『で、家政婦は必要なの?』
「…え?ああ……う〜ん、まあ、雇ってくれるなら欲しいかな」
『じゃあ、どんな人が良い?』
「へ?そんなの選べるの?」
『ええ。やっぱし六矢好みの若くてHな家政婦が良いかしら?』
「…なっ、何言ってんだよお袋……!」
知らなかった………。今時雇う家政婦まで選べるのか……。…って、当たり前か。お袋はそういうことに顔が利くらしいし、書類にあれやこれやと張られている写真と情報の中から俺好みのHな————もとい、家政婦として熟練した人を選ぶだけで良いんだよな…。
———……ん?ちょっと、待てよ……。
暇を持て余してか、俺の方をずっと凝視しているトラコさんを一瞥する。
この人は今、独り身。…そしてお袋は来週から海外出勤で家を離れる。………とすると……これって、すげータイミングが良いんじゃないのか?日頃家事を一人でやっているトラコさんが家に居れば面倒な家事は少なくなるし、今まで考えるのを避けていたが、スロックスとの戦闘になった時にそばにいてもらえると助かるだろう。
まあ、名乗れば嘘にはならない訳だし、彼女がやってくれるなら別に雇わないでも良っか。
「…あのさ、お袋」
『何かしら?』
「家政婦を雇うのは良いんだけど、俺がこっちで選んじゃダメかな……?」
『え?…あなたがHな家政婦を選ぶの?』
「一言余計だっ」
そこまで俺を変態にしたいのかこの人は!?
「とにかくだっ。ちゃんと自分で選びたいから、人を探すのは任せて。料金とかはあとで通知するから」
誘拐犯の次は探偵かと言いたくなる台詞だ。何気ない会話をしているだけで、なんでこう、特殊な台詞が次々と出るんだ………。それだけ俺の周りに特殊な人間が居るってことなのか?
『あらそう?なら良いんだけど……。あなた、まだ未成年なんだから、間違いだけは犯さないでよ。ベトナムからそっち行くの面倒くさいし』
「あんまりだッ!言われなくても犯すもんか!もう用は済んだね!じゃあ切るから!!」
乱暴に携帯を閉じる。全く、頭に来るなぁ!最初から最後まで俺を変態扱いしやがって!こんな忌々しい母親も来週から居なくなるんだから、スカッとするぜ!
とりあえず事情は話しておいた方が良いよな。
「とりあえず、家政婦としてなら、家に居て良いことになったから。別に構わないよね?」
もはや敬語を使う気すら起きない。えっ、なんでそんなに驚いてるのトラコさん?こうなった理由はアンタが一番知ってるでしょ?
「そうですか……。居候させてもらう以上、えり好みはできないですね。私トラコ。家政婦として小和田家で精一杯、勤めさせて頂きますっ!」
別にそこまで張り切らなくても良いんだけどな……。
「……あの…やっぱり……」
「ん?何?」
どうしたのか、何故か凄く恥ずかしそうにトラコさんが俺に話しかけてくる。一体どうしたのだろう?
「衣装とか、こだわった方が良いのでしょうか………?———裸エプロンとか……」
「はいぃぃぃぃっっ!?」
いきなり何を言い出すんだこの人は!?
「い、いいい、いきなり、どうしてそんなことをっ?」
また、だいぶ短くなってしまいました。本当に申し訳ありませんm(_ _)m
大変身勝手ですが、更新スピードなどの問題を考え、今回を期にこの作品を一時御休みさせて頂くことになりました。
半年位したらまた投稿を始めようと思います。
本当に申し訳ありません………。