「それで、実際の所、親父は等に離婚してウチにはお袋しか居ない訳ですけど、どうするつもりなんですか?」
「あっ………確かに……」
「えっ……。まさか、考えていなかったんですか……?」
「………………………はい」
マジで!?嘘とは言え、あんだけ言っといて本当は何も考えていないの!?こんなんで良いの、魔法学生!?
「…でも、居候させてくれないと困りますっ!私一人じゃ生活できないですし。……それに………」
「…それに、何ですか?」
「…………いろいろ、恥ずかしい所見られちゃいましたし……」
見られちゃった?何が?………しばらく考えてようやく答えを探り当てて、同時に顔が熱くなる。
え?恥ずかしいって、あれでしょ?この人がまだ猫の状態の時に俺が下腹部をじろじろ見ちゃった時のことでしょ?
「…あっ、あれは不可抗力だろ!」
「で、でも…………………はっ!それこそあなたのお母さんを暗殺して、あなたとSEっく———」
「それだけはやめろ!!」
思わず彼女の脳天にグーを投下する。今の会話は早いこと忘れた方が良さそうだな…。
頭を抑えて踞る彼女を見下ろしていると、ズボンの右ポケットに入っている俺の携帯電話からリズミカルなメロディーが流れて来た。
「お袋からだ。…少しの間、静かにしていてくれますか?」
「……………(コクコク)」
まるで誘拐犯の台詞だな。
段々彼女に対する俺の態度が荒くなって来ている気がするが、非は確実に向こうにあるだろう。
どうやらげんこつが相当効いたらしく、痛さのあまり、声が出ないようだ。勿論これも、彼女の自業自得である。
「もしもし?」
『もしもし六矢?』
「うん、そうだけど。メールは見た?」
『見たわよ。別に飼っても良いけど、面倒は自分でちゃんと見るのよ?』
「わかってるよ」
『あと母さん、来週からベトナムに海外出勤することになったから、来週の火曜日からは一人で生活するのよ』
「うん、了解。お袋が居なくても、ちゃんと一人で生……か…つ———」
『あらどうしたの六矢?声が震えてるわよ?』
バッ、っとテレビの横に立てかけてあるカレンダーを見る。
……来週の火曜日……。今日は金曜日だから、日数で数えると……。
「四日後じゃねえかバッキャろおおぅぅぅ!!」
『うるさいわよ!静かにしなさい!』
目の前でトラコさんの肩が跳ね上がる。確かにうるさ過ぎたかもしれない……。良く考えれば、そこまで驚く程の物でも……、
「驚く程でもある…………!」
『ちょっと知らせるのが遅れちゃったけど、仕送りは毎月あなたの口座に振り込むから、大丈夫よね?』
「ん?まあ、一応……」
もともとお袋は、医療関係の仕事に勤めていて毎日帰りが遅かった。だから、今更———って、確かに、本当に騒ぐ程でもなかったのかもしれない。
………ん?なんか見落としている様な……。
「ちょっと、お袋聞いても良い……?」
『何かしら?』
「ちなみに、海外出勤が決まったのはいつ頃の話?」
『う〜〜〜ん…………三ヶ月前、だったかしら…?』
「ダメダメじゃないかよ!!」
『こら!うるさいって言ってるでしょ!別に良いじゃない。死ぬ訳じゃないんだから』
「それのどこが良いんだッ!」
何この人!?悪いのは自分なのに、開き直ってる上に逆ギレしてるよ!それも多分、自覚してないし!
するとお袋が何かを思い出した様に、小さく声を上げる。……やれやれ…まだ何か忘れていたのか。
『あっ、それと六矢』
「……なんだいお袋…」
『ほらあなた、バカでアホで要領悪くて危なっかしくて頭悪い上にバカじゃない』
「今度は罵倒の嵐か!?」
一体何がしたいんだこの人は………?ここまで俺を貶して………今更ながら俺がこの人の腹から産まれて来たことに疑問を抱く。
『もしかしたら家政婦とかが必要なんじゃないかな、って思ってね。あなた別に人見知りとかしないでしょ?学校にも通ってる訳だし、毎日家事と通学でストレスが溜まって行ったりして、そのうち所構わず女の子を襲って警察のお世話になっちゃうと困るし』
「あんたは自分でどどんな息子を産んだと思っているんだ…………!?」
『どうしようもない変態息子よ』
今、心の底からこの家に産まれたことを後悔している。
前書きにも書いた通り、今回はかなり短くなってしまいました。
毎話、目標三千文字を目指しているこの私としたことが面目無い………!
次回以降、この様なことが無いよう、より一層励んで書いて行こうと思います!
コメント、感想等があったらよろしく御願しますm(_ _)m