光牙の昔話をした。
ユグドラシルサーバーダウンまで、あとちょっと。
アインズ・ウール・ゴウンに別れの挨拶に向かった。
以上! 第1話、始まるぞ!
第1話 異世界
“光牙Side”
20:00:00
俺こと光牙は、同盟ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」に最後の挨拶をしに、ギルドへと
向かっていた。
何故そうなったと言うと、五分前に「アインズ・ウール・ゴウン」のメンバーの一人
モモンガから招待メールを送ってきたからだ。
そのモモンガは同盟を結んだ頃に、こっちからフレンド申請をして、俺のフレンドになってくれた
ネット仲間だ。
モモンガもまた、異業種プレイヤーとして、他のプレイヤーから迫害された被害者の一人だ。
そんな彼を救ったのは、同盟ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」を建てる前の頃の
たっち・みーさんである。
たっち・みーさんは、ギルドを抜ける前は、ギルド長を務めていたのだ。
それだけではない、ユグドラシルに於いて最強の称号である“ワールドチャンピオン”の肩書きを持ち
俺が牙狼の鎧纏っていても一歩も引かず、互角に戦える数少ないプレイヤーである。
あの人は、魔戒騎士の素質があったけど、牙狼関係のクエストにはクリアは出来なかった。
実に残念だ、あの人なら“守りし者”としての……いや、過ぎたことを考えても仕方ない。
おっと、話が逸れたな。さて、モモンガが待っているから、急がないとな。
“光牙Side out”
“モモンガSide"
ユグドラシルのサービス運営終了が今日だったので、折角だからギルドに残っている
残り三人と、最後まで同盟を結んだままでいてくれた魔戒騎士団のギルド長“光牙”さん。
その光牙さんにも招待メールを送った。
このまま誰も来ないと思った所に、誰かがギルドに入ってきた。
「ん?」
すると、俺の横で一つの光の柱が立ち、光の柱が消えたら…光牙さんがナザリックに
やってきたのだ。
「久しぶりだな、このギルドに来るのは…」
「あぁ、光牙さん!お久しぶりです!」
「モモンガか、久しぶりだな」
俺は何時も思った事がある。
こうして他の視線で見ると、けっこうシュールな感じだ。
本来は極悪ギルドのギルド長と、人種や異業種の味方でもあり、救世主とも言える
黄金騎士が俺と会話している事が。
「もう来ないかと思いましたよ、残りの三人にも招待メールを送ったのですが中々出なくて」
「いやすまんな、昔の事を思い出してたもんだから、ついな…メールの方を見落としてたわ」
「光牙さん、それかなり年寄りくさいですよ。(-。-;)」
「そうかもな、実際に二十代後半辺りだから言われるもの仕方ないか」
「いやいやまだ若いでしょって、…てか、仕方ないんですか?!Σ(゚д゚lll)」
「いや、まぁ・・・もう慣れたとしか言いようが無い」
「アッハイ・・・・・・何かすいません。(もう細かい事にツッコミを入れるのを止めよう)」
とまぁこんな感じで、話し込んでいたのだ。
「ん?何か来る」
「え?」
光牙さんが何かを感じて、右の方角を見た。
俺も同じ方角を向いてみた、どうやら他のお客さんが来たようだ。
“モモンガSide out”
“光牙Side”
「いや〜お久〜です。モモンガさん、光牙さん」
「あ、ヘロヘロさん!お久しぶりです!」
「久しぶりだな、ヘロ助」
「はい、本当にお久〜です。あれ?光牙さん、ザルバとは一緒では無いんですか?」
「あぁザルバは今、モンスターを討伐した分の浄化に専念している。今は家のギルドのNPCが
預かっている」
「そうなんですか…いや〜最近じゃ体が辛くて、時間の感覚が変なんですよねー」
「それはそれで、結構危ない方じゃないか?」
「体ですか?超ヤバいですよ、ボロボロです」
「うわ〜(´д` ;)」
「(ヘロヘロの方もヤバいと来たか。リアルの方じゃ環境汚染が酷いからな……
五千人に一人は肺を殺られて、人工肺器官を必要とする時代だからな。だからこそ、責めて
悔いの無い様に生きないとな)」
「……すみません、愚痴ばっかりこぼしちゃって」
「気にしないでください。( ̄▽ ̄) 」
「・・・っと、僕はそろそろ。
何かちょっと眠すぎて」
「あぁ、ゆっくり休んでください。( ^ ^ )/ 」
「本当にすいません……でも、ナザリック地下大墳墓がまだ残っているなんて思っても
いませんでしたよ」
「え⁈」
「それだけナザリックは、思い入れのある場所なんだろう。それをモモンガは、たった一人で
維持していたんだ。折角作ったギルドの思い出を消したく無いからな」
「そうだったんですか…モモンガさんがギルド長として、ずっと維持していたんですね」
「あぁ、ナザリックは皆で作り上げた本拠地ですからね」
「モモンガさん、光牙さん、お疲れ様でした。また何処かでお会いしましょう」
ヘロヘロがそう告げると、彼の周りに光が纏い、そして・・・
“ヘロヘロさんがlogoutしました。”
光と共に消えていった。
“光牙Side out”
“モモンガSide”
「……とうとう二人だけになってしまったな」
「そう…ですね」
俺達が作り上げたナザリックは、沈黙が支配していた。
俺は思った、いつかは終わりの時が来るものだと。
しかし、この無性に腸が煮え返す様な怒りは何だ?俺がギルド長としてしっかりしてないからか?
それともギルドメンバーが、何故思い出の場所であるナザリックを捨てたんだと思っているからか?
その答えすら見出せないまま、沈黙が続いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・ッ!」
先に沈黙を破ったのは…
ダン‼︎
「ふざけるな‼︎」
モモンガだった。
「・・・・・・」
「ここは、皆で作り上げたナザリック地下大墳墓だろ!何でそんな簡単に捨てる事が出来る⁈」
「モモンガ・・・」
「・・・いや、それは違うか。誰も裏切ってなんかいない」
「・・・人は誰しも事情はあるんだ、モモンガ。
このCajado de Ainz Ooal Gownも、皆個人の事情があるにも拘わらず素材集めに協力してくれたの
と同じ様に、リアルでも大変なんだろう」
「・・・そう、ですね…ってか何でギルド武器「スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」を
英名に言ってるんですか⁈」
「あっすまん、つい素で言っちまった」
「・・・でも、やっぱり光牙さんらしいです」
「ん、どう意味だ?」
「そういう感じで場の雰囲気を和らげることですよ、ムードメーカーで羨ましい限りだよ」
「普通に振舞っていたんだが、まぁいっか」
「・・・・・・さてと。行こうか、我がギルドの証よ」
俺はギルド武器である、「スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン」を持って、玉座の間に
向かってた。
そしたら光牙さんが、玉座の間に行こうとする俺に声をかけた。
「何処へ行く?」
「玉座の間ですが、どうでしょうか?一緒に」
「じゃ、お言葉に甘えて…同行する、朋よ」
最後漢字違う様な気がするけど、まぁいっか。とりあえず俺達は、玉座の間に向かう事になった。
“モモンガSide out”
21:30:00
“光牙Side”
モモンガが玉座の間に行くとの事だったんで、俺も同行することにした。
その玉座の間へと続く通路にナザリックの
そういえば彼等は戦闘メイド“プレアデス”だったっけ?おや、モモンガがNPCの名前を確認している
様だ。
「あぁ、セバスと言う名前だったか。それに戦闘メイド“プレアデス”達」
「セバス達か 、懐かしいな。セバスを見てると、たっち・みーさんを思い出すよ」
「そっか、確かたっち・みーさんが作り上げたNPCだったな」
「あぁ、プレアデス達のリーダーだからな」
セバス・チャン
戦闘メイド“プレアデス”のリーダーで、たっち・みーさんが作り上げたNPC。
たっち・みーさんの正義の象徴でもある。
「お前達には玉座の間を守って貰ったけど、とうとうここまで攻め込んで来たプレイヤーは一人も
いなかったな」
「例えプレイヤーが攻めて来ようが攻めて来ながろうが、 その務めを果たしたからな。
・・・モモンガ、彼等も同行させよう。ユグドラシルの終わりを見届けるさい、沢山いたほうが
良いだろう」
「それもそうですね。ギルド長足るもの、最後くらいは彼等と共にいるべきか…“付き従え” 」
セバス率いるプレアデスを連れて、玉座の間の入り口に到着した。
扉を開け、玉座の間の椅子に向かうと一人のNPCが待っていた。
「アルベド…」
“アルベド”
ナザリック守護者統括であり、タブラ・スマラグディナが作り上げたNPC。
レオン達のNPC設定にタブラが関わっている。彼のおかげで完成することが出来た。
(まぁ、設定魔と言う悪い癖が無ければいいが。)
アルベドは満遍な笑みを見せ、俺たちを出迎えてくれた。
「ようやく着いたな」
「そうですね…えっと、コマンドは“待機”だっけ?」
セバス率いるプレアデス達は、俺達にお辞儀をし、通路の左側に寄り、整列した。
モモンガが玉座の椅子に座ると同時に俺は、モモンガの左側に立った。
その時、モモンガから声を掛けられた。
「そう言えば光牙さん、“プレアデス”のナーベラルの設定、覚えてますか?」
「ナーベラルの?嗚呼、確か家のNPCのアルフォンソに“アルフォンソだけに心を開いているが故、
恋心を抱いている” だっけ?」
そう、ナーベラルの人間に対するカルマ値は邪悪(–400)だが、アルフォンソと話す場合は
極善(300)になるそうだ。(悪魔で設定だが)しかしそのあくまでの設定がとんでも無い事に
繋がる事を彼らはまだ知らない。
「そうです、最初にアルフォンソのNPC画像を見せてもらった時、弐式炎雷さんが
「お、いい事思いついたぞ!早速光牙さんに許可を取ってくる‼︎」って言ってナーベラルの花婿
と言う設定にしてくれって頼んでましたね」
「あぁ…あの時か、あの時いきなり「アルフォンソをナーベラルの花嫁として受け取ってくれ‼︎」
って言ってたもんな。花嫁は駄目だが、恋人だったらOKって許可出したからな。
いや〜いきなり来たもんでびっくりしたけどな」
「あっははははf(^_^;)」
「そう言えば、アルベドの設定はどうなっているんだろうか」
「そう言えばそうですね、どんな設定だったかな」
モモンガは、アルベドのNPC設定を見た。その設定を見た彼らの反応は。
「長!」
「あぁやっぱり、そうなったか。」
意外それは、設定の異常な長さ‼︎
「やれやれ、タブラさんは設定魔だと分かってたけど此れはいくら何でも・・・ん?」
「どうした、ん?」
最終行にこう書かれていた。
“ちなみにビッチである。”
「え、何これ?ビッチ?」
「おいおい、いくらギャップ萌えでもこれは駄目だろ。」
「はぁ〜、確かギャップ萌えだったけ?タブラさんは。」
「とにかくだ、ギルド武器で設定し直そう。最終行に“ギルメンや、ナザリックメンバーを
家族同様に愛している” で直しておこう。いくら何でも、ビッチは酷すぎだろ」
「あはははは(^◇^;)ま、まぁとにかく直しましょう。流石にこれは駄目……だよ…ね。ε-(´∀`; )」
こうしてアルベドの設定修復作業が完了した。放っておくと何かが駄目だった様な気がした。
俺やモモンガは悪くない、いやホントマジで。
“光牙Side out”
“モモンガSide”
22:00:00
「え、もう帰るんですか?」
「嗚呼本当はもう少し居たいけど、ザルバが待っているからな」
「そうですか」
「まぁリアルの連絡先はもう分かっているから、またなんか連絡するよ」
「あっはい、その時はお願いします」
「あぁ、それじゃお疲れさん。あ〜それと、お前の魔王様ロール面白かったぜ」
「え⁉︎ あっあのちょっ・・・!」
俺も声が届かず、光牙さんは・・・
“光牙さんがギルドから退室しました。”
行ってしまった。
「はぁ、光牙さんはいつも何か一言言ってから帰るからな」
まぁしょうがないか、もう慣れちゃったし。そうだ、アルベド達を座らせないと。
「確かコマンドは、“ひれ伏せ”・・・」
アルベド達は片足を膝に着き、右手を胸の中心に置いた。
「・・・ふぅ〜」
色々楽しかったな。時が進むに連れ、此処は過去の遺物となるのだ。
「過去の・・・遺物か」
俺は、玉座の間の天上を見た。そこには、かつてギルドメンバーが作った旗があった。
懐かしいな、読み上げてみるか。
“俺” “たっち・みー” “死獣天朱雀” “餡ころもっちもち” “ヘロヘロ” “ペロロンチーノ” “ぶくぶく茶釜”
“タブラ・スマラグディナ” “武人建御雷” “ばりあぶる・たりすまん” “源次郎”
なんか読み終えると、なんか疲れたな。
「・・・そうだ、楽しかったんだ。」
本当に・・・楽しかったんだ。
“モモンガSide out”
“光牙Side”
さて、モモンガと別れを告げた後の時間は……
23:50:30
あと9分半か、足りるだろう。早くザルバを回収しよう。
俺のギルドは中世ヨーロッパ時代の城をモデルにした俺のギルド拠点だ。
階層は地下を含めて5階層くらいある。
1階層はパーティーホールとBAR、畑と厨房などがある。
2階層は作戦会議室と個室その1、診断場と玉座への通路。
3階層はギルド長用の個室と個室その2、
玉座の間とクライアントルーム。
地下1階層は訓練所と番犬所(牙狼)、倉庫と浄化用の施設
地下2階層は宝物庫と牙狼の鎧の保管所
少し大雑把な説明だが、そんな感じだ。さて、玉座の間に行くか。
23:55:00
何とか玉座に到着。時間を喰ったな、ザルバを回収するか。
「今戻った、ザルバ」
《おう、随分遅かったじゃないか?もう別れを告げきたのか?》
「あぁ、もう告げてきた」
彼はそう言うと今ザルバを預かっているNPCに近づいた。
ザルバを預かっていたNPCの名は、レオン・ルイス。
光牙が作り上げたNPCの一人で、魔戒騎士の鎧“黄金騎士 牙狼 (レオン・ガロ)”の所持者でもある。
レオンからザルバを回収し、レオンに伝える。
「ありがとう、レオン」
「・・・・・・」
まぁNPCは喋らないからな、仕方ない。
俺は玉座の椅子に座った。そして時計を見た。
23:59:00
もう直ぐでサーバーダウンする。
楽しかったな、本当。
あと10秒の所で瞼を閉じた。
23:59:55
23:59:56
23:59:57
23:59:58
23:59:59
00:00:00
00:00:01
00:00:02
00:00:03
00:00:04
「・・・ん?な、何だ。サーバーダウンが起きてない?」
俺は周りを見渡した。ゲーム画面でもあるコンソールが出なかったり、チャットや
GMコール出せない。
「判らん事ばかりだ…こういうケースは初めてだ。先ずは外に出て確認だな!」
“光牙Side out”
“??? Side”
あいつは今玉座の間で寝てるだろうな。さて、こっちは鍛錬でも・・・
ん?誰か来る。
「どうしたんだ光牙、一体・・・っておい!
何処に行くんだ!」
あいつ、何か慌ててた様だが………今詮索している場合じゃないな。
兎に角追いかけよう、話はそこからだ!
“???Side out”
“光牙Side”
俺は一旦外に出で見た。そこは何と、見知らぬ草原と蒼く光る夜空。
これはゲームでは再現が不可能な美しさだった。
おや、俺以外の奴がきたぞ。
「光牙ーー!」
声の主はレオンだった。
「おうレオンか、どうした?」
「どうしたもこうしたも、お前が勝手に外に向かうの見てあとを追いかけたんだ」
「あぁ、すまんなレオ・・・・・ん⁉︎」
「?どうした?」
「な、ななな、ななななっななっな⁈‼︎⁉︎‼︎⁇」
「なんで、お前喋れるんだーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎」
こうして俺は、この異世界に迷い込んだのだ。
その後どうなったというと、レオンに怒られた。囧rz
To Be Continued………
次回予告
《謎の世界に飛ばされ、
リアルに帰還出来なくなった光牙。
この異世界を生き残る為に、
レオン達と共に基礎を学び直す。
そして番犬所を調べ、
黒い筒の指令書を見つける。
黒の指令書に書かれた内容とは、
光牙達に迫る影とは》
次回、OVERLORD 〜黄金を纏いし騎士〜
第2話 “魔獣”
闇に潜みし獣が、彼らに牙をむける。