赤城の山から関東平野を望む。そうここは日本の秘境グンマー。
山頂ではなく中腹でドライブがてら寄れる展望公園。本日は快晴なり。
生前に何度か。といっても戦時中ではなく、平成時代の生前にバイクのツーリングで訪れた場所だ。
春には千本の桜が咲き誇り、今から夏にかけては緑の濃い匂いを感じられる。秋になれば燃えるような紅葉が、
冬は来たことないから知らないけど、もっと上の方にある沼ではワカサギ釣りができるんじゃなかったかな。
さてさて、そんな場所で隣には妹。
周りには黒服のおっさん達。
別にトラブルに巻き込まれたわけじゃない。
むしろ逆の存在なわけだが、ドライブデートで寄っていたのであろうカップルが、
おっさん達を見てそそくさと退散してしまい、貸し切り状態になってしまった。
この人たち警備会社の方々なんだけど、セ〇ムとかアル〇ックとかとはちょっと違う。
スーツの上から分る奇妙な膨らみ。あれ、完全に銃吊るしてますよね。ってな具合です。
終戦後に日本に進駐した連合軍の一部が悪さをするっていうので自警団を作って対応したのがこの警備会社の始まりだそうだ。
一応は講和で終戦だからなぁ、軍縮させられたとは言え国家は存続している訳で、
それが分からずに敗戦国だと思って何してもええやろと一部のアホが問題を起こしたというわけだ。
直接戦っていたアメさんは日本を過大評価した部分があって、その辺の統制は厳しくしていたらしいけど、どんな軍隊でも問題を起こす奴というのはいるし、どさくさ紛れに自称独立戦争しかけて勝利した国とか酷かったようだ。
そんな経緯と軍縮の煽りで仕事を失くした軍人の受け皿となって誕生したそうだ。
名前に長野は付いていないけどグループ会社だそうです…。
となりの妹を見やる…。
その穏やかな笑顔は人に安心感を与える。
激動の時代を生き抜いたからこそできる笑顔なのか…。もともとの妹の気質なのか…。
苦労をかけないように俺に出来る事は考えられる限りやっておいたと思うが、それでも大変な思いをしたのだろうな。
親父殿もお袋様も文乃を生んだのが結構歳を食ってからだったからなぁ。
文乃が17か18歳の時に兄妹の家族になってしまったし、寂しい思いもあっただろうな。
俺は軍と商会の運営とかでほとんど家に帰れなかったし…。
「…苦労をかけたな」
「…兄様。私の苦労など兄様に比べたら…」
俺にはミック先生という強い味方がいたからなぁ。
しかし思いかえせば、あそこまで頑張れたのは妹の存在があったからに違いない。
同年代の若者達の国想う熱いモノに感化された面もあるが、すくすくと成長していき、「あにしゃまあにしゃま」と懐いてくれた妹を何としても守ろうと思った。シスコン、ああ何が悪い! と胸張って言ってやろう。
関東平野に向かって心の内で叫ぶ。
グンマーと妹よ私は帰ってきた!
すぐに横須賀戻るけど…。
兄が内心でガトーごっこしているとは知らない妹は背を向けている兄に声をかける。
「兄様」
「…なんだ?」
此方を振り向く事をせず、遠く関東の平野を見下ろす兄の背中。
約二月振りの再会を果たした兄の少し伸びた髪は、今の風貌によく似合っていた。
「また戦地に赴かれるのですね」
「そうだな」
気負いもなく答える兄は頼もしくもあり、寂しくもある。
なんせ全て自分で出来てしまうのだから兄は自分の中で完結してしまう。
そして最期は自分の命すら割り切って…
「今度は必ず帰ってきてください。文乃はもうあんな想いは…」
その年。初めて雪降る日に玄関に佇む一人の男性。黒の軍衣に身を包み、白の布に巻かれた長物を両手で抱える。
それを見て全て理解したあの日の想い。涙を堪え、兄の最期を語られるあんな想いをもう二度と…。
「…戻って来ただろう」
「…70年は待ち疲れました。そろそろお迎えが来てしまいますよ」
「…なら今度はすぐ帰ってくるとしよう。兄が帰るまで壮健でな」
そう言って自分の頭に手を置く兄。
あぁ…この人は本当に…仕方がない人だ…。
『てーとく聞いてます? いっぱい獲れたら分けてくれるそうですよ。ちょっと夕張の本気見せてきますね』
聞こえてるって。さっきから用も無いのに数分おきに通信してくるんじゃないの。
電話じゃないんだからね。海上を滑ってるだけで…暇? いやなんかお前ら楽しそうだな…。
「夕張さん。真面目に哨戒を」
ほら、大淀さんに怒られてる。でも、メロンちゃんそんなのお構いなしみたい…。
現在はシーワックス 平波(ひらなみ)の艦橋です。
観音崎灯台が見えなくなってからいくらか時間が経ち、右舷にうっすらと大島が見える。
この平波を漁船が囲み、さらにその外を艦娘達が水上を滑って哨戒している。
そして大淀さんはこの艦に乗船し、色々とこの艦の事を教えてくれている。
しかし船が船に乗るとはこれいかに。
この船の名前 平波(ひらなみ) 命名は俺。
大淀さんが艦名つけていいよって言ったから渡された紙に横書きで波平って書いたのだけど、
気を利かせて平波にしてくれた…。違うんだそうじゃないんだ…。そのままで良かったんだよ。
縦書きにしておけばと後悔しても遅い。大淀さんの心なしか得意げな顔に何も言えなかったよ。
これは商会の造船所で作った快速タンカーと同じだな。武尊丸(ほたかまる)平波丸(ひらなみまる)っていう船を作ったのだけど、平波丸の命名の時に同じ現象が起きた。
波平に乗るフネという意味深なネタを今回やりたかったのにぃ…。おのれぇ…。いつか必ず…。
ちなみに武尊丸と平波丸は最高速力20ノット出る。戦時中に武装させるために設計したので艦橋上部に高角砲設置、両側に連装機銃が配備された。当時の技術力で出来る限りの工夫を凝らした長野商会の渾身の2隻だ。
船を艦首正面から見ると艦橋の上部に高角砲が伸びてる様がまさしく磯野さんちの大黒柱を彷彿させる。
武尊丸、平波丸共に生き残り、大戦を通して武尊丸が敵撃墜6と平波丸が5を記録している。
と、正式に配布された提督用タブレットで平波丸の概要を流し読みしている俺氏。
だって、今は暇なんだもん。
『司令、爆雷投下してくれと漁船の船長が言ってるが、どうする?』
磯風さんからの通信です。
「却下です」
大淀さんが速攻でお断り。さっきから何度か同じようなやり取りをやっているのだけど…。
すると違う艦娘からまた同じような通信が入ってくる。漁師の爺さん達も懲りないというかしつこいというか…。
通信が切れる前に「ケチじゃのぉ」とか「税金泥棒」とか「石頭」とか「おっぱい揉ませてくれ」とか聞こえてるんですけど。
艦の周囲を映すモニターを見るとメロンちゃんが地引網みたいの持って滑走している…。漁師のおっさん共がそれを応援してる。
何してるんだ彼女は…。
他にもすごい勢いで一本釣りしている漁船。カツオの群れでもいたかな…。谷風さんが大漁旗振り回して応援している。
浜風さんは愛でられているのか…。どことは言わないけど確実に愛でられてるな。
そらまぁ艤装を背負うたすき掛けのベルトが食い込んでエロ…えらい強調されているものね。
女子のたすき掛けはパーセント(%)掛けという造語を作ったらいいんじゃないかな。と彼女を見ていると思うわ。
横須賀から出港して浦賀水道を抜けた辺りで中型、大型の漁船が数隻何故かくっ付いてくる。
で、暫くしてその漁船の一つから通信が入る。
要約すると少しの間でいいから護衛しろとの事だ。
深海棲艦が現れてから遠洋漁業が難しく、国に掛け合ってもたまにしか艦娘達を派遣してもらえない。
それだけじゃ稼ぎが少なくて生きていけねぇってな訳で漁師達は鎮守府を監視している事が多い。
で、輸送任務や出撃で出ていく様な事があれば、くっ付いて行き同じような事をしているらしい。
何とも逞しい海の男たちである。
帰りはどうするんだよ。そこまで面倒は見切れないぞってな事を言ったのだけど。
『てやんでぇ! こちとら帝国海軍の生き残りでぇい! 漁中じゃなけゃ逃げ切ってやらぁ』
との事です。なら、特別急ぐわけでもないからと、しばらく移動がてらに護衛を引き受けたわけだけど。
艦娘の皆さんが漁師の皆様に人気な事。まぁ可愛いもんね気持ちは分かる。
あと漁師のおっさんたちはアグレッシブ過ぎて大淀さんがさっきから頭痛めている。
「あの提督。本当に宜しかったのですか?」
ん、漁の護衛の事かい。
「周囲に敵性反応は無いのだろう」
「今のところは…ですが…」
「臣民を守るのが軍人の務めだ」
と偉そうな事言うけど、あとでお裾分けしてくれるそうだし、刺身にして食べようぜぇ!
実際にこの国を守ってるのは君達、艦娘達なのだからちょっとくらい美味しいもの貰ってもいいと思うの。
さてとタブレットの使い方っと。妖精さんにバレずにエロイの見る方法とか無いのか…。
このタブレットで指揮下の艦娘達のステータスを見れるんだけど、ゲームやってた人ならすぐわかる。
編成画面とか改装画面に載ってるあの数値だ。火力とか装甲とか回避とかそういうのが数値化して表示されている。
でゲームと違って装備は結構融通効く。
例えばお艦の装備はゲームだと3スロットで固定されていたが、この世界は合計最大42機の艦載機…つうか矢?
の中なら好きに組み合わせられるようだ。1本の矢から3機~4機になって飛んでいく。
ていうかお艦も改になってんのね。改装前は20機も運用できなかった気がするし、実艦のほうもそうだ。
ましてや零戦すら甲板の長さ的に運用が難しいのだが、人の身になって艦載機は矢になってとその辺は問題解決してしまったのか…。
まぁ強い艦載機が搭載出来るのはいいことだ。
お艦の装備は零式艦戦三二型20機 天山9機 彗星9機 二式艦上偵察機4機となっている。
うぅむ…微妙だ。まぁ今までお艦は後方にいたからな。良い装備は前線にいる者に先に配備されるようだから。
父島でしばらく過ごせばそれなりのものが回ってくるかな? それとも自分で作るか。
艦娘の建造は呉、横須賀、舞鶴、佐世保の4か所の妖精さんが作った工廠でしか出来ないらしい。
しかも建造失敗もあり得るんだとか…。大建回して、まるゆさんすらも出ないとかリスキー過ぎて禿げるよね。
装備の方は父島の警備府の方にも工廠があるので資材と上に許可さえ取れば可能との事。
何このタブレット超便利。提督マニュアル付だよ。でもアレ…どっかに載ってないのかな…。
ふぅむ。気が進まないけど…。
「大淀」
「なんでしょう?」
「父島警備府の備蓄関係の数字はどこで見れる?」
「正確な数字は向こうに着かないと…3カ月前の数字がこちらになります」
こうやって質問すると答えてくれるんだけど…、大淀さんに話しかけると時々、頬が引き攣ってるんだよね。
だから俺もなるべく自分で調べるようにタブレット使いこなそうとしてるんだけどさ…。
胃が痛い。ん? この艦橋には周囲の海域図及び艦娘達の位置情報が光点として示されるテーブル型のモニターが設置されている。
「比叡、少し離れすぎだ。速度落としつつ旋回しろ」
戦艦にとって一番厄介な存在って何だろうか? 俺は潜水艦…正確には魚雷だと考えている。
だからあんまり遠くに行ったら駄目よ。戦艦娘は潜水艦に対しては無力なんだから…。
『司令っ! 分ってはいるんですっ! だけど艤装に振り回されるというか…なんでぇぇ』
とは言いつつ光点はゆっくりと旋回を始めている。
「提督の指揮下に入った事で出力が向上…。艤装本来の力が発揮されているのだと推察します」
メタリックなスライムを倒して急激にパワーアップってところかな。
他の艦娘達は影響なさそうだけど…。あぁ比叡は戦艦だからな。他の艦と比べたら馬力の桁が違うもんな…。
ピコーン!
ミック先生不在でも俺の高性能な脳はいい事を思いついた。
魚雷が怖い? だが、そんなもん当らなければどうという事は無い。赤い人もそう言っていたし。
「比叡」
『何でしょう司令』
「跳んでみろ」
『え?』
「跳んでみろ」
『え、は?』
「1番と4番主砲は後方に向けろ」
『いや、えぇと?』
「ジャンプをしろと言っているのだ」
『え、えぇぇ』
「できんのか」
『で、出来ますっ! い、いきますよ。とぅ!』
声を上げたと同時に比叡は跳躍。すかさず
「1番4番斉射」
そう命令をされ、条件反射の様に比叡の主砲が火を噴いた。
『ヒェェェーーーーーッ』
その日、比叡は飛んだ。
やったね。これぞ立体機動。魚雷も回避できるし距離を詰める事も出来て一石二鳥だぜ。
ただし、相手が潜水艦の場合は意味は無いな。だが、魚雷は回避できるはずっ!
「…やはり時代は航空戦艦か」
「……」
大淀さんの引き攣った顔が印象的でござる。
『提督、漁師の方がご挨拶したいと仰ってますが』
お艦はいいねぇ。何時の時も…比較的…おおよそ…落ち着いているもんねぇ。
だけどさ、俺はさっき見た。弓に番えずに、直接手で矢をぶん投げたのを…。
「そうか受けよう。両舷停止」
「アイサー」
「お供します」
一隻の漁船がこちらに近づいてくる。
よしじゃあ甲板に出てお魚投げ渡してもらおう。
お、おう。そのままつける気かよ。甲板に出たら漁船が接船してきた。
お見事な操船技術だが、無茶な事しますなぁ。漁師や妖精さん達がロープを投げ渡しながら両船を固定していく。
ロープを伝ってこちらによじ登ってくるご老人の姿。なんて元気なジジィだ。
艦娘収容用のクレーンあるんだけどなぁ…。
「おうっ! アンタがここの艦長さんか」
焼けた肌に年季の入った皺。捩じり鉢巻きの角刈り。とそれに続いてもう一人。顔が赤らんだ歯が何本か欠けていらっしゃるジジィだ。
今飲んでる、その水筒の中は絶対お酒だよね! この国の俺の知っている老人はみんな元気だなぁ…。
「…あぁ。長野と言う。平波へようこそ」
「おうっ! 俺は辰と呼んでくんなぁ! だがアンタ、ケチだな。爆雷の1個や2個で騒いでるようじゃ出世しねぇぞ?」
いや、爆破漁はダメだろ。漁師というのはぶっ飛んだ頭の連中が多いのか?
戦時中、鎮守府付近で夜中に漁船が無断侵入して密漁してたけども…。機雷に接触して命と引き換えに爆破漁してしまったんだから。
なにより、
「…違法だろ」
「フンっ! 今の海は魚で溢れ返ってらぁっ! 一発や二発でゴトゴトぬかすなってんだ」
「きゃぁっ!」
と大淀さんの悲鳴。見ればお尻を抑えて羞恥と怒りで顔を真っ赤にしてプルプル震える大淀さん。
と酒で真っ赤なジジィは嫌らしい笑みを浮かべている。
あぁアンタ命知らずだなぁ…。
「大淀」
殴ったら死んじゃうからね。殴っちゃ駄目よ?
「くっ!」
「…へっへっへ」
超睨まれてるのにどこ吹く風のジジィ。
「馬鹿梅! オメェまたどうしょもねぇことしやがって! 簀巻きにして沈めんぞっ!」
「オメェこそ俺の生き甲斐にケチ付けんじゃねぇ!」
「おいおい」
俺の制止も聞かずに喧嘩をはじめる、辰(捩じり鉢巻き)と梅(セクハラアル中)のご老体二人。
小学生の喧嘩のような罵り合いをしている間に大淀さんは俺の背中に隠れてしまわれた。
妖精さん達は漁船にいる漁師さん達からお魚を貰って冷蔵庫に運んで行っている。
俺は肩で息するまで続いた罵り合いが終ったところで声をかける。
「気が済んだか?」
「…はぁ…はぁ。まだまだ言い足りねぇが、嬢ちゃん済まなかったな。この馬鹿には後でまたきつく言っておくからよぉ」
「…はぁ…なんじゃ…はぁ。尻の一つや二つ減るもんじゃねぇのに」
「おめぇ、じゃああそこにいる鳳翔にケツ触らせろと言って来い」
「そんな事言えるわけねぇじゃろがっ! おめぇこそ鳳翔さんと呼べ。鳳翔さんと! 儂の恩船じゃろうがっ」
お艦は確かにさん付したくなるよね。お艦の尻を触る…関節極められる未来しか見えない。
いや、艦娘達にセクハラすること自体、命がけなんだけどさ…。ところで、おんせん?
「ん、あぁ。こいつは鳳翔…さんに乗って帰って来たんだ」
あぁ復員船の時に乗っていたのか。てか、そうすると年齢的に90前後という事だろ? 元気だなぁこの人ら。
「嬢ちゃんすまんかったのぉ。だが、そんなスケベなスカート履いとるのが悪いっ!」
一理ある。が、ジジィもう少し反省しろ。
「……」
そして俺の背中越しで何も言わずに口を尖らせ睨んでいる大淀さん。ちょっと可愛い…。
「よぉおし! テメェら獲った魚を運び…なんでぇい。もう終ってやがんのかい」
「そのようだ。有り難くいただく」
今日は新鮮なお魚料理がたらふく食えるぞい。ごちそうさまでち。
「おうっ! ところで艦長さんよぉ。言いたいことがあんだがよぉ」
辰という爺さんの雰囲気が少し鋭くなった気がする。その気配を察してか大淀さんが一歩前に出ようとするが、
「大淀。…なんだろうか?」
手で制して爺さんの話を促す。
「…大淀…だと? 嬢ちゃんあの長野艦隊にいた大淀なのかい?」
「そうですが」
「そうか…。ありがとう。今俺がこうしていられんのは嬢ちゃん達が頑張ってくれたからだ」
そう言って大淀さんに頭を下げる辰爺さん、
「えぇと…」
「ああ。すまねぇ俺はよぉ、あの時大和に乗っていたんだ」
「そうでしたか」
坊の岬組の生き残りかぁ。ん? 大和は固定砲台になったのか…恐らくなれたんだろうな。
あの戦いの事は出来れば調べたくないんだが…、何時までも目を背けてるわけにもいかないよなぁ。
それより、先ずは大淀さんとちょっと話し合おうか…。
現在、大淀さんは大本営から出向という扱いで。父島着いたらしばらく業務の手伝いしてくれるらしいけど、
ある程度慣れたら本土に帰還する予定だから。それまでに…うぅ胃が痛いなぁ。
「なおさらおめぇさんに言っときてぇ事があんな」
「…なんだろう?」
「随分とスゲェ武勲艦を何人も連れているようだがなぁ。アンタが下手な指揮執って彼女たちに何かあったら俺はアンタを許さねぇぜ!
大淀さんよぉ。コイツが無茶な事言ったら反乱でもおこしてやんな! という訳だ。わかったな…えぇと…艦長さんよぉ!」
「…肝に銘じよう」
お願いだから反乱なんかしないでね。俺ホワイトな提督目指すから!
「……」
そして大淀さんは何で笑いを堪えるように俯いているのでせうか?
…嘘。
あらやだ…。
これは早急にお話し合いをしなければ…いかんのではないのか。
まずは話し合い大事だと思うの。
あぁカモメが飛んでる…。俺も今飛んで逃げたい…。
最近増えたなぁ…瑞雲。
波へ…長波様の浴衣姿が可愛すぎて生きるのが辛い。
ダイナマイト漁は水産資源法で禁止されてますからやってはいけませんよ?