提督(笑)、頑張ります。   作:ピロシキィ

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遅くなり申した。


提督(笑)と大淀と

 

大淀は休憩室に駆け込みバクバクと高鳴る鼓動を抑え、壁に背を預けて何度も深呼吸をする。

 

「ふひっ」

 

乙女が人前で出してはいけない声を抑えることも出来ずに…いや抑えようとしたからこその声か。

それが口元を抑えた手の間から漏れる。

幸いだったのはそれを聞く者が誰もいなかった事。

平然を保とうとすればするほどに先ほど提督がポツリとつぶやいた言葉が過ぎり顔に熱がこもる。

 

『大淀に夜這いだな』

 

冷静な部分では、自分が居た事に気づかれそして揶揄われたと思うのだが、

人の身に、女性になった部分が、そうは思ってももし本当に提督が…私を求めて来たら…と囁く。

 

「ぬふっ」

 

と再び人前では出してはいけない声が漏れる。

艦娘達にとって彼はあまりにも大きな存在であった。

大将がしばらくの猶予を求めるのも納得である。

もし彼の存在を知られたなら、彼のもとに馳せ参じる者が殺到するだろう。

そうなったら海軍は大混乱に陥る。下手をしたら提督の意思を無視して反乱が起こってもおかしくない。

それほど多くの者たちを救い、あの戦争後期の絶望的な時期に精神的支柱であった存在なのだ。

そして自身も参加した最期の戦いで絶望を覆してしまった、まさに戦神。

本人は

 

『俺はそんな大した者じゃない。神と呼ばれる人間は…一体誰に祈ればいいんだ』

 

と言っていた艦時代に聞いた言葉。

提督もきっと誰かに縋りたかったに違いない。それでも誰に縋ることも無く事を成した、誰よりも強い人物。

一部では神格化されている、そんな存在なのだ。

 

もしその人に求められたら…と。少なくとも、あのとき指揮下にいた艦娘なら喜んで受け入れる。

少しでもそれで提督の気持ちが楽になるなら…、そうやって自分を頼ってくれるなら…。

 

しかし、そうやって正当化することで気持ちを抑えようとしてもなかなか火照る体が治まらない。

 

大淀自身は提督に嫌われていると思っていた。

女性の体を得て初めて会った時に彼の持っていたバーベルを取り上げた。

自己鍛錬の邪魔をして自分の抑えることの出来ない気持ちを優先させた。確かに褒められたことではなかったかもしれない。

後になって悔やんだが、それでも自分にとっては想定外の嬉しい再会だったのだ。

彼は一瞬、驚いた顔をした後に『大淀か』と一言だけ。後は何も言わない。

もともと口数は少ない人であったが、もっと何か言ってくれてもいいのではないかと思った。

名前を呼ばれただけで歓喜した自分が居た堪れないと。

 

その後も彼はあまりにも自分に対して無関心ではないかと。

最低限の受け答えだけ。なにか自分に粗相があったのだろうかと。

確かに最初の鍛錬を邪魔した出会い方は悪かったが、だけどそれだけじゃないはずだと大淀なりに必死に考えた。

そして思い当たる節があった。

 

あの最期の戦い。

 

夜が明け、嵐が過ぎ去り敵艦隊の反攻も強くなりつつあった時、金剛より再三に渡り下った『離脱セヨ』の命令を無視して戦域にとどまり続けた。

提督の的確な砲撃指示を通して敵空母群には壊滅的な被害を与えていた。

それだけでもその時点で日本にとって夢のような大勝利と言えた。しかし、あのとき離脱すれば提督は必ず殿を務めたはずである。

いや、殿というよりは金剛だけを囮として残して艦隊を撤退させようとしていたのだろう。

『とんだくわせもんだ。撤退命令は無視しろ。次の砲雷撃の指示をよこせと伝えろ』といった艦長の言葉。

大淀自身が命令無視したわけではないが、もしあのとき今のような実体を持っていたとしても大淀自身命令を無視したであろう。

離脱すれば提督の艦隊指揮に対して負担は減る。だけど、貴方はどうなるのだ? 

数々の海戦で生き残ってきた貴方でもこの数の敵では…。それがその時に艦隊にいた艦の乗員の意見の大半だったはずだと大淀は思っている。

それでも命令違反をして沈んでしまった自分を快く思っていないのではと考えたのだ。

 

当時、大淀がなぜ艦隊に組み込まれたのか、大淀艦長が提督の同期であったというのも大きいが優秀な通信設備を有していたからという理由もあった。

あの時、提督からの命令を他の艦へと正確に伝えるべく大淀が選ばれたのだ。

 

ならば、名誉挽回すべく提督に忠実であろうと。

 

その後、以前にも増して提督の言葉を聞き逃さないように、口数の少ない提督の言葉から真意を読み取れるように。

なるべく近くで、何時でも何に対しても対応できるようにと努力を重ねてきた。

相変わらずこちらをあまり見てはくださらないけど、短い間でうまくやってきたという自信はあった。

この艦の命名の時だって気配りして提督の本意を汲んだ筈だし、聞かれるかもしれないと思った物はあらかじめ予習してすぐに答えられるようにしていた。

ただ、誤算だったのは提督の優秀さ。タブレットも艦も一度の説明ですぐさま把握してしまわれた。

だから、提督はあまり大淀を頼らなかった。

 

それでも何か質問される度に、感謝の言葉を頂く度に、込み上げる感情を押し殺しながら今日まで来たのだ。

今思えば、『やはり時代は航空戦艦か』という言葉もそんな自分を気遣っての提督なりの洒落だったのかもしれない。

 

何故、あそこで私は何も言えなかったんだと大淀はとんでもない方向に反省しているが、一先ずそれは置いておく。

 

そして昼間、漁師たちとのやり取りの時、臀部を触られ思わず握りしめた拳を提督の一言で止められ、喧嘩し始めた老人たちを避けるために提督の背中に隠れてしまった。

 

色々なモノを背負ってきた大きい背中。

 

伸びそうになる手を必死に抑えていた。

 

そんな折に、漁師の一人が提督へと敵意に似た何かを向け、提督を守ろうとしたが手で制された。

 

前に出ようとした体を止めようと思わず伸びてしまった手は提督の腕に。

 

その瞬間、全身に電流が走った。

 

提督との繋がりを然りと感じる。

 

そうです。私は長野艦隊の大淀なんです。

 

艦娘である私を守ろうとする貴方に、指揮下に置いてくれた貴方に、反乱なんか起こすわけがない。

それよりも爆発しそうになる歓喜を抑える事がこんなに苦しいことだとは思わなかった。

 

 

 

 

大淀にとって特別な日となったその日の夜に『大淀に夜這いだな』と提督が呟いたのだ。

それはもう乙女心が揺れて奇声も漏れるというものである。

 

「オオヨド テートク ヨンデル カンチョウシツ」

 

何故かボロボロになっている妖精さんにより回想を終える大淀。

そして。妖精さんの言葉に再び頭が沸騰しそうになった。

 

「…わかりました。申し訳ありませんが少しお時間を頂きます。ですが、なるべく迅速に伺いますとお伝え下さい」

 

そして足早にシャワーを浴びに向かう。鼻から赤いものが垂れていたが本人は気付かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず船内に戻り自分の部屋、艦長室の前に至る。

 

「……」

 

えーと、何だろうコレ? 扉の前で此方に向けて軽快なステップを踏み、ジャブを放っている妖精さんが一匹? 一人?

妖精さんの単位は何だろうかと場違いな事を考えながらも、しばし観察する。

 

「シュッ シュッ」

 

風切り音を自ら発して、…これは威嚇されているのだろうか?

これまでそのようなことは一度も無かった。

どちらかというとトラブルには巻き込んでくるが好意的な態度だったように思えるが…。

よく見ればこの妖精さん、校長先生の酒を盗み出し、俺の事をボスと呼ぶ妖精さんではないか。

 

「……(私に対しての威嚇のようです)」

 

肩に乗るミック先生妖精ver。略してミック先精…読み方一緒だからもうミック先生でいいや。

は、肩から飛び降りて腰に差したネギを抜く。

 

「……(訂正を求めます。九条ネギです)」

 

え? そこ? 何か譲れないアイデンティティーがあるのかい?

いやいや、それよりもなぜに威嚇されてる訳?

 

「オウ オウ オウ」

 

どこぞの駆逐艦のような奇声を上げてめっちゃ威嚇してる妖精さん。

 

「……(序列を決めたいようです)」

 

序列って…妖精さん達の中にも序列があったのか。

会う妖精さんみんな仲良くやってるように見えたが、今度よく観察してみよう。

 

「オアイテ イタシマショウ」

 

え? その、物理的なお話し合いで上か下かを決めるのかい。ちょっと穏やかじゃないんですけど大丈夫か?

それより先生は戦えるの?

 

「……(神道葱陰流免許皆伝です)」

 

うちの家系に伝わる剣術の名前と微妙に被ってるんですがそれは…。

いや、もう深くはツッコまない事にして、

 

「無茶するなよ」

 

あんまりミックミックしちゃ駄目だよ?

 

「カシコマリ」

 

葱を振って答えるミック先生。

 

「ヒョー ヒョー ヒョー」

 

荒ぶる鷹のポーズで答える酒好き妖精さん

 

「終ったら大淀を呼んでくれ」

 

「カシコマリ」

 

「カシコマリ」

 

そういうところは仲いいんだ。まぁじゃあ頼んだ。

俺氏は艦長室で一息つくよ。

 

 

 

 

「提督。大淀参りました」

 

しばらくして大淀さんの声が扉の前から聞こえてくる。

 

ついに来たか…。

 

深呼吸を一つして、

 

「…入れ」

 

「失礼します」

 

大淀さんが入室してくる。

ちょっと気になるのが、大淀さんが扉を開けた時に通路のほうから「奴は四天王の中で最弱」とか「馬鹿な! この私を踏み台にっ!?」とか聞こえてくる声なんだけど…。

 

「…通路が騒がしいようだが?」

 

「妖精さん達が戯れているようで」

 

ちょっとミック先生なにしてるんですかね?

 

──大丈夫だ。問題ない。

 

おいっ!?

 

──私に敗北という言葉はありません。

 

俺が欲しい答えじゃないからっ!? 何が起きてるのかくやしく説明!

 

──序列争いも終盤に差し掛かっています。悔しいです。

 

まさかの棒読み。ネタぶっこんだ俺も悪いが、全く悔しそうじゃないね!?

いや、もういい。そっちに構ってると頭の中カオスになりそうだ。

 

「…提督?」

 

「あぁすまん。かけてくれ」

 

「…はい。…失礼します」

 

大淀さん思索に耽た後に腰掛けた。

 

 

 

…ベッドに。

 

 

 

うん? なんで?

 

いや、そもそも艦長室にベッドがある事自体おかしいんだけどさ…。

そりゃまぁ人間は基本的に一人しか乗らんからって理由とかもあるんだろうけどさ、

だけどなんでそこをチョイスしたのかな!? おっさんそこの所聞きたいです。

 

「……」

 

「……」

 

もしかして…、聞かれたのか…。

 

夜這いと言った件を。

 

おいおい、どうすんの? 

 

大淀さんと目が合う。

 

なにその覚悟は完了してます的な決意の籠った瞳は!?

 

やらないよ!? やらないからな! やりたいけれども!

 

謎の三段活用が出来ました。って馬鹿か俺は! あぁ馬鹿だった。

 

えっとどうすんだ? この状況。

ていうか、そもそも何で夜這いを受け入れる方向なのよ?

君は俺の事嫌いなんじゃないのかい?

 

俺が何か質問するたびに頬を引き攣らせていたよね? 内心話しかけんなボケェとか思ってたんじゃないの?

もう意味が分からないよ…。

 

そうだ! こういう時こそミック先生っ!

 

──恐れ入りますが現在取り込み中です。時間を置いてから再度、お問い合わせ下さい。

 

おおいっ! 24時間何時でも何処でも対応って言ったのは誰だ!?

 

──恐れ入りますが現在取り込み中です。時間を置いてから再度、お問い合わせ下さい。

 

使えねぇなヲイッ!

 

「……」

 

「……」

 

大淀さんと見つめ合う。

今俺が腰掛けている執務机があって、その前にソファーとテーブルがあってさらに奥にベッド。

大丈夫だ。この距離なら何か問題が起こる事はあるまい。

 

「……」

 

ならば、逆に良かったのか? 判断に迷うところではあるけど。

 

「…あの、提督。…明かりは消して頂けると…」

 

君は何を言っちゃってるの…。

駄目だ、このままじゃ話が進みそうもないというか変な方向に行きそうだ…仕方ないが、

 

「…大淀。こっちに腰掛けろ」

 

「…て、提督! さ、さすがに初めてでそれは…いえ! 決して嫌なわけではなくて…」

 

「…お前は何を言っている?」

 

「ですから椅子に座る提督に跨ってするそういう…」

 

大淀さん!? それ以上はいけない!

 

「大淀。少し話したいことがある。そこのソファーに腰掛けてくれないか」

 

「え?」

 

「なんだ?」

 

「え、えっと、その、よ、よば…夜伽では…」

 

「…やはり聞いていたか」

 

あのとき物陰で潜んでたのかたまたま出くわしたかは知らないけど、冗談で言ったんだよ…。

そもそも夜這いなら俺が大淀さんの所に行かにゃならんだろ…。

俺にはそんな根性ないんだよ。

 

「あの…提督」

 

一度、眼頭に手を当て深く息を吸う。

 

「そんな事はしない。させる気も無いから安心しろ」

 

気持ちはキリッとした顔を大淀さんに向ける。多分いつも通りの仏頂面だと思うけど…。

 

「そ…そう。…ですか」

 

安心したのか何なのか知らんがソファーに深く座り込む大淀さん。俯いて表情は見えないけど口元がモゴモゴと何やら動いている。

大体君は俺の指揮下にすら入ってないじゃないか。いや指揮下にいる娘さんになら手を出していいという事でもないけど。

 

──昼間の段階で指揮下に入った模様。

 

「あぁ?」

 

序列争いは終ったのかミック先生…。

いやいやそれよりいつの間に大淀さんが指揮下に…?

てかイマイチ指揮下に入る時の条件が分からんのだけど。あと俺に対する負担って奴の条件も。

 

──艦娘達の意思と貴方への接触により繋がりを確認。負担に関しては艦の時の排水量によるところが一般的には大きいようです。

 

待て待て、接触って言ったってメロンちゃんは…膝枕。お艦は…抱き枕。有明の女帝は襲撃された時にマシュマロクッション。

ヒェーは苺呼ばわりしたから頭掴んだか…。浜さん磯さん谷さんの駆逐トリオは出会い頭に握手してましたね…。

おうけー見事に接触しているわ。

 

だけど大淀さんは…?

 

漁師の爺さんたちが喧嘩してた時に後ろに隠れた時か…。

 

お、おう…。大淀さん俺の腕掴んどったね…。

 

──ヨッ! 艦娘ホイホイ。ちなみに負担が無かったのは貴方には特殊条件がある模様。

 

変な二つ名つけるの止めてくれませんかねぇ!? ってなんだよ特殊条件ってさ!

 

──恐れ入りますが現在取り込み中です。時間を置いてから再度、お問い合わせ下さい。

 

おいぃぃ! 都合が悪くなるとそれか! 説明せいやっ!

 

「し、失礼しました」

 

背をシャキッと伸ばして姿勢よく座りなおす大淀さん。急にどうした?

とりあえず、艦娘達を指揮下云々は置いておこう。さて、それじゃあちょっと真面目にお話ししましょうか。

 

一つ深呼吸して口を開く。

 

「…大淀。俺が憎いか? 恨んでいるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…大淀。俺が憎いか? 恨んでいるか?」

 

真っ直ぐ見つめる瞳。先ほどまでの空気が一瞬にして変わる。

嘘も誤魔化しも許さないと正直に答えろとその瞳は物語っているようであった。

歴戦の勇士たる男は何故自分にその様な事を聞くのか?

 

大淀は息が詰まったが、少し前の事を思い出す。

『救えたもの…救えなかったもの…。天秤にかけたらどちらに傾くのか…』

風に乗って大淀の耳に届いたその言葉はその時、確かに胸を締め付けていた。

何と言って言葉をかければいいか分らない。違う。いろんな言葉が溢れだしてそれを整理する為に動けなかった。

貴方は多くを救ったではないか。最後の最後まで諦めずに足掻いて事を成したではないか。

少なくとも私は貴方を恨んだり憎んだりしてなどいない。貴方に再び会えて本当に嬉しかったと。

 

ただ、その後の発言ですべてすっ飛んでしまったが。

 

だから、今一度あの時思った言葉を口にしよう。

 

「提督。私、大淀は提督の指揮下でまた戦えることを嬉しく思います。例え誰かが何か言おうとも全てを敵に回しても私は貴方に従います。

大丈夫ですよ、長野艦隊は最強なんですから」

 

得意そうな顔を浮かべる大淀に困ったような笑みを浮かべる提督であった。

 

 

 

 

 

そのまま大淀が長野指揮下に入り、大本営に帰還拒否して大将の胃を痛めさせるのはまた後日の話。

 

 

 

日が西に傾いた頃ようやく父島警備府に到着しました。

うちの配下の艦娘達は艤装の整備と補給の為にそういう施設に。

途中、軍関係者の詰め所みたいなところに寄ってきて挨拶してきたんだけど、なかなかの歓迎ぶり。

一応佐官の俺にその詰め所の代表の大尉さんが挨拶してくれたのだけど、それ以外の部下達は我関せずだ。

普通、立ち上がって敬礼を一度くらいするんじゃなかろうかとも思ったが、俺も人の事言えるほど態度良くない事に気づき黙った。

でもなんか嫌な感じがするんだよなぁ。

 

まぁ追々やっていこうと気を改めて警備府の建物内に入り、提督執務室前。

これからここが俺の職場かぁと扉を開けようとしたところ事件は起こった。

俺の頬を掠めて扉に刺さる刀のようなモノ。

 

振り返れば、

 

「ヨウっ! アンタが新しい提督か。オレの名は天龍…。…フフ…怖わっ…わわわわ」

 

中二病患って眼帯付けた世界水準軽く超えてる軽巡娘さんが居た。

 

 

 

 





秋刀魚

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