クロガネ回姫譚-不動不朽-   作:冷目

4 / 9
続いて第四話となります!
今回は第二学園の寮、一部施設、街についての説明です!
一部施設と街については原作のものがほぼほぼですが、寮については完全にオリジナルです
原作では第二学園の寮について触れることは皆無(だったと思う)なので、自由に考えさせていただきました
そして、いよいよ原作主人公様もちょっとだけ登場!
それでは、どうぞ!





意外な相手

 1月10日(土)

 

 

 

 土曜日の朝というのは、人類史上に残る宝だとオレは感じる。

 

 「……6時、か」

 

 月曜から金曜……合計して5日間という長丁場を乗り越え、溜まりに溜まった疲れを癒せる2日間の始まり。

 オレはこの土曜日の朝、いつも同じことを感じる。

 

 

 

 

 

 今日と明日は二度寝OKということに……!

 

 

 

 

 

 「土日最高……」

 

 普段なら登校の準備諸々をしないといけない時間に目覚めても、起きることなく二度寝ができる。これを宝と呼ばずして何を宝と呼ぶのか。

 これ以上の宝があるとでも言うのか!

 

 「いいや、無い…………ZZZ」

 

 思ったことが口に出たことにも気付かず、オレは眠気に素直に従って夢の世界へと旅立った。ダメ人間だと言われようが気にしない。オレは満足している。

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────

 

 ───────────────────────

 

 ─────────────

 

 ─────

 

 ──

 

 

 

 

 

 「……14時か。よし、朝食兼昼食だな」

 

 その後、なんだかんだで午後まで熟睡していた。ぶっちゃけいつもこんな感じだからいつも通りだな。運が悪いと黒金班の仕事が緊急で入ったりするんだが、その時は厄日だったと受け入れるしかない。

 ちなみに枕元には音量を最大にした携帯電話を置いてあるので、招集がかかればすぐに起きれるようにはなっている。その証拠にオレは何事にも無遅刻無欠席だ。……多分。

 

 「って、昨日の夜に結構食材使ったんだったな。……仕方ない、学食に行くか」

 

 キッチンに立ったところで、昨日の食事会のことを思い出した。なんだかんだで全員が遠慮なく食いたいものを好き放題言ってきたから、普段の倍以上の食材を使ったんだった。

 まぁ、あいつらも満足そうだったから不満はない。それに、食堂に行けば飯には困らないしな。オレは部屋を出て、学食へと向かった。

 

 この第二学園の寮っていうのは学園の寮としてはかなり規模が大きい。一つひとつの部屋はよく学生が借りるようなマンションの一部屋くらいの大きさだが、都会に近いからか設備が豪華だ。

 シャワーと風呂は完備してあるし、風呂に関しては流行りのボタン操作式だ。トイレもウォシュレット付き。(オレは使わないけど)

 ベッドとテレビを含んだ一通りの家具は部屋に最初からあるし、その品質もかなりのもの。

 第一学園にも寮はあるらしいが、同じような感じなんだろうか。天国から連絡来たらついでに聞いておくかな。

 そんなことを考えていると、第二学園の学食が見えてきた。

 

 「えーっと、他の学生は……ゼロだな。よし」

 

 この学食、学園の関係者ならば土日だろうと好きな時間に利用できる。あくまで学園の施設のため、価格設定は学生向けだし、それでありながら美味い。懐に余裕があるなら結構な数の学生が利用している。しかも午後6時からは一般にも開放してる。もはやただのレストランだ。

 だが、この学食には更なる秘密がある。いや、正確には学食じゃなくてオレにだな。どちらにせよ、その秘密とは「黒金班に所属する学生は無料で利用可」というものだ。つまり、黒金班ならタダ飯が食えるってことだ。

 もちろん、黒金班の存在自体が秘密だから公にはしてないし、もし他の学生が利用していたらその秘密も使えない。普通に金を払って食べるしかないが、土曜日のこの時間はいつも人はいない。つまりタダで食べられるわけだ。

 ちなみに学食以外にも色んな施設の利用券が黒金班には出ている。全部で100個くらいあり、タクシーもタダで使える。急ぎの時は便利だ。

 

 「今日は……テラスにしとくか。天気もいいしな」

 

 一通り注文して座る場所を決める。テラスまであるんだから、オープンカフェとか言っても疑われないような気がする。

 オレは日当たりがベストな場所を吟味してから座り、適当に携帯をいじって出来上がるのを待つ。といってもメールが来てないか確認するくらいだ。ゲーム系は何をやっても上手くいかなかったから一つも入っていない。そして、見るとメール関係も0件。ボッチとは言うな、悲しくなる。

 

 ──ピピピ

 

 「ん……出来たか」

 

 呼び出しの電子音が聞こえ、オレは立ち上がる。やはり学食の良さは出来るのが早いことだな。早い、美味い、安い……やっぱヒットのためにはこれが大事だと思う。

 というわけで、今日の朝食兼昼食は生姜焼き定食。選んだ理由はたまたま目に入ったから。どうせ他に人もいないんだし、ゆっくり食べるとしよう。

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────

 

 ───────────────────────

 

 ─────────────

 

 ─────

 

 ──

 

 

 

 

 

 「さて、どうするか……」

 

 朝食兼昼食を食べ終わり、食休みも終わったところでオレは学食を出た。そのまま時間を潰しても良かったんだが、一人だけの学食で時間潰せるほど勇者でもない。

 寮に帰るって選択肢もあるが、食べてすぐだからな。食べてすぐ寝るとなんとやら……なんて言葉を気にしてるわけじゃないが、少しは運動もしないと身体に悪い。

 

 「……よし」

 

 以上のことから、オレは適当に散歩することに決めた。

 

 ここ横須賀は鎌倉の端っこの方にある港町。軍港都市なんて呼ばれているくらい軍港が有名な町だ。

 終戦後から一気に成長したジパング有数の経済都市で、成長の理由は戦後に連合国使節団を迎えるために基地施設を拡大したこと。そこから軍需産業が大量に進出したからだ。

 ミカサから聞いた話だと、交通網っていうのは地域にとって血管と同じ。栄えるほどに多く太くなり、寮を増せば増すほど栄えていくとのこと。

 今じゃジパング有数のメガロポリス……軍事都市横須賀となっている。経済的な中心はもちろん東京だが、ここは軍事産業の中心地。経済特区ジパングの絶対防衛線だ。

 

 「つっても、住む分には普通に快適だけどな。……なんて独り言を言ってみたり」

 

 軍事都市だとか絶対防衛線だとか言われると身構えてしまいそうだが、充分に栄えているし海も近いため住んでて快適だ。

 しかし、住む町の感想を呟きながら歩く特警生って……通報されたりしないよな?

 

 「…………(チラ)」

 

 周りを見渡してみるが、オレをおかしな目で見ている人は……無し。どうやら大丈夫みたいだな。

 

 「お、繰銀ジャン」

 「ん?」

 

 安心していると、聞き慣れた声が耳に届く。声の方向に振り向くと、私服を着た伊号がいた。

 外に出て知り合いに、しかも黒金班のメンバーに出会うとは。偶然ってあるもんだな。

 

 「何やってんの」

 「飯食った後の散歩だ。そっちこそ何やってんだ?」

 「飯って……もう3時過ぎるくらいジャン。どんだけ遅ーんだよ……」

 「そこは個人の自由だろ」

 

 健康的だとは言えないがな。でも現在進行形で健康体だから不健康すぎるってこともないはず……と信じたい、うん。

 

 「ま、アタシも似たようなもんジャン。散歩がてら、何か掘り出し物でもないかって」

 「……ミカサは?」

 「会長様は予定があるみたいだからいない。だから散歩なんかしてんだっつーの」

 「そりゃよかった」

 「あ?」

 

 おっと失言。伊号がすごい顔で睨んできたから、ここは話題を変えておこう。

 

 「そういえば、天国から連絡来たか?」

 「瀬織とかに来てねーんだからアタシに来るわけねージャン。アンタは?」

 「オレもだ。まぁ、土曜だからな。向こうでできた友達と遊んでるかもしれないし」

 「どーでもいいジャン。それよりテメェ、さっきなんつっt──」

 「じゃ、オレはそろそろ帰る。気を付けてな、伊号!」

 「な!? テメェ繰銀! 待てゴラー!!」

 

 触らぬ神に祟りなし。オレはさっさと退散することにした。

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────

 

 ───────────────────────

 

 ─────────────

 

 ─────

 

 ──

 

 

 

 

 

 散歩から帰ってきたことで伊号とのトラブルを見事回避したオレ。そのままのんびりと過ごして休みを満喫していたわけなんだが……

 

 「で? ここに来た理由を説明してもらおうか」

 

 オレは新しいトラブルに巻き込まれようとしていた。

 瀬織と国綱という、来客のせいで。

 

 「だってホラ! 昨日の遅くにやっとテンちゃんからメール来たんだよ! これは先輩にも見せなきゃ~って思って!」

 「なるほど。で、国綱は?」

 「修業も終わったし、ロッコ一人じゃ心配だったんで」

 「お疲れ、保護者」

 

 どうやら天国から連絡が来たことの報告らしい。そんな慌てる必要もないと思うんだが、連絡が来ないことをかなり心配していたからな。今回は見逃すとしよう。

 

 「で、メールにはなんて?」

 「無事に転入準備できたって。あと、連絡できなかったのは向こうについてすぐに風邪ひいたからみたい」

 「バカでも風邪ひくんだな、驚きだ」

 「詳しくはわからないけど色々あって風呂場に突っ込んだそうです。で、ちゃんと拭かずに外に出たらそのまま……」

 「バカだからこそ風邪ひいたわけか。つーか何やったら風呂場に突っ込むんだよ」

 

 考えられるのは……黒金か。アイツ、往来で黒金使ったのか?

 ……次に会ったら軽く叱っておくか。

 

 「あとは~ムネちゃんにも会えたって!」

 「ムネちゃん……例の婚約者か? そりゃなによりだ」

 「ッ……!」

 

 婚約者の話題が出た途端に国綱の顔が曇る。兄として複雑な気持ちを抱えているのかと思ったが、どうにもそれだけじゃないらしい。苛立ち……とかに似たものを感じる。

 それにしてもムネちゃんねぇ……。随分と可愛く呼ばれてるもんだが、名前ってなんだったっけ。前に聞いたはずなんだが忘れちまったな。

 

 「でね、これ写真! 着物着てるのがテンちゃんで、真っ黒い服着てる方がムネちゃん!」

 「天国はわかるっつの。どれどれ……」

 

 高いテンションのままメールに添付されていた写真を見せてくる瀬織。オレは携帯だけ取ってその画面を覗き込む。すると、そこには見慣れた着物姿の天国ともう一人……意外な人物が移っていた。

 

 「こいつ……第一黒金班の副班長じゃないか?」

 

 以前、ミカサから見せてもらった資料で見た顔だった。第一の副班長という肩書きだけでも印象的だったが、彼の場合は外見的にも印象深い。

 右頬に小さいのが、左目の下には十字のように交差した傷がある。伊号と比べると小さく少ないが、顔の傷はあるだけでかなり印象的だ。黒金班の仕事の中でついたのか、それとも……

 

 「そうそう! あと、実働部隊のリーダーでもあるんだって! いや~、ムネちゃんが成長してくれて私は嬉しい!」

 「向こうの方が出世してんだ。少しは悔しがれ、幼馴染」

 

 確か向こうの班長は実働向きじゃないって話だったな。だから実働時には副班長が指揮を執るとかなんとか。

 しかし、なるほどな。だからムネちゃんか。こいつが天国の婚約者で、第一学園黒金班の副班長──

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──白銀(はばき)正宗(まさむね)

 

 

 

 

 

 

 

 




短めとなってしまいましたが、以上となります
この後、原作であった電話シーンを入れようかと悩んだのですが最後は正宗の名前を出して終わりたかったのでここで終わりにしました
寮の設定とかははっきり言って「第一よりは少し豪華で」くらいのイメージで作りました
そこまで深く考えていないので、ツッコまれると弱いのでご勘弁を……
次回はもう少しボリュームも努力し、かつスピードもキープできればと思っています
では、失礼します!


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。