ロックマンゼロ ~紅き英雄と夢を求める妖精達~   作:鈴歌

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プロローグ

ラグナロク…。

その上で1人の青年と1人の老人が対峙していた。

青年の名はゼロ。

かつて紅き英雄と呼ばれたレプリロイドと呼ばれる機械生命体である。

対する老人、ドクター・バイルはかつての罪により、機械の体に変えられ、追放された科学者であり、”人間”だ。

しかし、その姿は最早、人間とはかけ離れていた。

 

「お前は討つのか…?

英雄と呼ばれたお前が…正義の味方であるお前が…”人間”であるワシを討つというのか?」

 

バイルの言葉にゼロは迷いなく答える。

 

「俺は正義の味方でもなければ英雄と名乗った覚えもない。

只、自分の信じる者の為に闘ってきた…。」

 

ゼロは続ける。

 

「俺は悩まない…!

目の前に敵が現れたならば…。」

 

彼の得物がバイルを捉える。

 

「叩き斬る…までだ!!」

 

『ゼロ!

もう駄目っ!!

戻ってきてっ!!』

 

ゼロのメットに内蔵された通信機から少女の必死の叫び声が聞こえ、視界の端には彼女の必死の表情が映像越しに見える。。

少女の背後からは皆、『ゼロ、戻ってこい!!』『ゼロさんっ!!』など切羽詰まっている声を出し、身振り手振りで戻ってくるよう求める。

それもその筈で今ゼロがいるラグナロクは崩壊を始め、地表へと落下を始めている。

ゼロはそれをコアを取り込み、一体となったバイルを倒すことで阻止すると言うのだ。

少女や周りの人々はそれを必死に止めようとしている。

そんなことをすれば彼の身がタダでは済まないからだ。

しかし彼はそんなことは構わず、うっすらと微笑み少女の名を呼ぶ。

 

「シエル…。」

 

『…!!』

 

シエルと呼ばれた少女はハッと俯いていた顔を上げる。

彼女が見ている映像にはとても柔らかいゼロの微笑みが映っていた。

 

「俺を…信じろ…っ!!」

 

表情を引き締めたゼロはそう告げると自らの剣、Zセイバーを構えてバイルに突っ込む。

 

「ハァァァァァ!!」

 

連戦で満身創痍の身体で絶望的な状況の中、戦いを挑むゼロを見てシエルの目に涙が滲む。

 

『ゼロ…。』

 

ゼロの身体にバイルのエネルギー弾が当たり吹っ飛ばされるも立ち上がり、ゼロはバイルへと走り出す。

 

『ゼロ…!』

 

再びエネルギー弾が被弾し、ゼロのメットが吹き飛ぶ。

これによりゼロからの映像通信は途切れる。

 

『ゼローーっ!!』

 

途切れる寸前に聞こえた少女の悲鳴ととれる声。

その声を聞いたゼロは哀しげに目を伏せる。

 

(シエル…すまない…。)

 

心の中でそう謝り、バイルにチャージしたZセイバーを振り下ろす。

 

「これで……終わりだぁぁっ!!」

 

バイルの本体を防護しているカバーが割れ、その表情が露わとなる。

 

「グッ……!!

流石だなぁ…っ!!

英雄っ!!」

 

その言葉を遺し、バイルは爆散した。

 

「クッ…!!」

 

その爆発に巻き込まれ、ゼロは宇宙空間へ投げ出される。

 

(身体が……動かん……っ!!)

 

傷だらけの身体に更にダメージを受けたゼロの身体は最早ボロボロで動くどころか話すことすらままならない程弱っていた。

 

[ゼロ!!]

 

不意にゼロにとって懐かしい声が聞こえる。

 

「……え………く…………す…。」

 

ゼロは朦朧とする意識の中でその声の主である親友に呼び掛ける。

 

[しっかりするんだ!!

君はまだ死ぬべきじゃない。]

 

親友は必死に呼び掛ける。

その声とは裏腹にゼロの意識は遠のいていく。

 

[君は絶対死なせない…!

絶対に助ける…!]

 

彼は意識を手放したゼロのボディに潜り込みレプリロイドの魂と言えるゼロのサイバーエルフを引っ張り出した。

それと同時にゼロのボディは大気圏の摩擦により、燃え尽きる。

 

[(よし、このままサイバー空間へ連れて行けば回復させられる!)]

 

彼は弱り切り、消滅の危機にある親友のサイバーエルフを抱えてサイバー空間の入り口を探す。

 

[(ボクが通ってきた入り口は塞がってしまった…!

クソ…!

どこにある…っ!)]

 

新たなサイバー空間への入り口を探す彼の前に空間の割れ目が現れる。

 

[(バイルが爆発した際に現れたのか…。)]

 

彼はゼロを抱え込むとその空間に飛び込んだ。

 

ーやっとゼロを回復させられる!

 

そう、彼は信じていた。

その割れ目がサイバー空間への入り口であると…。

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