Fate/Problem Child Order   作:ザイソン

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序章 問題児の現界
英霊 逆廻十六夜


「さて・・・ここはどこだ?」

 

地獄の巷のようになった街で金髪に猫耳ヘッドホンをつけた青少年、逆廻十六夜はそう呟いた。

 

足元には瓦礫の他に仮面をつけた暗殺者が沈んでいた。十六夜がぶん殴って倒したのだ。

 

十六夜の目の前には白い服の少年と巨大な盾を持った少女がいる。この少女は人間の気配とは少し違う気がする。

 

(さて、俺はアマゾンでパラシュラーマと戦ってる時に箱庭に召喚された・・・はずだが、手違いというわけでは無いみてぇだな)

 

十六夜の頭には今まで知りえなかった知識が数多く存在している。"サーヴァント(英霊)"、"聖杯戦争"。

 

そして十六夜はある結論に至った。ここは箱庭でもないもっと別の時間軸の異世界であること。そして、自分の今の状態を。

 

「あぁ、なるほどな・・・不可解な点はあるが理解した。サーヴァント、逆廻十六夜。イレギュラークラスの"セイヴァー(救世主)"だ。あんた達の名前は?」

 

「わ、私はマシュ・キリエライトです。デミ・サーヴァントでこちらの先輩がマスターです」

 

「あ、俺は御門望月・・・」

 

御門の苗字を聞いた瞬間件の御門釈天(帝釈天)を思い出したが流石に無関係だろう。

 

「御門・・・望月、まさか女たらしで浪費家で酒にだらしがない人の膿を集めたゴミクズの様な男じゃねぇだろうな」

 

望月はムッと顔を顰めた。

 

「失礼な。貯金はコツコツと貯めるタイプだぞ」

 

「御門って苗字のヤツにゴミクズの様な男がいたからついな。悪いな、マスター」

 

「・・・は?マスター?俺が?」

 

望月は素っ頓狂な声を上げた。

 

「ん?違うのか?っと、何だよ。サーヴァントってヤツは意外と丈夫なんだな。人間かと思って手加減したじゃねぇか」

 

十六夜の後ろには殴り倒した"アサシン"のサーヴァントが立っていた。

殺気がムンムンでお怒りですねわかります。

 

「キサマ・・・!」

 

「ハッ、くたばりやがれこの三下が!!!!」

 

十六夜はアサシンの一撃を苦もなく避けて腕を掴んで地面に叩きつけ、顔面を殴り潰した。

 

「ガッ・・・バカナ・・・」

 

アサシンは力尽きて崩れ落ちていき、消え去った。

 

「さてと・・・()()()()()

 

陰で様子を伺っていたランサーのサーヴァントは背筋が震え、撤退しようとしたが、僅かに十六夜が速かった。

 

腹を殴り飛ばされ空中で消滅した。

 

「な、何という・・・」

 

「すいません・・・助けていただいて」

 

「気にすんな。ところで、何時まで隅で隠れてんだ?」

 

十六夜が隅の瓦礫に目をやると銀髪の女性、オルガマリーが出てきた。

 

「・・・あなた何処の英雄よ?十六夜なんて英雄は知らないし見た目からして未来の英雄かしら?」

 

「・・・さぁな」

 

『所長、さっき一通調べましたがこのサーヴァント、逆廻十六夜は過去にその名を残していない。おそらく未来の英雄だと思われます』

 

「あん?なんか声がするが・・・ま、通信してんだろ。軟弱男の声だな!」

 

音声だけだがショックを受けたかのような音が聞こえる。

 

『ガーン・・・僕はロマ二・アーキソン。ロマンと呼んでくれ。そこの銀髪の女性は"人理継続機関・カルデア"の所長、オルガマリーだ』

 

「カルデア・・・?星見と何か関係があんのか?」

 

『うわ、カルデアの起源知ってるとか・・・学者の英雄?』

 

「ハッ、まさか。学者は義弟()の方だ。俺はな、粗野で乱暴で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間だ。用法と接し方を考えやがれ」

 

説明書はあいにくとないがな、と十六夜は付け加えた。

 

「で、カルデアってなんだ?天体観測・・・してる風には見えねぇが?」

 

カルデア。魔術師の貴族"アニムスフィア家"が管理する機関。表面上は標高6,000メートルの雪山の斜面に建設されているように見えるが、施設本体はその地下に広がっている。100年後に時代設定したカルデアス表面の"文明の光"を観測する事により、未来における人類社会の存続を保障する事を任務とする。が、2016年に人類史の根絶を確認してからはなんとかしようと奮闘中。と、オルガマリーは説明した。

 

「へぇ・・・面白そうなことをしてるな。ところで・・・おい、そこのヤツ、敵意はないならさっさと出てこい。さもないと、」

 

十六夜は足元の石ころを一つ手に取り、

 

「石をぶん投げるぞオラァ!」

 

第三宇宙速度でぶん投げた。

 

「もう投げてんじゃん!!!!」

 

望月が突っ込むが当然のごとくスルー。

 

「わかったからもう投げんな問題児」

 

岩場の影から青髪の水色のローブをまとった魔術師らしき男、サーヴァントが出てきた。

 

「俺はキャスターのサーヴァントだ。アサシンとランサーのサーヴァントの気配を追ってきたんだが・・・遅かったみたいだな」

 

キャスターはちらりと十六夜を見る。

 

とりあえず望月が質問した。

 

「で、何の用だ?」

 

「あんたらはあの泥に侵されてねえみたいだし、ここは一つ俺と手を組まねえか?多分あんたらにとって悪い話じゃない。俺の目的はな、この聖杯戦争を終わらせることだ」

 

「それは願ったり叶ったりでいいけど・・・その場合あなたのマスターは誰になるの?あと十六夜のマスターも」

 

「あん?そんなのそこの坊主に決まってんだろ?あんたにゃマスター適正もないしな」

 

「俺も同じく望月になるな。オルガマリーには悪いが俺は部下に危険な事を全部丸投げするヤツの下にはつかないぜ?」

 

十六夜のセリフを聞いてオルガマリーはカチンときた。

 

「所長なんだから部下に丸投げするのはあたりまえでしょ⁉︎」

 

「いや違うな。非常事態は臨機応変にすべきだ。戦うことができないにせよ後方支援ぐらいしろ。一流の魔術師みたいだし色々やれるだろ」

 

オルガマリーはそっぽを向いた。拗ねたらしい。

 

「ま、いいか。それで、キャスターさんよ、なんか知ってんだろ?」

 

この地では万能の願いを叶えると言われる聖杯を巡る戦い、聖杯戦争が起きていた。

だがしかし、突如として街は炎に覆われ、そこにいた人間は姿を消した。残ったのはサーヴァントのみ。このような状況下の中で真っ先に聖杯戦争を再開したのはセイバーだった。

他のサーヴァントたちを問答無用で葬っていく中で、キャスターだけ生き残ることに成功。

そしてセイバーによって葬られたサーヴァントたちは先ほどのアサシンよろしく黒い泥に汚染されたという。

 

「まあ、問題児の方は戦力的には申し分ねえ。寧ろセイバーの野郎と真っ向から殴り会えるとしたらお前さんしかいねぇからな。嬢ちゃんの方だが宝具は使えんのか?色々と込み入ったことがありそうだが・・・」

 

「はき・・・私は未だに宝具が使えません。このままでは欠陥サーヴァントです・・・すいません」

 

「自分を悪く言うのはやめようよ!」

 

『そ、そうそう!宝具はサーヴァントの秘密兵器なんだから一朝一夕で使われたら面目丸つぶれ「あ?そんなのすぐに使えるに決まってるじゃねぇか。サーヴァントと宝具ってのは同じもんだからな。お嬢ちゃんがサーヴァントとして戦えるのなら、その時点で使えるはずだ」

 

二人のフォローを打ち砕くキャスター。

 

「なのにできねぇのは・・・気合が足りないのか・・・なんつーかな?」

 

「大声あげる練習してねぇとか?」

 

「おぉ!それだそれそれ」

 

「そうなんですか⁉︎そーなーんーでーすーかー⁉︎」

 

「「ものの例えだ!!!!」」

 

キャスターは頭を掻きながら、ある提案をした。

 

「よし、特訓だ特訓!今から俺が本気で望月を殺しにかかるから宝具発動させてなんとかしのぎ切ってみろや!」

 

「え、ちょ、「面白そうじゃねぇか!俺も乗った!!!!」うそぉ!」

 

キャスターは杖から炎を噴射し十六夜は投石で望月を狙う。マシュは盾で炎と石を弾きつつ反撃の機会を伺うが、もともと疲労困憊だったため難しい。

 

「仕上げに入るぞ!燃え尽きな!!!!我が魔術は炎の檻———。茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社———倒壊するは焼き尽くす炎の檻(ウィッカー・マン)!!!!」

 




はいどうもこんにちは。作者です。今回は今の十六夜について説明したいと思います。

Q.サーヴァントって死んだ人限定ですよね?
A.確かにそうですが十六夜の場合は特例中の特例です。なぜ召喚されたかは・・・ネタバレなので言えません。

Q.サーヴァント十六夜は本人?
A.人間が英霊の"本体"を召喚することは不可能で、サーヴァントは"本体"を基に各クラスごとの側面を切り出したコピーのようなもの。故にサーヴァント十六夜は厳密には本人ではありませんが99.99999%本物なので特に気にすることないです。恩恵も所持物もおなじです。

Q.御門望月ってだれ?
A.原作の主人公・・・つまり、ぐだ男。例の御門釈天とは全くの無関係。
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