ルヴァルの体は化け物のというべき形へ変化した。それを見ていた男は、
『都合の良い夢の中で浸ってろ。ヤツの眷属で有る限り貴様はフェニックスだ。夢から覚めねばだがな!』
化け物の形と成ったもの達はこのような煙?様なものが冥界(悪魔の領土権)を覆った後、しばらくすると彼らは元の形を取り戻す。取り込まれる前と取り込まれた後は表面上は変わらない。だが、しっかり生活しているようで夢に浸っている。彼らは他種族の考えを理解しようとしなくなる。ただ、【我ら悪魔は至高の存在だ。貴様らは我らの言うまま動けばいい。何故ならそれが貴様らの存在意義だろう!】これが彼らの思考の基本となるのだ。
『クックック、ヤツの力が増大していく。そういえば逃げた奴等はどうなった。まあ、あやつが追ったな。どうなるか見ものだな。ハッハッハ。』
「ハァ、ハァ。だいぶ離れたな。兄貴は大丈夫だろうか? レイヴェル、足は大丈夫か?」
「はい、治療は終わりました。」
本当にこれからどうすればいいのか?考えながら不意にズボンを漁ると魔方陣が書かれた紙が入っていた。ライザーが人間界で遊び歩く時のために用意していたものだった。これで逃げれると思ったがこれは一人用で逃げるならレイヴェルを見捨てることになる。それは駄目だ。一人の男としてそれよりも兄として。
「お兄様? 何か聞こえません?」
「この音は獣が走ってくる音?、それにこれは車輪の走る音? これは、まさか!?」
近くの林を吹き飛ばし現れたのは二匹の獣に引かれた戦車だった。スーツの男の後にヤツが現れたならまだいるかもしれない。俺は魔方陣を起動させレイヴェルを強制的に人間界へ転移させた。
「な!? お兄様? 何を?」
咄嗟の事ゆえ座標を決めて無かったが良識のある人物のもとへ行くことだけを条件に飛ばした。
『ハッハッハ、一人完全に逃したな! だが、貴様は逃さん!ロムルス、レムルス殺れ!』
彼女の指令で二匹の獣が俺に飛び掛かってきた。勿論俺は避ける。戦闘はしない。逃げることが最優先だ!炎を牽制に放ちつつ堕天使領の方へ走った。幸いここは堕天使領のすぐそばだ。関所の様なものも存在する。故に大きな音を立てれば気付いてくれるだろう!
『二人では攻めきれぬか! ならば、我が子等よ! 奴を無力化せよ!』
彼女の呼び掛けにたいして、彼女の周辺からガスマスクを着けた全身装甲の兵士が最低50体現れた。
『撃て!』
兵士達は俺に向かって銃を構え、売ってきた。その時、堕天使領から、
「銃声がしたぞ! こっちだ。」
と、複数の堕天使が現れた。
「襲われているのは悪魔だ。相手は人間か? だが、何か違う!」
俺は堕天使達に向けて叫んだ。
「俺はライザー・フェニックスだ。堕天使勢力に亡命しに来た。助けてくれ。勿論情報は総てを渡す。涙の製造法も!」
「総督の命が下ってないため、捕虜扱いだが・・・」
「それでもいい! 命が助かるなら何でもいい!」
「わかった。彼を保護しろ!」
『これ以上は不利だな。撤退だ。貴様ら! 次の機会があれば我が子等の糧としてやる!』
彼女は彼女の軍勢を率いて煙?の方に向かって走り去った。
「えっと、ライザー殿。話を伺いましょう!」
俺は現状までの出来事を話した。煙?に呑まれた眷属や家族、他のもの達が化け物の形と化したことを、俺やレイヴェルを逃がすためスーツの男と対峙した兄のことを、転移で人間界に逃がしたレイヴェルのことを。その後捕虜ということで用意された一室に連絡があるまで閉じ籠っていた。結論から言おう、堕天使預かりとして勢力に所属、涙及び不死鳥の研究に協力する代わり、身の安全と人間界に逃がしたレイヴェルの捜索ということで話はついた。俺は家族や家族だと思っていた眷属たちを思いみっともなく泣いた。
「む?」
「どうしましたか? メトシェラ?」
「悪魔の少女が疲労困憊といった様子で倒れている。傷はないが死に物狂いで逃げたのだろう。事情も聞いた方がいいだろう。保護するぞ。」
「ええ、そうですね。悪魔が天界にいると騒ぎになりそうなので周りに住んでいるものがほぼいない貴方の家へ送りましょう。」
これで悪魔アンチがやり易くやったと思う。
邪ンヌ出ない。