─追記─
ちょいと追加
──大洗女子学園
正式には茨城県立大洗女子学園。公立女子校である。校花はツルニチニチソウ(校章の元にもなっている)。略称は大女学(あまり浸透していない)。茨城県大洗町の飛び地である学園艦に立地する中高一貫の女子校である。生徒数は中等部9000人、高等部9000人の合わせて約18000人。歴史が古く過去に様々な学校と合併を繰り返したためにごちゃごちゃしながらも統一された伝統がある学校である。
そのため大洗女子学園高等部に設置されている学科は一般的な学業カリキュラムの普通科(第Ⅰ科~第Ⅲ科)のほか、専門的なカリキュラムによって職業訓練を兼ねた8学科という計11学科というかなりの数の学科が存在している。学科の種類は以下の通りである。
※1中等部は学科が存在せず普通コース、理数コース、船舶コースとコース制となっており、クラスも分けられていなく追加専門授業があるかどうかの違いである。
※2一人だけだがテストケースとして男子が転入したために新しく普通科第Ⅳ科が設立され、計12学科となった。なのだが第Ⅳ科校舎(男子クラス)が出来上がっていないため現状の第Ⅳ科生徒は比較的生徒数の少ない第Ⅱ科に混じて学業を行うこととなっている。大洗女子学園共学化による特別補正予算が日本国文部科学省、防衛省、茨城県議会、大洗町議会、茨城県教育委員会、大洗町教育委員会からそれぞれ出ているためかなり期待されていることが分かっている。
普通科
・第Ⅰ科
・第Ⅱ科
・第Ⅲ科
・第Ⅳ科
商業科
情報科
被服科
栄養科
工学科
水産科
農業科
船舶科
大洗女子学園の学園艦は学園生徒によって運営されてある。
商業科は学園艦内の流通・販売を担当しており、あの有名な74アイスクリームは商業科の管轄内である。
情報科は通信・記録を担当している、船舶科と関係が深い学科の一つで天候・海水調査等を毎日行い随時生徒会と船舶科と気象庁に報告している。水産科とは魚介類の共同調査を行っている。また工学科とは学科の隔たりがないレベルで関係が深い学科でもある
被服科は艦内のデザイン担当である。被服製作しているだけでなく校舎・学寮、果てには学園艦街のデザインを担当している。そのため学外からは「大洗の被服科は被服科にあらず」とまで言われるほど。なお3月になると被服科校舎は始業式まで死屍累々とするという
工学科は機材・土木建築担当である。学園艦の補修や艦内にある車輌の修理などを行っている。この大洗の工学科の技術力には定評があり有名校には引けを取らないほどのマザーマシンを揃えている。その中には自作したマザーマシンもあるというのだから侮れない。また学園艦の建造物担当でもあり、よく情報科と垣根を越えて交流している
栄養科は主に食品担当である。大洗女子学園の食堂で食事を作っているのも彼女たちであり、食事の値段が他の学園艦より安いのは食事研究の試作を出しているためである
水産科は魚類の養殖に力を入れておりブリやマダイ、ヒラメなどを主に育てている。また大洗町の名産「キアンコウ」の完全養殖に成功している。これは情報科と工学科の積極的協力の元での成果である
農業科は食料担当でその生産力は比較的小型な学園艦ながらもトップレベル入るほどの実力をもち外部への輸出も行っているほどである。納豆や干し芋などの加工食品も積極的作られており、勿論加工機械も工学科の手作りだという
船舶科は学園艦の運用・管理担当である。学園艦を運用するために最も重要な学科なため授業時間とは別に1日8時間3交代で運用に当たっている。このため船舶科のみ学費が免除となっている。また通常の大洗女子学園制服と異なり白いセーラー服と水兵帽を着用している。
これらの学科の繋がりは深く学科を越えて交流を深めている。しかしそうしないと学園艦がまわらないという問題があるためという理由からでもあるが満点に近いレベルでの良好さを誇っている。
これを示すように大洗女子学園生徒たちの気質は真面目で粘り強い上、へこたれずに結果が出るまで我慢し続ける面が強く、学科の壁など存在せずに一丸となって目標に向かっていくことを示しているのだ。
そして校花のツルニチニチソウの花言葉の「朋友」や「生涯の友情」のようにお互いを忍びあうそんな学生たちなのである。
また大洗女子学園には必修科目として茶道、書道、合気道、華道、弓道、仙道、香道、長刀道、忍道の計10個の履修科目があり、そのうち一つを選択しなければならない。
そして今年度になって数年後に戦車道の世界大会が日本で開催されることを受けて、約20年ぶりに戦車道が復活したので優先的に履修することを求めている。
勿論学園運営の一員である委員会や数多くの部活があるため学園生活を飽きさせないものとなっている。
大洗女子学園の学園艦は全長約7600m、幅約1700mの建造物であり、モデルとなったのは翔鶴型航空母艦である。甲板上は学園施設及び学園の植えた山林を中心に居住地となっており、艦内は操艦施設・生活補助施設のほか農業科、水産科などの専用施設などに充てられている。学園艦では学園生徒のほか、職員、各種店舗従業員およびその家族あわせて約3万人が生活しているとのこと。
学園艦施設として艦橋上部にある展望台からは学園艦甲板と海とを一望できるパノラマの露天艦橋、
ジャグジー風呂やジェットバス、ミストサウナを始めとする多彩な施設と広々とした空間の大浴場、
学園艦の左舷側に張り出した半月型の左舷公園、
下校帰り生徒たちに人気の74種類のフレーバーが楽しめる74アイスクリーム、
大洗磯前神社、酒列磯前神社、軍艦瑞鶴之碑の橿原神宮の分社がそれぞれ祀られているこじんまりとしながらも鳥居が立派な磯前艦内神社
日本聖公会北関東教区による小さいながらも荘厳なサラ・ジョセファ・ヘイル教会
などが建てられている
※3磯前艦内神社には三つの神社の分社があるが主神として祭られているのは「瑞鶴艦内神社の神棚の御霊」である。これは航空母艦瑞鶴がレイテ沖海戦で轟沈する前に乗組員の海軍兵が神棚の御霊を持ち帰ることに成功し、その後大洗女子学園の学園艦が翔鶴型をモデルとして建造されるときに「御霊と英霊は母なる海に在るべきだ」と元海軍将兵と遺族たちからの訴えがあったためとされている。ちなみにこの艦内神社を模した神棚は学園艦のあちこちに設置されている。
生徒や艦内住民たちからは「瑞様」と呼ばれ、親しまれている
※4大洗女子学園の制服に刻まれているラテン十字見て分かるとおり、大洗女子学園はキリスト教学校であった痕跡がある。それは過去の学園統合の際に日本聖公会北関東教区の女学校が混じっていたためでその伝統が色濃く残っているのである。聖公会とはカトリックとプロテスタントの中道を自認する宗派で、かのキリスト教英国国教会が聖公会の母体となっている。各国それぞれに教区と呼ばれる地域に分かれて布教しており、日本聖公会横浜教区の聖グロリアーナ女学院とは準姉妹校とも言われるべき関係を持っていたらしく、どちらもアングリカン・コミュニオンに属しているとのこと。
これでも学園艦としては決して大きい方ではないが、校内・校外ともに様々な施設を有し、学園生徒の充実した生活を支えているのはいままで説明した通りだろう。
ぜひ学園生活を楽しんでほしい
・
・
・
「──これが大洗女子学園です、少々簡潔すぎる説明でしたがわかりましたか?堤さん」
「は、はい、よくわかりました。とても分かりやすかったです」
「それはそうでしょうねぇ、不法侵入したのだから詳しいのは当たり前ですよね」
「……はぁ」
堤晴雄こと俺は大洗女子学園の説明会に使わされる説明ビデオを生徒会室で見せられていた。確かに簡潔で分かりやすかったのは事実だが、数日前には園さんたちから学園艦の案内を受けた予習知識とガルパンの原作知識があったためすんなりと入ってきたことも要因だろう。
しかし俺に説明をしてくれてる小山さんの機嫌が悪く俺が何か発言する度に何かと突っかかってくる。目の笑っていない笑顔を顔に張り付けていることもあってかなり怖い。もしかしたら小山さんは笑顔が苦手なキャラかもという考えにすがりついたが、隣にいる「怖いよ…柚子ちゃん」と震えている河嶋さんであえなく散った。周りにいる生徒会役員たちからは同情と哀憐の目しかなくて悲しくなってくる。元凶の会長さんはいつも通り干し芋を食ってて我関せずでムカついたが
今の俺は被服科生徒によって作られた大洗女子学園の試作男子制服を着ている。上は緑の線が入ったYシャツにラテン十字の刻まれた黒ネクタイを身につけ、下は緑の長ズボンに大洗女子学園の校章が刻まれたバックルのベルトをしている。勿論庶務の腕章も。
…この服を作るときの採寸の生徒たちの異様な熱意とギラついた目はちょっとトラウマだったりする。紳士服作ったことがあまりないためで別にいやらしいことは一切ないからと鼻息荒く早口で言われても説得力がないし身体をベタベタ触ってきたのだから誤魔化しすらしなかったその姿勢に畏怖すら覚えた。しかし悲しいかな、触ってきて少し気持ちよくなってしまったのは男の悲しい性であった。まぁ園さんたちがその後叱ってくれたので助かった。なぜか俺まで叱られたが
「ちゃんと聞いてますか?男の子と言っても大洗女子学園の生徒になるのですからしっかりと自覚を持ってください」
「ちゃんと聞いてますよ、しかし知識があってもそれを咀嚼するのが非常に時間が掛かっているのです。……こんな格好をしていることも」
「ゆ、柚子ちゃん、流石に堤もこの状況に戸惑っているんだ、少しは手加減してあげても……」
「手加減も何も私は真面目にやっているだけだよ?桃ちゃん」
「……桃ちゃんと呼ばないで」
いつもは唾を飛ばしでも大声で否定する河嶋さんの声に覇気がなかった。いつもはキリリッと見栄を張っている河嶋さんはここにはいなかったのだ。ガルパンでは他の人に無茶ぶりをしていた河嶋さんであるがやはり会長さんと小山さんには頭が上がらないのだろう。だからと言ってももっと頑張ってほしかった
「堤さん、あなたがここに居られるのも会長のおかげなんですからね。各省庁や教育委員会が大洗女子学園に男子入学を認可させたのも会長が動いたからですよ」
「それは勿論感謝仕切れないことを感じていますが……それを突如として決めたのは会長さんの方では」
「では入学をやめて入所しますか?」
「イエ滅相モアリマセン」
そうニッコリと言われると取りつく島もない。確かに会長さんは周りをド派手に巻き込む傍迷惑な人であるが自分が必ず一番最初に動きいつの間にか重要案件を解決してくる人物でもあるのだ。俺の転入・戦車道履修問題に関しての各省庁・教育委員会の説得などを誰が見ても舌を巻くものであった
文科省に対しては
「公立学園艦の生徒数減少はご存知のお通りかと思われます。ですので我々大洗女子学園は実績残すべく女子校学園艦の共学化の実施致すことを提案致します。我が校をテストケースに今まで行うことが出来なかった女子艦の共学化を国内外に示すのです。元々過去にも提案された計画ですが失敗しても我が校が廃校になるだけですので誰も責任を被らないかと思われます」
と公立学園艦の低迷の問題で頭抱えてた役人たちから支持を得、
防衛省には
「自衛隊機甲科隊員や海上自衛隊隊員の減少しているのは周知の通りかと思います。しかも男性機甲科隊員の人数など目を覆うほどかと思われます。それは男性が防衛大学や付属中学・高校などと僅かな学園艦でしか戦車履修が出来ないからです。ですので我が大洗女子学園を準防衛大学付属中学・高校扱いのテストケースとしまして戦車道履修や船舶科を男子にもやらせるよう開放致します。ご協力とご理解のほどよろしくお願いします」
と防衛省の悩みの種を的確に当てて支持させ、
各議会と各教育委員会には
「生徒減少による問題は前々から大洗女子学園の共学化を解決策にとしてこちら側からもそちら側からも提案され議論を重ねてきたと思います。しかしこの論議を引き伸ばしてきた結果が来年度の廃校でした。このままでは茨城県・大洗町から学園艦が無くなってしまいます。しかし思春期の男子を女子校に入学させるというのも男子に取っても女子に取っても問題でした。そこで我々は思春期が終わり比較的大人に近い現役大学生の転入を妥協案として提出します。現役大学生本人からも快く引き受けてくださったのでいかがでしょうか」
と一番の問題であった風紀問題を妥協解決したため概ねの支持を勝ち取った。
肝心の学園艦教育局には「各省庁から認可されているから認可しろ」と迫り認めさせた。そのときを振り返った会長さん曰く「あの役人の呆然とした間抜け面見れただけで頑張った甲斐があったよ」と満足そうな笑みをしていた。
日本戦車道連盟からは「確かに戦車道に男子が参加することは禁止されてないけど世間の目がかなり厳しいと思うよ?」と苦言を呈していたが戦車道人口の減少問題があったためテストケースとして渋々認めたみたいだった。
まぁ、文科省は教育局の肥大化を疎ましく思っているし、防衛省は例え失敗しても前例が生まれるだけでも万々歳だし、共同体組織は学園艦廃校による学園艦補助金(特権)廃止の危惧だしと会長さんが言ったのはあくまで建前の提供でしかない。その提供で自らの提案を賛成させるように誘導しているというのが末恐ろしいのだが
その共学化の予算はほとんど戦車道予算に消えて俺の詰襟やらブレザーやら校舎設立やらがなくなる結果が残った。だからYシャツにネクタイというよく分からない格好と第Ⅱ科編入ということになっているのだ。……確かに廃校になったら全てがおしまいだから仕方ないのは分かるが
しかしここまでをたった一人でやったことすらすごいのにこれをたった数日で行い通させるのだから頭を下げるしかない。ちなみにこんな重要なことを生徒会長にやらせていいのかと学園長に聞くと
「角谷ちゃんがやりたいことはやらせてるよ。角谷ちゃんだけじゃない、生徒がやりたいことをやらせてる。だって学校は生徒たちで形作るものだからね。それで責任が生じたときは私が大人として責任を取るよ、勿論他の教員も覚悟してる。先生は生徒が道を違えたときと責任を負うときのためにいるのだからね」
と俺の世界の大人たちに聞かせて爪の垢を煎じて飲ませたいほど立派なことをおっしゃってた。この話を聞いたとき隣に会長さんがいたのだが普段の会長さんからじゃありえないほどに真剣な表情をしていて、その目には押さえきれないほどの敬服が含んでいた。もしかしたら他の人を「◯◯ちゃん」とちゃん付けで呼ぶのはこの人の影響かもしれない。……しかしこんな立派な人だけど自動車部とのレースで負けて、その腹いせに部費を上げるという大人気ないところもあるのだから苦笑する。反抗の仕方がかわいいのだ。部費を上げさせられた自動車部からは堪ったものではないけども
ちなみに男である俺が転入する件の確認を取ったが「角谷ちゃんはいつもこんな感じだからよろしくね」とだけしか言われなかった。いいのかそれで
……そういえばこの説明会終わったら熊本にいる高校戦車道連盟理事長の元に俺も行かなければならないんだっけか。
礼儀としての挨拶と戦車道参加の認可のために行くのだ。なぜなら日本戦車道連盟に行ったとき不在だったから後に認可を貰うということである。しかし連盟会長や教育局長、文科大臣に大洗戦車道復活と男性参加の認可はもらったため事後承諾に近い認可みたいな感じになると思う。もしかしてあの会長さん、あの堅物理事長の性格分かっていたのか不在の日を狙って文科省に認可を貰いにいったのではないだろうか。
あの西住しほに会えるのはすごく嬉しいがこのことを伝えなければならないから嫌な予感しかしない。てか伝統を第一とする彼女だから絶対反対するだろう。
そんなことを忘れかけていたのに俺は思い出したためより鬱になった。そんな俺の姿に小山さんは琴線が触れるのか俺の考えを遮るように言ってきた
「……考えことをするのもいいですけど私の話が終わってからにしてくださいね」
「はい……すみませんでした」
小山さんがプリプリとしながら俺を注意するのである。俺が悪いのは誰がどう見てもそうだが流石に突っかかりすぎだと思う。何度目かなるため息を俺はつく
「……はぁ」
──どうしてこうなったのだっけ
俺は高校戦車道連盟理事長のことや目の前の現実を振り切るかのように会長さんとの話の後のことを思い出していた
プリプリ柚子ちゃん書きたかったんだ、許して