守衛長が報告する。
「ナッシングをミシェルのいる町に送りました。きっと戻っては来ないでしょう。」
「そうね、今迄十人ほど送り込んだけど、誰も帰って来なかった。かと言ってあの男を生かしておくにもいかない。」
「ナッシングとはどこかで会ったことが?」
「いいえ、ないわ。」
ベイカー家は母(ローラ・ベイカー)を謎の蘇生ウイルスによって失った。
父(ベイ・ベイカー)も母に噛まれ、自殺した。
自殺する前、父は姉のエイミーにUSBメモリー(ライフ・プロトコル)を渡した。
ベイと姉のエイミーは国家の極秘プロジェクトに参加していた。
妹のミシェルは工作員をしており、国外の現地で主に情報収集をしていた。
エイミーは文明社会崩壊まで蘇生ウイルスについて人体実験をしていた。
ライフ・プロトコルにはエイミーの知っている情報もあったが機密扱いでエイミーには知らされない情報もあった。
ミシェルが帰国したころには父は死にかけており、エイミーも両親の死を悼んでいた。
エイミーはミシェルが父に寄り添っている間、ライフ・プロトコルを考察していた。
そこにはナッシングと言われる男が偶然載っていた。
リック・グライム、元国家調査員。妻と息子を殺され、復讐にアジア系マフィアの拠点に一人で乗り込み35人殺害。判決は死刑。表向きは殺人鬼として処理されたが、裏では政府が消したがっていた。リックは表向きでは死刑となり、裏で人体実験にされた。抗ウイルス薬を投与した検体は彼だけが蘇生ウイルスに適応した。
そしてリックの血でさらにワクチンを作り、投与したが変体には人間に戻ることはなかった。
またワクチンを投与した兵士は噛まれても死んだ。だがゾンビにはならなかった。
この研究成果が出るのは遅すぎたとベイ・ベイカー博士が記述している。
つまりエイミーはライフ・プロトコルは失敗に終わったと結論し、リックを憎んでいる。
姉妹だけで文明社会崩壊後は残った人々で集団を作り、生活していた。
最初はよそ者を受け入れていたが、町の人口が増えすぎ、食糧難や秩序が保てなくなりエイミーは抵抗者や異論者を処刑するようになった。エイミーは社会主義を確立した。
エイミーのやり方についていけなくなったミシェルとその仲間たちは別の近くの町に移り住んだ。
しかし、エイミーによってミシェルもろとも皆殺しにする計画を練って見事成功した。
妹のミシェルだけが生き残ったこと以外は。
エイミーは20人の戦力でミシェルの町を陥落させよとしたが、ミシェルの町中に張り巡らせた罠にひっかかり、半数が死亡、以降厄介者はミシェルの町に送り込むようになった。
「もし、ナッシングが帰ってきたら?」
「ナッシングが帰ってきたら即銃殺で構わないわ、部下にもそう伝えなさい。」
「はい、エイミー町長。」