。別館もあるため旅館内の清掃はかなり時間がかかる

カオリちゃんはその間はいつも海岸に向かって歩いて行っている

なぜかは知らないが、あの海岸の浜辺が好きなようだった

私にはどこも同じように見えるが、カオリちゃんにとっては違うようだった

もう1人この町に住んでいるのはルミナさんだ。彼女も不思議で私はあまり知らないが

カオリちゃんの何かを知っているようだった。それが何かまでは不明だが

それでもカオリちゃんとは親しい間柄だ。もちろん、この旅館の女将さんとも親密だ

不思議な事で女将さんもルミナさんについてはあまり知っている事は少ないらしい

ただ分かっている事と言えばカオリちゃんの味方だという事実だけだ

彼女も同じように容姿は変わっている。白銀色の髪に紫の瞳

まるでどこかの絵画か現れたようなものだった

彼女もこの町では不思議な存在とされている

小さな町なのだからいろいろと噂は流れているが、正しいかどうかは分からない

 

「今日も忙しい1日になりそうね」

 

私はそういうと旅館内に入ると館内の清掃を始めた

今日は夕方から近隣の公立高校からの臨海学校が予定として入っている

そのため、今日中に洗濯物を片付ける必要があった

幸いな事に今日は一日中青天のためすぐに乾くだろう

館内の清掃をしているとカオリちゃんが中庭で猫たちと遊んでいる姿があった

いつもの光景だ。見慣れた光景でありネコたちは本当にカオリちゃんの言う事を聞いている

見慣れない者から見たら変わっていると思われるが、旅館の関係者からはいつものことだった

ネコたちはカオリちゃんが海岸の浜辺に向かっていった

すると子ネコたちは今度はネコじゃらしで遊び始めた。親ネコはそれを見届けていた

 

「今日もネコさんたちにとっては楽しい1日の始まりね」

 

私はそういうと旅館の仕事に戻っていった

 

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