セブンスドラゴンⅢ code:VFD inブルー   作:メレク

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こんにちは。メレクです。

こちらの作品、半年以上ぶりの更新となって申し訳ありません!!

変わらず不定期更新になるかと思いますがこれからもオリ小説共々よろしくお願いいたします!

それではどうぞ。


大波乱の初体験

「無理無理!!絶対無理!!」

「これがドラゴンの...」

「でも!」

「「負けられない!」」

 

ヤイバとアオギリ、二人が叫んでドラゴン_______魚のような見た目をしたエンシェンタスと言う_______を相手に互角の戦いをしている中、ブルーは一つの刀を投げた。

 

正確無比に捉えられたのはもう一匹のエンシェンタス。声をあげる暇もなく刀は胴体を貫き、絶命した。『核』が一つこぼれ落ちる。

 

「...ニアラ。どこにいる?」

 

青い瞳で睨む先は、幻想的な『アトランティス』が広がっていた。

 

 

 

 

 

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「code:VFDの要となるドラコンクロニクル...それを作るには、真竜の力が必要なの」

 

時を遡り日が変わる前。目覚めたブルーは最初に通されたノーデンス社の会議室で、code:VFDの説明を受けていた。隣にはやる気満々のヤイバとアオギリ、そしてうつむいているミオがいる。

 

反対にはジュリエッタとナガミミが話を聞いていた。

 

そして、語りたるアリーがモニターに何かを表示する。

 

「これは、第一真竜アイオトの検体...私達人間を含む全てを作り上げたものだというのが、この検体で分かったの。真竜の倒すことで手に入る検体を集め、まだ見ぬ七体目の真竜を淘汰する...それが、この作戦の主目的よ」

「真竜って...」

「この前ブルーがやりあった帝竜なんかより遥かに強い化け物だな」

 

ヤイバの呟きにナガミミが返す。あの威圧感、恐怖を遥かに凌駕するものなど、今のヤイバには考えられなかった。

 

「今人間が持っているのは、私達が保有する第一真竜アオイトの検体と、80年前飛来した第五真竜フォーマルハウトの検体。まぁこっちはここで保有してないんだけど☆」

 

一方、冷静に頭を働かせるものも一人。

 

(...真竜。か)

 

かつていいように使い回され、手駒として扱われてきた相手。

 

(...これは、逆にチャンスか?)

 

真竜に怨みがないと言えば嘘になる。そして、今自分は脆弱とはいえかつて自分を、数多の指揮官竜をなぎ倒し、真竜を潰してみせた種族と同じ姿。

 

(竜の時、絶対に勝てなかった相手に、復讐できる...悪くは、ない)

 

「というわけでまずここで聞くよ。私達の計画に、協力してくれないかな。衣食住はつけるしお金も出しちゃう!」

 

アリーが叫ぶ頃には、意志が決まっていた。

 

「私、協力します!」

「竜に勝てる適合者なんだし、ヤイバもこう言ってるし...やるよ。私も」

 

ヤイバ、アオギリは確固たる決意で返事をし。

 

「...いいだろう」

 

計算した合理的判断に、ブルーは身を任せた。

 

「...私は、協力出来ません」

 

唯一、ミオだけが反対の意見を出した。

 

「私なんかいたら迷惑だろうし、皆と違って戦えないし...」

「ナビゲート能力は他の追随を許さないんだけどなー」

「...ごめんなさい」

 

ミオが部屋を飛び出る。「...見送らせてもらうぞ。秘密をばらさないよう釘も刺さなきゃいけないしな」と言って後を追うナガミミ。

 

「ミオちゃん...」

「残念だけど、意志がない人がいても意味ないからね」

 

アリーの言葉が、なぜか心に残った。

 

「さて、とりあえず置いといて...君達に手にいれて欲しい検体は四つ!それでVFDに対抗する力が手に入る!」

「...ちょっと待って下さい。それって真竜が来るまで待ってるんですか?」

 

アオギリが質問するのも最もだ。現在この世界を見渡しても真竜はいない。

 

「いや、こっちから行くよ。特にニアラは80年前倒されてこの世界にもういないし」

「え!?そんなの過去に行くくらいしかないじゃないですか!?」

「うん。だから過去に行ってもらうのさ☆」

「「...え」」

「我がノーデンス社が作り上げたタイムマシンで、君達には過去に飛んでもらう。場所の名前は『アトランティス』。ターゲットは...第三真竜ニアラ」

 

 

 

 

 

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『さっきも言った通り、こっちの時代から約12000年前のそこにニアラが潜んでいる。手負いだった80年前とは違う完全体だ』

 

いけすかない金色の体を思いだしながら、ブルーはナガミミの声を聞く。

 

『海洋王国アトランティス...まずは無難に首都であるアトランティカに送り込んだ。いきなりドラゴンが出てくるとは思わなかったけどな』

 

なんとか二本の足だけで歩き、投げた剣を拾う。ゆっくり歩くだけならそろそろ無事に出来そうだった。

 

『周りに生えてる花あるだろ?竜がいる証拠でもあるフロワロだ。今のそれに毒性はないが過去の事例もある。気を付けろよ』

 

(いや、このフロワロに毒性はない)

 

かつて使役していたブルーは確信していた。紫色が強い物はただの存在証明として撒かれるもの。死に至らす物は黒や青である。

 

『んでブルー、Dzも回収しとけよ』

「Dz?」

 

聞きなれない単語に復唱すると、ナガミミは深いため息をついた。

 

『さっきの話聞いてたか?竜を倒すと落とす核みたいなもんだよ。こっちではいい資源になるからな』

「あぁ『核』か。それなら早く言え」

『Dzで分かるだろ!』

 

竜の『核』を拾い、一応任務を終了する。

 

『あと...そっちのも、助けてやれよ』

「こっのー!」

「はぁぁぁ!!!」

 

未だにエンシェンタスと戦うヤイバとアオギリの方を向いて、

 

「俺が助けなければならない理由はない」

 

ブルーは刀を鞘にしまった。

 

「...それよりニアラはどこだ」

『お前そんな足取りおぼつかない状態で戦うつもりか?やめとけ。死ぬぞ』

「貴様にとやかく言われる筋合いはない」

『...ったく、ナビはこれだから面倒なんだ...っ!?』

 

ナガミミが深い深いため息をつくのと、ブルーの立つ地面が揺れたのは同時だった。

 

『なんだこの反応!』

「...あっちか」

『あ、おいブルー!』

「うるさい」

 

通信機を捨て去り、ブルーは道なりに歩いていった。

 

 

 

 

 

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階段と呼ばれていた段差をバランスを崩しながら上る。

 

「せめて尻尾があれば...」

 

体のバランスを保っていた器官はもうない。四つ足で立っていたドラゴンがいきなり二本足で歩くのは無理がある。

 

(それでもやらなければならない...このくらい出来なければ、ニアラと相対することすら叶わない)

 

人間としての歯痒い感情を飲み込んで、階段を上りきった。

 

「...ワイバーンか」

 

かつて最大種ともされ、赤竜に引っ付いていたワイバーンがそこにはいた。

 

「どなたです!?」

「gaa!」

 

こちらを認識した途端、その口を開いて咆哮する。思わずよろめき階段から落ちた。もう一人いた気がしたが、分からない。

 

「くっ!」

 

せっかく越えた壁から叩き落とされ、受け身もうまくとれず最後まで落ちる。止まった頃には、頭から血が流れ、全身から悲鳴が上がった。

 

「なんて無様を晒す...ニンゲンの体は脆すぎる...」

 

体に力を入れるが立てない。どうやら今のだけで骨がやられたようだ。

 

おまけに獲物を見つけたワイバーンは、わざわざこちらまで降りてくる。いくばく経たぬ内に喰われるだろう。

 

「いけません!」

「ブルー!?」

 

上から、遠くから、声が聞こえる。しかし、そのどれもが耳に入ることはなかった。

 

あるのは激情。

 

(こんな雑魚に...こんな目にあわされる?許せない...氷竜の名に懸けて)

 

「貴様は...殺す」

 

自身の足______変に曲がっているのは折れている証拠______を氷漬けにすることでむりやり直立にし、底冷えする声で呟かれた言葉を体現するように、ワイバーンの足に氷が巻き付いた。

 

「ga!?」

「確実に、イタブリ、確実に、コロス」

 

氷は奴の足を内側から貫き、地面に張り付けていく。

 

 

 

 

 

「滅せ。氷河の果てに」

 

青い目を輝かせ、見開かれたころには、ワイバーンは一つのオブジェと化していた。

 

「無様だな...貴様も」

「ブルー!」

 

瞬間、意識が切れた。

 

(__________俺も)

 

 

 

 

 

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(...知っている)

 

三度目に見る天井に、ブルーは一つため息をついた。

 

(それよりこのベッドとやらはなんなのだ...これは竜をダメにするぞ...)

 

今までベッドに入ること三回、一回目は身体検査と言われ外に出され、二回目はすぐさま過去に送られた。だがこの三回目、近くに邪魔な存在はない。

 

ブルーが寝てきたのは硬い床で、しかもかけられる物などなかった。だからこそ掛け布団と敷き布団のあるベッドは最強過ぎた。

 

(...これは、二度寝するに限る......)

 

幸い怪我も消えたようで折れた骨も違和感を感じない。

 

しかし、別の邪魔はすぐに入った。

 

「ブルー?起きた!?」

 

いつの間にか現れたアオギリがブルーのことを覗いている。その両目が合う。

 

「...ち」

「え、起きてるし何で舌打ちしたねぇ!」

 

(...煩わしい)

 

「黙れアオイ」

「あ、ちょっ!」

 

ブルーはそのままアオギリを抱き込み、ベッドの中に入れた。ほのかな暖かさとブルーの嗅いだことのない匂いが鼻をくすぐる。

 

「なにするの!離して!」

「黙れと言っている。俺がここでもう一度寝るのにうるさくされたら殺したくなるだろう」

「ベッドの中ですごく物騒!」

「うるさい」

「※!☆○!×?!」

 

口を抑え、そのまま暴れられないよう体も抑えつけた。これでアオギリは離れられない。やがて観念したのか、暴れていた力は抜け、大人しくなった。静かに抑えていた口を離しても、騒ぐ気配はない。

 

「あ、あの...」

「やはりこれは最高だな...こうも柔らかいとは...恐るべし人間...」

「うぅ...」

「体の治りも早いようだしな...」

「そ、そうだよね、あんなにぼろぼろだったし休みたい...ひゃっ!だめブルー...」

「アオイ、貴様静かにすることすら出来ぬのか?」

「いや、あの、その...」

 

至近距離で見つめられたアオギリの脳は既に限界を超えていた。

 

「お前は黙って俺の邪魔せず寝てればいいんだ。この柔らかいベッドの中でな」

「......もう、ダメ」

「全く...これを作ったのはどんなニンゲンだ。竜専用の物も欲しい位だぞ...」

「竜専用の武器で成敗してやるよぉぉぉ!!!」

 

せっかくの二人の睡眠は、ナガミミの叫びで中断された。

 

 

 

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