提督(笑)、頑張ります。   作:ピロシキィ

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さーせん。沖波堀に嵌ってました。


提督(笑)とそれぞれの夜

大企業の社長室で、父と娘がすれ違った認識を起こした頃より時間は少し遡る。

 

父島警備府の提督執務室。

 

「…ふぅむ」

 

南鳥島攻略に向けて準備を進めているわけだが、大麻畑の方はユーリエちゃんからの連絡待ち。

しばらくかかりそうなので、とりあえず今は出来る事がない。

そこで今日はお艦に艦載機の開発を頼んでみた。

 

結果、零戦二一型。

 

執務机の上に置かれたラジコン飛行機程のソレを撫でながら思う。

いやぁ、艦これ的には能力はイマイチなんだけど、決して悪い機体ではないのだ。

史実では最後の方まで一部で使われてたし、航続距離はとてつもなく長いし、歴戦のパイロットが乗ればそれなりに活躍できる。

この世界でも、前半は無敵を誇ってたし、ドゥーリトルの時はコイツに乗って敵艦隊を発見したんだから俺も思い入れはある。

 

まぁそれでも1000馬力のエンジンでは限界があるのだよ。

徐々に優位性を欠いて…ってな具合だ。

出撃時は今、お艦が装備している三二型の方がええよなぁ。

 

そういや、この世界の一航戦の二人はゲーム通り、赤城は大食いキャラで、加賀さんは無表情の感情豊かなキャラなのだろうか?

赤城は兎も角、加賀は艦時代の記憶から、もしかすると俺の事怖がったり…ないな。

今まで出会って来た艦娘達はおおよそゲーム通り…だよな? でも、鹿島は最初なんか俺見て怯えてたっけか…。

 

「…ふぅむ」

 

まぁ、そんな事考えても詮無き事か。とりあえず空母艦娘がもう一人欲しいところだな。

ただし、今現在燃料が全力出撃一回分くらいしかないのだけど。

 

「…ふぁぁ」

 

…ちょいと眠い。1時か。

流石にもうみんな寝たよな?

時計の針が天辺指すころまでは秘書艦として大淀さんがいたのだけど、流石に下がらせた。

最近は秘書艦を交代制にしようと色んな娘さんが言ってきているので、それもどうにかしないとなぁ。

俺的にはお艦固定で良かったんだけど、厨房の件もあるしそういう訳に行かないからなぁ。

大淀さんが頑なに拒んでいるけど、彼女にも休息は必要だろうから、交代制を取る事はこの際仕方ないか…。

ただ、駆逐艦に秘書艦が務まるのだろうか…。特に時津風とか島風とか…。

…とてつもなく不安である。

あと、警備府の風紀の引き締めもしないとなぁ。

なんでヒェーはいつも俺の部屋で寝てるんだろうか?

「はっ!? 寝てません寝てませんよ!?」じゃないんだよ寝てんだろうが…。

あの寝苦しい夜の次の日くらいからだな。部屋に入ると俺の布団でお休みになられている。

あまりにも気持ちよさそうに寝ていたものだから、その時は鼻をつまんで口を押えてやった。

 

…あの時の怒った顔はちょっと面白可愛かった。

 

っと、いかんいかん。思考があちこちに脱線するな。

 

引き出しを開けて小さな瓶に入った琥珀色の液体を気付け代わりに一口。

この警備府の倉庫の奥の方で眠っていたウィスキーの瓶。見つけた時は超嬉しかった。

こうやってちょっとづつチビチビ飲んでいる。毎晩の密かな楽しみである。

 

さぁて、南鳥島攻略計画でも練るとするかぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加賀に艦長として着任してはや数日。

 

おかしい…。前任者が風紀の引き締めを図っていたはずだが、荒れている。

航空機搭乗員の態度がでかく、機関科の連中を下に見ているものが多く、食糧庫から銀蠅する者も多い。

芸者を呼び込んで乱痴気騒ぎをしていないだけマシと考えるべきか…?

しかし何でだ? 大改修を終えて居住性は大分マシになったはずなんだが…。

そこから来る鬱憤て訳じゃないだろう…。

艦政本部にも出向かなければならんから加賀に付きっ切りて訳にはいかんぞ?

 

どうする? ミック先生なんかいい考えない?

 

──強い者には従う風潮があるようです。

 

…あぁうん、帝国海軍の中でも実戦経験豊かな艦だもんな。脳筋が多いって事かな…?

後に一航戦のヤバい方とか言われちゃうもんね。

まぁ実際に開戦時の練度で言えばナンバーワンだったろうよ。

その自負が今の時期から加賀の人員にはあるのだろう。間違ってはいないがそれで増長するのはいただけない。

 

…今度問題行動を起こした奴見つけたら全員、飛行甲板から叩き落して陸地まで泳がせるか…。11月の海だ。流石に頭冷えるだろう。

そんでもって悪さする体力も奪っちゃえば大人しくなるんでね?

 

文句言ってきたら理由は「諸君は精鋭で簡単に死ぬことは許されない」とか、もし沈没しそうになった時の脱出訓練とかにしとけばいいんじゃないか?

特に空母の航空機搭乗員は育成に時間がかかるからな。アメさんとの戦争が現実味を帯びてきたから本当に僅かでも生き残る可能性を増やすという意味ではいい訓練だな。

 

但し、これをやるには問題点が一つ。

 

俺が率先してやらなければならん。

で、誰よりも一番速く泳ぎ切ってドヤァ顔で「君達のせいで私の貴重な時間が失われた」とか言ってやらなきゃならんのだ。

 

マジかよ…。考えた奴も相当な脳筋だなって俺か…はは…マジか。

 

 

 

これ本当に何度かやったんだよな…。マジできつかったわ。

 

それでも納得できないパイロットの方々が数名いらっしゃって、ならお前らの土俵で戦ったる。

身分も何もかもないから掛かってこいやぁ! って挑発に乗ってしまった。

そして模擬戦を行う事になるのだが、相手より先に発艦して、飛び立つ前の相手に模擬弾ぶち込んでやったんだっけ。

皆、超怒ってたな。卑怯だとか意気地なしだとか、戦争に卑怯も糞もあるかと逆ギレして引かせたのは良い思い出だ。

その後、ちゃんと模擬戦して1対3で勝ってからは皆大人しくなったけど、馬鹿めミック先生搭載の弾道回避コースの分かる俺に死角などないのだ。

ただちょっとやりすぎた感はあったので、艦内に目安箱を設置して、文句あるなら聞いてやるからここに出せって対応取ったけども。

で、何度か腹割って話し合ったと思うのだけれども…。

 

それでも戦闘機乗りの皆さんは俺に何か思うところがあったらしい。

 

あれは空母に中型爆撃機乗せて東京空襲を企むアメさんが来た時だ。

長官を説得して艦隊を編成し、小笠原諸島の父島の東に無線封鎖して展開。

あの時の長官の困った顔はちょっと面白かった。

特に加賀を持っていくと言ったらすげぇ渋い顔されたんだよなぁ。

 

そんなこんなでドゥーリトル空襲の折、加賀に参謀として舞い戻った俺は、

航空本部勤務時代に一緒に働いていた艦長さんに、敵見つけて来るから艦載機貸してと言って零戦二一型を借り受ける。

 

「え? 参謀自ら? 頭おかしいんじゃないの?」

 

とか言われたけど、気にしたら負けだと思う。陸軍の丸眼鏡参謀の方が可笑しいと思うし。

ついでに艦隊に東への移動を開始させる。

そこでミック先生の予想位置どおりに敵機動部隊を発見するわけだけど、

 

…まぁ、敵の戦闘機に追い掛け回されるわけです。

 

逃げ回って、逃げ回って、超逃げ回って、戦闘機を振り切る為に敵の艦隊の真ん中に突っ込んでホーネットに一機残っていて飛び立とうとした爆撃機と艦橋に20mmぶち込んでみたりと、

我ながらよく生きていたなと思う機動をして踏ん張ってた。

20mmぶち込んだ爆撃機は煙吐きながらも飛んで行ってしまった。

本土防空隊に爆撃機は丸投げせざるを得なかったんだよな。

 

そろそろ帰る燃料も危なくなってきたころに、ようやく味方の航空機が続々やってくる。

相変わらず、野良猫共に追い掛け回される鼠の図をやっている俺は正直、助かったと思った…ら、無線が入ってきて、

 

『援護は必要ですか?』

 

「見ての通りだ」

 

だから助けてくれと願う訳だ。

 

『了解』

 

おっしゃ助かった! と思ったら、全然違う方向に行きやがんの!

待て、そっちじゃない! まずは俺を助けてください。

という願いも通じず、だが、俺を追い掛け回してた野良猫が何匹か向こうに行ったんで、これ幸いにバレルロールを決めて一機落としてトンズラした。

加賀にたどり着く前に燃料切れで着水してしまったので、見える位置まで来ていた加賀に迎えに来てもらった、締まらない格好だったな。

そして加賀の戦闘機の搭乗員の皆さんはこんな形で俺に意趣返ししなくてもいいじゃんと徐々に沈みゆく零戦の上で一服しながら思ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁっ! くっ! なんなんだくそっ!」

 

しばらく前から顔を赤くしたり、ゴロゴロと横たわるベッドの上で転がり、時折落ちるを繰り返す天龍。

その様子を同室の龍田は面白そうに観察をしている。

天龍自身は隠せていると思っているが、声も丸聞こえだし、身悶える姿も誰が見ても「どうした?」と思わずに居られない。

だが、そこが愛しいと思える龍田である。

このまま挙動不審な天龍を見ていても飽きることは無いだろうと思う一方で、何故このような状態になったのかは聞いてみたくもある龍田である。

言葉こそ男勝りな物だが、根は面倒見のいいお姉さんなのである。

駆逐艦の娘や他の艦娘と何かあったという訳でもないだろう…薄々…大方は新しく着任して来たあの提督のせいだろうとも予想している。

 

「どーしたの天龍ちゃん?」

 

「…いや、なんでもねぇ」

 

そんな訳はない。

 

「さっきから何度ベッドから落ちれば気が済むのかしら」

 

「…き、気付いていたのか龍田」

 

あれを気づかれていないと思う方が余程のアh…大物である。

だが、そんな彼女がとても愛しいのである。

正に愛するべき、ば…姉なのだ。

 

「さっきからずーっと、ずーっと見てたもの」

 

かれこれ一時間は観測していた龍田である。

 

「なら早く声かけろよ! あぁとんだ醜態晒しちまったぜ…」

 

大丈夫、それは貴女の魅力の一つだからという言葉を飲み込んで、本題へと移ることにした龍田。

 

「提督と何かあったの~?」

 

いつも通り間延びした言葉で問いかければ、

 

「べ、別に何もねぇ…よ?」

 

なんとも分かりやすい反応をする。

目が泳いで、吹けもしない口笛を吹こうとする。

 

「ふぅ~ん。そう、なにもない。ふぅ~んそうなんだ~」

 

ニコニコとした顔の龍田の顔を見てさらに目が泳ぎだす天龍。

こうなると後は、天龍が耐えられなくなり洗いざらい吐くという事になるのが二人の間での黄金パターンである。

今回もその例に漏れず、全て吐かされることになるのである。

 

「て、提督と繋がった」

 

つまり、提督の指揮下に入ったという事である。

この姉妹、提督と初見での一件以来、常に提督に対しては真摯な態度をとって来た。

艦娘という新たな体を得たことで自分の戦没以降の情報も手に取ることが出来た。

そこで改めて知る提督の異常な程の戦勲と戦後、この国の彼に対する仕打ち。

だからこそ、偽物が現れた時に怒りがこみ上げてきて危うく殺しかけた。

そして、軍からは問題児扱いされてこの前線の島に送られ、戦い続けてきたのだ。

その中で、自分たちと同じように島流しにあう艦娘達と非友好的な人間たち。

 

「へぇ~。そう、繋がったのねぇ~」

 

また懲りずに名を騙る偽物が現れたと思ってたら今度は本物がやってきたのである。

艦娘達によっては程度の差こそあれど、彼と関わりのあった者、特に戦争末期を知る者にとって提督の存在は極めて大きい物だった。

 

この提督の下でならと天龍も龍田もそういう思いがあった。

それを先に天龍が、というのが龍田にとっては少し気に入らない。

 

「提督に剣を突き付けた天龍ちゃんが~。天龍ちゃんの為に一緒に謝ってあげた私より先にぃ~。ふ~ん、そう」

 

「いや、た、龍田。アレは…そう不可抗力って奴だ。て、提督が俺の頭の艤装をいきなり掴んで…」

 

「へぇ~。そうなのぉ~?」

 

「あ、いや、だから、お前今なんかちょっと怖いぞ」

 

「え~そんな事ないよ~? その時の状況詳しく聞きたいなぁ~?」

 

「お、おい何でにじり寄ってくるんだよ…」

 

「うふふ」

 

ビビりまくる天龍にとても良い笑顔で近づく龍田。

天龍型姉妹の夜はこうして更けていくのである。

 

 

 

後日、提督の指揮下に置いてくれと頼みに行った際、頭上の輪っかの艤装を撫でまわされて赤面する龍田である。

 

この時、ひゃっほーい! パ〇ックを合法的かつ手を切り落とされる心配もなく触るチャンスじゃー!

と妙にハイテンションになっていた男の嬉しいという気持ちが龍田に流れるわけであるが。

時折、刹那的に生きる男と、乙女と戦船の心を持つ艦娘との間に全く違う感情が生じるのは仕方のない事なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天龍たちが戯れている一方、父島警備府所属の艦娘達も割り当てられた部屋でどこも同じような状態であった。

 

「納得いかない!」

 

「私にそう言われましても」

 

「そうですね。私もそろそろ提督にお夜食作りたいのですけど」

 

夕張が吼え、鹿島と鳳翔は困り顔である。

事の発端は提督が駆逐艦娘達に甘いというのが夕張の認識であり、どうにか出来ないかというのが議題であるらしい。

 

「だってズルいじゃないですか! なんで私には肩車してくれないんですか!」

 

卓袱台をパンパンと叩く、自称長野提督が愛した艦。

いやいや、それは間違ってないだろうかと思う鹿島と鳳翔。

 

「それに比叡さんと駆逐艦達が一緒に寝たって…くぅ! なんて羨ましい!」

 

「夕張さん、完全に本音が出てますよ? 確かに羨ましいですけど…あぁ提督さん…いけませんよこんな所で」

 

その言葉の後に何故か体をクネクネさせる違う世界で栄養ドリンクをバカ売れさせた練習巡洋艦。

大分妄想力が豊からしい。

 

「まぁまぁ、比叡さんは兎も角、他の子達はしばらくは甘えさせてあげてください」

 

夏ですから…。と続ける鳳翔のその言葉に夕張も鹿島も納得せざるを得ない。

ここの所属の艦娘達は一人を除いて特に提督と関わりが深い者達なのだ。季節柄と今まで艦娘として過ごした時間。

不安になるのは仕方ないと納得するのである。

提督が関わらなければ教官をやってた彼女たちは基本的に優秀なのだ。

そして、鳳翔はさらに初風が疎外感を味わっているのではないかと一歩先まで見据えているのである。

やはり彼女は艦隊のおかんなのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、提督の私室にて

 

「んぅ… はっ! 何ですか!? 寝てません! 寝てませんてばぁーっ!」

 

「何故、提督のお部屋に比叡さんがまた(・・)寝ていらっしゃるのでしょうか?」

 

自分が提督の部屋に訪れた事は棚に上げる大淀と、微睡みから覚めて司令だと思ったら冷たい眼光で見下ろしてくる大淀に焦る比叡。

お前が言うなという返しは思いつかない。

そもそも比叡が何故このような事をしているかといえばすべては姉の為である。

もし万が一に他の娘達とナニカが有ったら姉に合わせる顔がない、と彼女なりに考えた結果が司令の監視である。

彼女なりに考えた結果の行動なのである。それが良いか悪いかは別として…。

 

「ズバリ監視です!」

 

「…そうですか」

 

「え、ちょっ待ってくだ…グエッ…私にはやらなければならない事がぁぁーー!」

 

そして、この日より大淀に引きずられて提督の部屋から追い出されるという習慣が出来るのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、浦風を欠いた17駆の部屋では、

 

「どうだ? この艶、磯風に相応しかろう」

 

それまで、最低限の身だしなみにしか気を付けなかった磯風が、髪の手入れや肌の手入れにも気を遣うようになった。

そして、何かにつけて自慢する姿に

 

「はいはい綺麗ですよ」

 

「んだんだ」

 

適当に相槌を打つ浜風と谷風である。二人は大人の対応である。

それにはそれぞれ理由がある。

浜風はたまたま提督と二人きりになったときに、

 

「何故片目を隠すのか?」

 

「特に理由はありませんが…」

 

と答え、

 

「澄み切った空のような瞳だ。勿体無い」

 

と言われていたりする。

 

実際は、何で片目隠してん? と気になってたこと尋ねたら理由ないという事で会話終了!

 

そうっすか…両目出てた方が見やすくね? せっかくきれいな瞳なんやし…。

 

と心の中で思ってたことが口に出ていたのである。

 

谷風はホームセンターで一緒に買い物したり、その時に昼飯を奢ってもらったり、

この警備府に来てからもその時買った品どこだっけ? と聞かれて一緒に探したりとそれなりに提督と接しているのである。

そういう事で二人は大人の対応な訳である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふぁっ!?」

 

意識落ちてたわ…。椅子の上で背筋を伸ばして一息つく。

 

凝り固まってた体を解しながら机の上の懐中時計を見やれば3時を過ぎた頃。

 

作戦計画を立てた後に気が緩んで寝落ちしたのか…。

 

で、どうよこの計画?

 

──貴方が推し進めるのであれば私に異存はありません。

 

そうじゃなくてさ、もっとこう…なんかあるだろ?

 

──成功するように全力でサポートさせていただきます。

 

そうっすか…。

 

「しれー」

 

扉が開き、そこから現れたるは犬の着ぐるみみたいなパジャマ姿の時津風。

 

「…どうした? こんな夜更けに」

 

「しれー、寝ないの?」

 

「もう休む。時津風も部屋に戻って休め」

 

「……」

 

トコトコと近づいてくる時津風。俺と机の間を無理やり開けて膝の上に収まった。

 

うん? なぁにこの状況?

 

「しれぇ」

 

「…なんだ?」

 

「もう時津風をおいてったら駄目だかんね」

 

おいていくって…艦時代の事を言っているのなら先に沈んだのは君だろう。

せっかく、北進させて生き残れる可能性高めたのに戻ってきてしまってさ…。

目の前で壮絶な死を見せられた俺の気持ちにもなってほしいのだけれど…。

 

さぁ、この世界で頑張ると決めた以上、どうやって彼女たちの気持ちを受け止めればいいのか。

これは本当に作戦前に皆とじっくり話し合わないとなぁ…。

 

膝の上で机にいるミック先生の頭を叩いている時津風を見ながら、そう思うのである。




ようやく大和がうちの鎮守府に着任してくれました。
すこぶる燃費が悪いですね。禿げそうです。

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