「ハァ、ハァ」
今俺達は迫り来る煙のようなものから逃げている。
「きゃあ!」
「大丈夫か? レイヴェル」
「足を挫きました。」
「クソー、掴まってろ!」
レイヴェルが転け脚を挫いたため、レイヴェルをおぶって走り出した。
「何でこんなことに成ったんだよ!」
理由は二日ほど遡る。悪魔にとって大きなイベントが開催すると聞き、俺や眷属達は浮き足立っていた。何故ならこのイベントは定期的に行われているものではあるが悪魔の生は長いため100年周期で行われている物である。100年とは悪魔の総寿命と比べてはかなり短い。だが、俺達にとっては初めてのことなため、未知な風景を見れるかと楽しみにしていた。
イベントが始まるが周りに変化はなかった。それどころか父上も母上も何かを待つようにただ突っ立っていた。お二方に聞いても笑顔で何も答えてくれなかった。すると、少しして何もない空間からピンク色の煙?、霧?の様なものが広がってきた。何か危機感を感じたため、俺はレイヴェルを掴んで煙?から咄嗟に離れた。
すると、眼前に広がったのは煙?にあてられて人の形をしてない化け物に成った両親や眷属だった。意識はあるようだったがこちらの呼び掛けには応じず、まるで一人夢見ているようだった。
それを見てショックを受けて固まっていた次兄が呑まれた。
「ライザー、レイヴェル逃げろ!」
長男のルヴァルが炎を放ち煙?がこっちに来ないようにし、俺達の手を掴み煙?の反対方向に走り出した。
「兄上、何処へ?」
「この煙が来ないところにだ! 幸い堕天使にはこのような行事はない。私達フェニックスが保護を求めたら助けてくれるはずだ! 涙の定期的に渡すという条件ならば、待遇もよくなるだろう。駄目だとしても人間界へ逃げるぞ!」
「兄貴! 煙は浸食スピードは一定だ。しかも上空の方には広がってない。飛べば人間界行きの通路に行けるんじゃないか?」
「飛ぶために魔力を使っていたら何か有ったとき対処ができないだろう。な!?」
こちらに向けて殺気が放たれた。殺気が放たれた方向にはスーツを着た男がいた。
『貴様ら、何故逃げる? 夢に浸っていた方が幸せだろう?』
「何? 邪魔をするな!」
「「兄貴(お兄様)、何を!」」
「ライザー、レイヴェル逃げろ!」
こいつからはあの煙と似たような感じがしたため、炎を放った。ライザーやレイヴェルは気づいてなようだったから逃がすことを優先させた。
「行け、ライザー。レイヴェルを頼む。」
「わかってる。妹の命は必ず守る!」
ライザーとレイヴェルは走っていった。
「貴公、何で見逃した?」
『貴様程度下した後追えばいい。それにここに来たのが私だけだと思ったか?』
「な!? なら貴公を倒して二人を追えばすむ! 食らえ私の最大火力の炎な!」
俺の炎に男は呑まれた。抵抗のそぶりも見せなかったため。俺は、
「は! はったりだったか? 痛々しいやつだったな! 私に歯向かわなきゃ死ななかったのになぁ。憐れなやつだ。」
私はライザーやレイヴェルを追おうとした。
『憐れんだな、私を』
「な!? 生きてたのか?」
『干キ萎ミ病ミ枯セ。盈チ乾ルガ如、沈ミ臥セ』
『――急段、顕象――』
「何が起きている!」
『生死之縛・玻璃爛宮逆サ磔』
周りに十字架に逆さに磔されたかつて人だったものが複数顕れた。そして、十字架の中に私そっくりなものがいた。まさか、
「グアァァァ、体がイタイ。」
なんだこれはいつの間に攻撃された。上手く動けない。イタイ。何故だ? イタイ。イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ。
「ガァァァ」
全身に走る強烈な痛み。内部の痛みに対抗するため、自傷行為に走った。私はフェニックスだ。なら、傷は直ぐに修復されるはずだ! なのに何故?治らない。体から魔力が感じられない。まるで、まるで人間の様じゃないか!
『クックック! 空気が美味い! これがフェニックスの体か? 最高だ! ハッハッハ!』
私はこの声を聞きながら痛みに逃れるように煙?に呑まれた。心地よい感じに呑まれ、意識を失った。