ロックマンゼロ ~紅き英雄と夢を求める妖精達~   作:鈴歌

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第3話

翌日…。

 

「……ん…うぅ…。」

 

そんな声を漏らしながらゼロが目を覚ました。

状況を把握する為に腕に力を入れ起き上がるが起き上がった瞬間に強烈な目眩に襲われ、再び後ろに倒れる。

 

「ぐ……ッ…。」

 

「…?

ゼロ…?」

 

ゼロが倒れた際の揺れによるのかゼロが寝ていたベッドに突っ伏して寝ていたエックスが眠たげに目をこすりながら起きた。

 

「エックス…か…。

起こしてしまったな…。」

 

状況的に自分がエックスを起こしてしまったことに気付いたゼロはエックスに声を掛ける。

 

「いや、大丈夫…。

良かった、目が覚めて…。」

 

寝ぼけ眼のままエックスがゼロに笑顔を向ける。

 

「しかし…ここは…どこなんだ…?」

 

ゼロはエックスにそう問うと額に自身の腕を乗せる。

 

「うーん…。

どっから話していいかな…。」

 

エックスは寝起きの頭をフル回転させゼロへの説明の言葉を探す。

そんな様子の親友を見てゼロは取り敢えずと口を開く。

 

「エックス、まず一回顔を洗って来い。

その後に状況を聞かせて欲しい。」

 

「あ、うん…。

そうする…。」

 

エックスと話してる間に頭が少しずつ働いて来たゼロが指示するとエックスも頷いて退室して行った。

 

(時々アイツがレプリロイドだと言うことを忘れてしまうな…。

人間臭いにも程があるだろう…。)

 

エックスを見送り、ゼロは思う。

そう思わせる程に先程のエックスの寝起きの顔は凄いことになっていたのだ。

だから顔を洗いに行かせたのである。

 

(しかし…本当にここはどこなんだ…?

エックスも俺も何かをされたと言うこともなさそうだ。

むしろ俺がベッドに寝かされていたと言うことは介抱されていたか或いはエックスが俺を介抱する為に部屋を貸してくれていたのか…?

いや、それ以前に…。)

 

「何故俺が生きているんだ…?」

 

ゼロは一番の疑問を呟く。

ラグナロクと共に落下する際、自分は大気圏で燃え尽いて死ぬものだと思っていたので当たり前の疑問だった。

唯一覚えているのは自分が意識を手放す前に聞いたエックスの声くらいだった。

 

(ラグナロクはちゃんと燃え尽きたのか…?

シエル達は無事なのか…?)

 

ゼロの頭の中では様々な心配がグルグルと巡り、混乱していた。

 

 

 

 

 

 

 

「ゼロ、お待たせ!」

 

顔を洗い、さっぱりしたと言った表情でエックスが戻ってくる。

しかしゼロは考え事をしているのかエックスが戻って来たことに気付かずどこか遠い目をしていた。

 

「ゼロ?」

 

エックスがもう一度声を掛けるがゼロは相変わらず気付かない。

 

「ゼーロー?」

 

再び呼び掛けるがそれでもゼロは気付かない。

 

(ゼロ…考え事してると本当に何も気付かないからな…。)

 

「ゼロー、気付けー。」

 

そう言ってエックスは軽くゼロの頬に指を刺す。

 

「!?」

 

エックスの行動にゼロは驚き、ビクッと身体を揺らした。

 

「ビックリした?」

 

エックスが悪戯っぽい笑みを浮かべるとゼロは素直に頷く。

 

「何回も呼んだのにゼロ全然気付かないんだもん。

だから直接突っついてみました。」

 

軽く笑いながら言うエックスにゼロははぁ…とため息をもらす。

 

「何考え込んでたの?」

 

「…ここはどこなのか、どんな状況なのか、ラグナロクはどうなったのか、俺は死んだ筈なのに何故生きているのか。」

 

エックスの問いにゼロが若干早口気味に答える。

 

「なんか全部僕が答えなきゃいけないような気がする…。

と言うかゼロ、僕が脅かしたこと微妙に怒ってる…?」

 

「別に…。

お前の中での俺はそんなに心が狭いのか?」

 

なら良かったとホッと息を吐くエックスを見ながら(まあ身体が良くなったら仕返しはしてやるつもりだがな)と心の中で呟く。

 

「で、改めて状況を聞かせてくれ。」

 

ゼロがそう促すとエックスもそうだねと話を切り出す。

 

「ゼロ、今から話すことは信じられないかもしれないけど事実だからよく聞いてくれ。」

 

エックスはそう前置きを言うと今まで聞いた話をまとめて説明する。

話を聞き終わる頃にはゼロはあまりに信じられず頭を抱えていた。

 

「つまりお前の話をまとめるとお前は意識を失った俺のサイバーエルフをボディから取り出しラグナロクと俺のボディが大気圏で燃え尽きたのを確認した後、サイバー空間に戻ろうとしたら魔法文明が栄える異世界に来てしまい、ついでに俺達も人間の身体になってしまっていると。

そう言うことだな?」

 

ゼロのまとめにエックスはそうそうと頷く。

 

「もはや後半がファンタジーだな…。」

 

「うん、僕もそう思う。」

 

ゼロの率直な感想にエックスも同意する。

 

「それで戻る手立てはあるのか?」

 

ゼロの質問にエックスは首を振る。

 

「今のところはないね。

今僕らがいるここの責任者のお爺さんに聞いてみたんだけど分かんないってさ。」

 

「そうか…。」

 

ゼロが困ったように呟く。

 

「で、そのお爺さんに帰る手段が見つかるまでここで働いてみないかって提案してくれたんだけど…どうする?」

 

「それは構わないが…どんな仕事をするんだ?」

 

ゼロが疑問をぶつける。

 

「なんか依頼をこなしたり、広間が酒場になってるらしいからウェイターとかもやるかもね。」

 

「依頼?」

 

再びゼロの頭に「?」が浮かぶ。

 

「僕も詳しくは分からないんだ。

僕らを助けてくれた人達から話を聞いただけだから。」

 

エックスの話を聞き、ゼロはそうかと相槌を打つ。

 

「取り敢えずそっちの件はお前に任せる。

俺がうだうだ言っても仕方ないからな。」

 

「了解。

じゃあOK出しとくよ?」

 

「分かった。

ただ今は少し休ませてくれ。

少し疲れた…。」

 

ゼロはそう言ってはぁ…とため息を吐く。

 

「大丈夫かい?」

 

エックスが聞くとゼロは頷いて答える。

 

「エックス、少し頼みがあるんだが。」

 

「ん?

何?」

 

「俺が眠ってしまったら助けてくれた奴らが来た時に起こしてくれないか?

俺からも助けてくれた礼が言いたいんでな。」

 

そのゼロの頼みをエックスは二つ返事で了解の意を示す。

 

「ゼロってがさつなクセに律儀だよね。」

 

「うるさい。」

 

ゼロとエックスがそんなやり取りをし、それぞれ休息を取ることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前10時。

 

すっかり眠ってしまったゼロに布団をかけ直し自分もうつらうつらとしていたエックス達の元にナツ、ルーシィ、ハッピーが見舞いに訪れた。

 

「よ、エックス。」

 

ナツが人懐っこい笑みを浮かべ手を上げて挨拶をする。

 

「ナツ!

ルーシィ、ハッピーも!」

 

「お見舞いにきたわよ。」

 

「気分どう?」

 

ハッピーの質問にエックスは笑顔を浮かべる。

 

「ありがとう、もうすっかり良くなったよ。

ゼロも起きたし、これもウェンディの回復魔法のおかげかな。」

 

「ウェンディの魔法すげぇだろ?」

 

エックスの言葉にナツが自分のことのように喜び、笑う。

 

「私達もウェンディには色々助けてもらってるのよ。」

 

「あい!」

 

ルーシィの言葉にハッピーも頷く。

 

「そっか。」

 

3人の様子に笑みを浮かべながらエックスは相槌を打つ。

そしてそれとほぼ同じタイミングで寝ていたゼロが唸り声を上げ目を覚ます。

どうやら周りの騒がしさで起きてしまったらしい。

 

「……?

誰か来てるのか…?」

 

「あ、ゼロ。

起きちゃった?」

 

寝ぼけ眼のゼロを見てエックスが問い掛ける。

 

「これだけ騒がしければな…。

そっちにいる奴らが俺達を助けてくれたのか?」

 

ゼロの質問にエックスが頷き、ナツ達による自己紹介が始まったのだった。

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