今回、苦手な一人称を攻略(克服)する目的で書かせていただきます。
………作者が重度の暗殺教室厨なのでという理由もあります。
前述したように一人称が苦手な為いつも以上に駄文が目立つ可能性がありますが、「あ、コイツしくじったなw」という目でも良いので流して頂けると幸いです。
「この日本という平和な国に、冷酷無比で人の道を外れたような殺し屋がいる」
とある有名企業家が、ネット上にこう呟いた。
その呟きは若者を中心に零れた水のように広がり、一種の都市伝説となっている。
勿論、嘘くさくて出鱈目な話を大人は信じようともしない。だが、噂によるとここ数年で起きた犯人が特定されていない殺人事件は、全てこの殺し屋の仕業だという。
噂は語る者によって様々。
満月の夜にだけ現れるとか、一瞬で致命傷を与えるとか、どんな警備でもくぐり抜けるとか、気に食わなければ依頼者でも殺すとか。
だが、時間が経つにつれてお祭り騒ぎも下火となった頃、とんでもない話が飛び出した。
それはその殺し屋に殺されたであろう弁護士の息子の証言だった。
「父親を一瞬で仕留めた殺し屋の顔は、美しい藍の瞳の少女だった」
勿論息子はメディアに訴えたが、少女が殺し屋なんて突飛な話を信じようとはせず、報道しなかった。
大人達も教育に悪い等と騒ぎ出し、この話は風化していった。
その真実を知るのは、その殺し屋に葬られた死者だけなのだ・・・・
「母さん!」
私は目の前で倒れた母さんの元へ駆け寄った。
脚から血が滲み痛むがそんなの関係ない。
倒れていた母さんは腹を手で押さえ、苦痛に顔を歪めていた。母さんの血の滲みは私の脚と違ってどんどん広がっていく。私は床に座り込んで必死に血を止めようと押さえたが、涙のせいで視界が歪み上手く押さえられなかった。
「母さん、お願い死なないで!」
私は嗚咽を漏らしながら母さんの腹を押さえる。すると、押さえていた手に何かが触れた。………それは大好きな母さんの手だった。
「もう、いいの……お母さん、は、助からな……いから、逃げ…て」
母さんは途切れ途切れになりながらも言葉を紡ぐ。
「___さえ、生きて、いれ…ば幸せ、だから」
母さんは私の手を弱々しく握っていた手と反対の手で私の頬をなぞる。それが涙を拭ってくれていたのだと気づくのに少しの時間が掛かった。
そして母さんは弱々しく、けれど優しく微笑んだ。
「駄目!お願い、死なないで!!」
私はさっきよりも涙をボロボロと零しながら言葉を発した。
母さんは私にとって言葉に表せない程大切な人。絶対に死んでほしくない。
だが、神様は私に意地悪だった。
バンッ!バンバンッ!!!!
3発の銃声が、私と母さんの居る空間に轟く。何処からか放たれた銃弾は母さんの腹を撃ち抜いた。
私の手を握っていた母さんの手から力が抜ける。
「え?嘘でしょ?ねぇ!?母さん!?返事して!!」
私は喉が枯れるかと思う程叫んだ。私の瞳からは涙が溢れ出る。
嘘でしょ?またたちの悪い夢?
そんな風に現実逃避をしても、現実は一向に消えやしない。
「母さん!!母さん!!」
何度揺すっても母さんからの反応は無い。
私は認めたくない事実を認めなければいけないのだ。
静かになった空間に、靴音が響いた。
音から察するに数人………しかも男だ。
「ハッ、母親の方は死んじまったか………あっけねえよな、人間ってよ」
男達は母さんの遺体を一瞥してから笑い出した。
私はギュッと拳を爪が食い込む程に握りしめる。
「わかるか?お前らが………いや、お前が逆らった結果がこれだぜ?」
「ハハッ、ま、お前の母親なんか死んだ方がマシだがよ………邪魔だしなぁ」
………その瞬間私の中で堪えていた何かが切れた。
「で?どうすんだ?お前も此処で」
言葉を発していた男の眉間を近くに落ちていた銃で撃ち抜いた。男はさっきまでの威勢が嘘のようにあっさりと後方へ倒れ込む。
…………あーあ、死んじゃった。
私は立ち上がって次の標的に狙いを定める。
なんでだろう?理由はわからないけどなんか外す気しないんだよね。
「お前……何する気だ!?」
動揺した男等が私にナイフを向ける。
残念だけど、ナイフじゃ勝てないよ?銃を持っていたのはさっき殺した男だけだって知ってるしね。
「見ての通り………あんた達を殺すんだよ?」
そう言いながら私は引き金を引く。2人、3人と次々に倒れていく。そして私は最後の1人に向かって引き金を引いた。
たった数分で、この空間は静かになった。私はパチャパチャと血の水滴を飛ばしながら男達の元へ歩み寄る。
「ホント、言う通りだよ………人は呆気なく死んじまうんだな」
私は冷ややかな目で男達を見下ろしてから、さっき立っていた位置に戻った。
そして、母さんの手を握る。
「ゴメン、母さん………私は元に戻れないや」
言い終わると手を離して、私の頬に付いた男達の返り血を拭った。
手が紅く染まったけど、別に気にする必要は無い。
…………何故なら私は変わるのだから。
演じ、そして本物になる。
冷酷で、手段を選ばず、決して獲物を逃がさない………そんな殺し屋に。
「今までありがとう………母さん、大好きだよ」
こうして私は夜の街へと飛び出した。
雲一つ無い空に浮かんだ満月は妖しく、不気味に輝いていた。
これから始まるのだ………私の冷たく、希望なんてものもない人生が。
今回はプロローグなので暗殺教室要素がありません(白目)
もっと言うと主人公の名前すら出ていません(白目)
じ、次回は暗殺教室要素があります!(保険)