ヘタレな男とポンコツオペ子   作:人類種の天敵

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集う鳥と鴉

 

「時間ですね、では明日の小テストでここまでの範囲から6問出しますので、しっかり復習してきてくださいね」

 

「「「はーい」」」

 

「ふぁ、終わった……」

 

チャイムが鳴り、4時限目の授業が終了した。

机に上に置かれたIS関連の教科書類を鞄の中に片付けて席を立つと、佐藤さんを引き連れた齋藤さんがこっちに来た。

 

「存夜っち!食堂いこーぜー」

 

「おっけー」

 

折角なのでオペレーターと鷹月大明神も呼んでいつものメンバーで食堂に行く。

昼時の生徒で一杯の食堂で各々昼飯を載せたトレーを持って5人が座れる席に座り、手を合わせていただきます、を告げて食事にする。

 

「一夏!遅かったじゃない!」

 

また織斑か……。

うんざりしながら食券購入販売機を見ると、俺にドロップキックをかましやがったチビと織斑、篠ノ之、あとオペレーター曰くいつの間にか織斑にホの字のセシリア・オルコットがいた。

 

「織斑っちってば、女子にモテんだなー」

 

「あの人、ジロジロ見てくるから嫌いです」

 

「男の人って、そんな人ばっかりよ?美穂ちゃん」

 

「アリーヤは違うです?」

 

「そりゃあ、おれヘタレだもん」

 

「胸張って言えることですか……?」

 

和気藹々とした昼食は進み、あらかた食べ終わったところで佐藤さんが腰に付けたポーチから紙を取り出した。

 

「なんだ?……絵?」

 

「え、エンブレムです」

 

俺が貰ったエンブレムは、夜空を背景に翼を広げる青い瞳以外焼き焦げたように真っ黒の鴉のエンブレムだった。

 

「うわっ、佐藤さんエンブレム作製凄く上手いな」

 

「そ、そうです?」

 

「うんうん……なんかこの絵すっげー懐かしく感じるぐらいに上手い」

 

ナイトフォーゲルに貼ってあったのと似てる、とても懐かしい感じの……。

 

「………え…?」

 

佐藤さんが目を丸くして何か呟いた。

どうしたのかね?と思ってると、鷹月大明神が紙に描かれたエンブレムを見ながら顎に手を置いた。

 

「私のこれは?鷹がスコープを覗いてる……」

 

「え?どれ?見して見して」

 

鷹月大明神のエンブレムは銃器に取り付けられたスコープを覗いて獲物に狙いを定める凛々しい鷹だ。

 

「エイムした鷹……さしずめ、エイミングホークって所か?」

 

「狙い定める鷹……ね。美穂ちゃん、ありがとう」

 

「ぁ、いや、喜んでもらって…良かった…です……ぅ」

 

エンブレムを作ってくれた当の本人は顔を赤くして俯いてしまった。

しかし、このエンブレムは素人目に見ても、実に良い出来だ。

佐藤さんの手先が器用だったり要領が良いのはナイトフォーゲルの整備を見ていて分かるが、エンブレムの作製まで手がけるとは、流石は常盤先輩の愛弟子?だな。

 

「これは確かに素晴らしい出来ですね。流石は雨燕常盤の従姉妹にして幼少の頃から彼女に師事していた整備技術の申し子……ですね」

 

オペレーターが手にしたエンブレムを見ながら呟いた。

ドクロを被った紅い瞳のカラス……俺のエンブレムと同じようなものだと思ったが、オペレーターによると、俺のエンブレムはワタリガラスという種類で、オペレーターのはハシブトガラスという種らしい。

 

ついでに何時も思うがオペレーターの手に入れる情報は一体何処から手に入れてるんだろうか。

秘密を知ってしまったからには消さなければならない……みたいな展開はお断りしたいので面と向かって言う気は無いけど。

 

「そ、そんな……!と、常盤さんの方がも、もっと早くて…もっと上手いです!」

 

ぶんぶんぶんぶんぶん!!と佐藤さんは首を縮めながら高速で左右に首と左手を振る。

ただでさえあがり症なのに常盤先輩と比べられて恐縮極まりないってわけかな?

 

「良かったじゃん。美穂からエンブレム作って貰うのって数少ない友達認定だかんな〜」

 

「え゛……?」

 

「〜〜っ!!ま、マキちゃん〜!!」

 

齋藤さんが何気なく言った言葉に俺、オペレーター、鷹月大明神が何も言えない顔をして、佐藤さんは「あははは」と笑い続ける齋藤さんの胸をぽかぽか叩いていた……涙目で。

 

「……て、事は齋藤さんもエンブレム作って貰ったんだ」

 

「ぬっふっふ〜。カッコ良いヤツでリクエストしたらハヤブサ?っていうヤツを描いてくれたのだよ〜」

 

いや、あんたハヤブサ知らないのかよ。

流石齋藤さんだな、どうやってIS学園の試験に受かったんだ……逆にそれを聞きたいわ。

 

「そう言えば、なんで親しい人にエンブレム渡すん?」

 

「んー、なんかね、昔仲の良かった子が、常盤さんと美穂に仲間の証ってんで、絵を描いてプレゼントしたんだって」

 

「へー……」

 

その子なかなかにアレだな。

普通渡すなら花束とかペンダントとかその類じゃね?……まあ、常盤さんとかお金持ちだし手作り感のある方が嬉しいのか?

 

「………やっぱり、違う、です?」

 

「因みに、美穂が貰ったのは夜空を飛ぶスズメで、常盤さんのはまんま常緑樹に包まれた鳥なんだー」

 

「ふーん。飯も食べ終えたし、そろそろ教室に戻る?」

 

話も良いところで落ちがつき、昼食も残っているのは佐藤さんのオムライスだけだ。

スズメのようにちょこちょことスプーンを口とオムライスに往復する佐藤さんを見るのはなんか、癒しのようなものだ。

 

「AC、今日の放課後は雨燕常盤の研究室で試作品のテストがあるので放課後は空けておいてくださいね」

 

「うーい」

 

「はふ、食べ終わったです」

 

コトンと置かれた空の食器と今にでも眠ってしまいそうな佐藤さんのトロンとした瞼。

左腕のG-SHOCKを見ると、そろさろ時間も頃合いだった。

 

「じゃあぼちぼち教室に戻りましょ」

 

「さんせーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーっす、常盤先輩」

 

「ああ、来たね、アリーヤ」

 

午後の授業が終わり、先輩の部室に顔を出す放課後。

もちろん俺の他にもオペレーターや佐藤さんに齋藤さん、UNAC目当てで鷹月大明神もついてきている。

 

「今日するのは如月と共同開発した火炎放射器とライフルのテストだね。背部兵装も載せたい所だから準備は今すぐで頼むよ」

 

そう言う常盤先輩はウキウキとした足取り手取りで試作品を持ってきてテーブルの上に置いた。

普通テストするならアリーナではないのか?と思ったが先輩ならではの考えがあるのだろうと学生服を脱いで下に着込んでいたスーツ姿になる。

 

「と、いうか、背部兵装……っすか」

 

「うん。幾ら地上機動戦なら可変フロートのおかげでISよりも高機動の性能を得られていても両手に持った武器だけじゃ足りないだろう?」

 

ああ、確かに。

両手待ちだけじゃ別の武器を持つために今持ってる武器を棄てなきゃならないのが難点だ。

その点ではISの拡張領域に分がある。

 

「そのための第三、第四の武器さ。オルコット戦では肩部に搭載したミサイルを使ってたしね、装備出来る武器の数で戦闘も有利に進むだろう?それに」

 

今造ってるUNACのバリエーションは面白くてね………常盤先輩は楽しそうに笑いながらキーボードを叩いてホログラフィックディスプレイに新型UNACの映像を出した。

 

「右腕は銃火器を持つための普通のマニュピレーターに左腕は可変型の武器腕。そして背中には手持ち武器を幾つも搭載可能な武器コンテナ!このUNACがあれば何時でも手持ち武器を切り換える事が出来るのさ!」

 

「へぇ……面白そうですね。このUNACがあればいちいち武器を棄てたり拾ったりせずに済む」

 

「まあその分機動力も自己防衛力も落ちるけど、別のUNACでカバーすれば良いだけの話さ」

 

「腕がなるわね」

 

………いやいやいや、鷹月大明神?あなた、もしかして複数のUNACを自分で動かす気か?正気かこの人……。

 

「UNACはフォーミュラ・ブレインシステムである程度は自律AIが行動出来るらしいので、基本はその都度別のUNACに切り換えて操作するらしいです」

 

いや、でも……鷹月だけに鷹の眼(ホークアイ)みたい感じで複数機を同時に動かせるとか………!?うぐぅ!厨二心が…!疼くぜ!

 

「………こほん、少し話が逸れたみたいだね。とりあえず今日のところは火炎放射器とライフルのテストと、今出来てる背部兵装から2個選んでテストして欲しいな」

 

「うっす……て、場所はどこでテストするんすか?」

 

「テスト場所は如月が開発したバーチャル空間でやってもらうよ」

 

そう言うと常盤先輩は黒いコードを手に持った。

 

「ナイトフォーゲルを展開して、このコードを接続するとヘッドパーツを介してバーチャル空間での擬似戦闘が出来るようになっていてね、色々と便利だし場所取りに困らないだろう?」

 

「そっすね。んじゃ早いとこやりましょう」

 

左腕のG-SHOCKの中央部ボタンを押すと、光の粒子と共に身体を黒い装甲が覆っていく。

最後にヘッドパーツが頭に被さってナイトフォーゲルの展開完了。

先輩は手際よくナイトフォーゲルにコードを接続してキーボードを叩く。

 

「ナイトフォーゲルの戦闘システムを一時停止してるからバーチャル空間で本気で動いても、現実世界で暴れることはないよ」

 

「うっす……お、きたきた。システム……テストモード…っすよね?」

 

HUDに表示されたSystem−Test modeを読み上げると、先輩からそれで良いよ、と返事を貰ったのでヘッドパーツの中で「テストモード、オーケー」と呟くと、『背部兵装を選んでください』の文字と共に何種類かの武装がカテゴリー別に出てくる。

その中から気に入った武装を選んで「準備オーケー」を言うとーー

 

『ーーTest mode、開始します』

 

無機質な機械音声が流れて目の前の空間が微小のポリゴンで形作られていく。

建物が生まれ、川が生まれ、道路が、看板が、信号が、誰も乗っていない高級外車が、雲が、塔が……瞬く間にポリゴンは市街地フィールドの舞台を用意した。

 

「もうすぐで如月が用意したターゲットが出てくるから、テストも兼ねて殲滅してくれるかな」

 

「了解」

 

両手に持った051ANNRというライフルと火炎放射器を構えると、ズドン、という音共にこちらへ接近する敵の地鳴りと敵接近を知らせるアラームが鳴り響く。

 

「さて、どんな敵が出るのやら」

 

この時ほど先輩に如月社の実態を聞いておけば良かったと思う出来事はないだろう。

 




俺……実はBFF信者なんだ(´Д` )
でもまあ専ら使うのはライフルとリリウムライフルとリリウムレーザーとリリウムレーダーとリリウムミサイルな訳で……BFFと無敵ジジイオススメのスナイパーは一切使ってないから勘弁な!
つーか、如月にシュミレーション作らせてマトモなモノが出来るわけがないだろう…なぁ、あんたもそう思うだろう?……思わ……ないのか?思ってるんだろう?
→非常にそう思う
→え?如月最高だろ?イイぞもっとやれ!
※如月最高と答えた方は非常に危険なフロム脳と判断されまryというかあんたら絶対に緑色のマスコットが好きだろオイ。
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