提督(笑)、頑張ります。   作:ピロシキィ

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もう二度と次回予告はしない。



提督(笑)の高度な戦術

 流れる雲と青い空に大海原。

太陽はさんさんと日差しを運び、容赦なく気温を上げていく。

 

「むっき~~~っ!!」

 

水上で地団駄を踏む、駆逐艦の様な軽空母の艦娘が一人。

気温と共に彼女のボルテージも上昇している。

 

「龍驤さん、どうしたの?」

 

頭部のアホ毛を潮風に弄ばれながら、龍驤の護衛役であるもう一人の艦娘に清霜は問いかけた。

 

「…知らないわよ」

 

清霜に問いかけられた艦娘、霞は周囲の警戒を怠らずに答える。

太平洋戦争勃発前からあの天一号作戦までを生き残り、帝国海軍の栄枯盛衰を間近で見続けた百戦錬磨の駆逐艦。

一瞬の気の緩みが取り返しのつかない状況を作ることを、身を持って知っているが故に海上では常に気を張っている。

 

「八代目か、うちや! これからうちは南鳥島に行くでっ!」

 

耳掛けタイプの通信機を通して龍驤が吼える。

通信相手は父島に訪れていた提督である。

父島で行われていた横流しと大麻栽培の件で、海軍内部の不正や不祥事を取り締まる機関である海軍監査局を動かし、それらの所属人員を乗せて父島に向かっていた所、今回の金剛達の暴走と南鳥島解放に出くわした提督の名は徳田宗義である。

事が事だけに父島には連絡を入れずに行動していた為、島に着いたら情報を流した本人とその指揮下の艦娘は誰一人居ないという間の悪さ。

さらに、一部の艦娘の暴走によって、なし崩し的に一時父島警備府を預かる事になった。

現在、彼は父島の不正の後始末に追われている。そこに龍驤一行が仮で指揮下に入っている状況だ。

ちなみに彼の事を八代目というのは龍驤の個人的な趣向である。

 

「ちょっとっ! 何言いだしてるのよっ!」

 

流石に聞き捨てならない龍驤の言葉に霞は食って掛かる。

 

「…男にはな、やらなあかん時があんねん…って誰が男じゃボケェ!」

 

「言ってないわよっ!」

 

遠い目をしたかと思ったら急にキレる龍驤にツッコミをいれる霞。

 

「ええか霞どん。売られた喧嘩は買う。それがうちのポリシーや」

 

拳を握り、南鳥島の方を睨み、その拳をそちらに向ける龍驤。

何故、彼女が憤っているのかというと、それは本土から飛んできた輸送機の護衛に艦載機を飛ばし、南鳥島にいる鳳翔の艦載機と護衛交代の時に起こった。

鳳翔隊の一機が見事な曲芸飛行を見せたので、負けてられぬと妖精さんに指示を出したはいいが相手に翻弄されて終った。

その事を翻弄されたとは言わずに、紙一重の拮抗した勝負だった、と霞へ語る龍驤。

 

「完全に私怨じゃない。そんなのに付き合ってられないわ」

 

「…うちはな、東洋艦隊を壊滅させた立役者やで。歴戦の空母やで? それを舐められたままで終れるかいな!」

 

「知らないわよそんな事っ! 行きたいなら一人で行きなさいな」

 

「見てみて、ウミガメ」

 

二人が言い合いをしている間に暇だったのか、清霜は両手でウミガメを掲げている。

 

「…亀か。あの日も今日みたいに暑い日やった…」

 

「ちょっと! 何を語りだしているのよ! 清霜は放してあげなさい」

 

「はーい」

 

素直に頷く清霜に溜息をつきながら、

 

「…ほんとに馬鹿ばっかり」

 

霞の呟いた言葉は青空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…あれはな、第二次ソロモンの少し後のことやった。うちらの艦隊はシンガポールに入港したんや。

艦隊の陣容はうちに陸奥さん、第二駆逐隊(村雨、五月雨、春雨)と第十六駆逐隊(時津風、天津風)。

夕張やんに龍田さん。それに五十鈴やんがシンガポールで合流や。

 

もともと龍田さんはな、予定にはいなかったんやけど、十八戦隊の司令はんが長野司令…あの時は参謀やったな。

いや、でも実質的には司令官やっとったか。とにかく長野司令に連れていけって直談判しよってついて来たんや。

艦長が言っとったで、井上司令が頭抱えてたって。

 

まぁともかく入港したんや。

陸奥さんは港には入らずに島影に隠れて洋上補給やったけどな。

ビッグセブンの一角が来たら、どこかの間者から通報が行くかもしれへんからな。

 

そいで陸奥さんに士官らが集まったんやけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陸奥 艦橋

 

 

 

「…さて、説明してもらいましょうか参謀?」

 

巨漢の男が一人の男へ問う。大きな体躯を持つ男の名は山口多聞少将。

第一航空戦隊の司令である。

飛龍は先のソロモン海戦で損傷した為、本土に回航されている。

さらに加賀もそろそろ復帰を果たすが、まだドックである。

ソロモン海戦で第一航空戦隊に臨時で入れられていた龍驤にいるのは何らおかしな話ではない。

とは本人の談である。長官が頭を抱えたのは言うまでもない。

 

「奥方にLoveLetterでも書いてろよ…」

 

山口に問われて虚空を見上げて呟いた男は長野壱業。

本人は内心で呟いたつもりであったが、がっつり聞こえている。

しかもラブレターの発音がそれはもう見事な発音である。

周りの将官たちは皆、顔が引き攣っている。

青筋を立てて掴みかからんばかりの山口を見て、拙いと思い龍驤の艦長である杉本 丑衛(すぎもと うしえ)大佐は口を開く。

 

「おい長野…参謀」

 

「…なんだ?」

 

視線をそちらに向ける長野。

 

「なんだでは無いだろう。今回の作戦について、我々は説明を求めている」

 

それに陸奥の艦長の山澄 貞次郎(やまずみていじろう)大佐が加わる。

そもそも艦隊の誰もが、一人を除いて今回の目的が定かになっていない。

先にもらった作戦書にはニューギニアのポートモレスビーに艦砲射撃を行うというものであった。

ならば、わざわざシンガポールまで来る必要性は薄い。

五十鈴がトラックに来た方が良いのだ。

 

「…我々の目的は豪州、ガーデン島軍港に艦砲射撃を行う事だ」

 

「ダーウィンではなくてか?」

 

気を取り直した山口の言葉に長野が続ける。

地図で見るならばガーデン島軍港はオーストラリア大陸の西海岸の真ん中あたり。

ダーウィン港は大陸の左上の角の辺りになる。

シンガポールから近いのはダーウィンである。

 

「ダーウィンは連日、我が軍の空襲を受けております。艦砲射撃による効果が薄いと考えております」

 

史実においては通算で真珠湾以上に太平洋戦争中、爆撃されまくる港である。

 

「…それは分かったが、けんど先の命令書は何故、ポートモレスビーぜよ?」

 

普段は標準言葉を心掛ける龍驤艦長の杉本も、海軍学校の同期が相手という事もあり、時折土佐言葉が混じる。

 

「セイロン沖で東洋艦隊の待ち伏せを受けた。暗号が漏れている…と私は考えている。

ポートモレスビーで動きを見定め、司令部はそれで判断するそうだ」

 

史実ではセイロン島沖での海戦は加賀の座礁により、東洋艦隊の待ち伏せに肩透かしを食らわせる結果となり、日本側が完勝する結果となった。

この世界においては長野が加賀を太平洋側に引っ張った事でタイムスケジュールを二転三転させ、同じ結果を生み出した。

 

長野は直属の上司である井上成美を通して、表向きポートモレスビーを攻撃と見せかけて、暗号漏れの有無の確認を。

実際は豪州本土に攻撃をしかけ、米国と豪州の戦略観点の相違を煽り、豪州の引き籠りを狙った作戦である。

 

「しかし、豪州に艦砲射撃か…」

 

感慨深く呟く陸奥艦長の山澄に対し、

 

「…出来れば東部を狙いたかったが、艦砲するにはグレートバリアリーフが邪魔過ぎる…それに…いやなんでもない」

 

大陸西部の軍港に対しての艦砲によってどれだけ豪州の動揺を誘えるか?

長野自身も懐疑的な部分もあったが言葉を飲み込む。

 

「それは西部とて同じことだろう。スマトラにジャワ島が蓋をしている。航路はマラッカ廻りだな?」

 

「いえ、最短航路でスンダ海峡を渡ります」

 

スンダ海峡はスマトラ島とジャワ島との間の海峡である。

マラッカ海峡からインド洋に出るのと比べれば格段に早い。

海峡通過はマラッカでもスンダでも地形的に危険を伴うが、制海権、潜水艦の存在を考えればマラッカを通過した方がこの当時まだ安全と言える。

 

「先頭は…天津風、私が乗り込み潜水艦の目は潰しましょう。陸奥、龍驤と以下軽巡、駆逐艦の順で」

 

戦前に艦長をした、乗り慣れた五十鈴にするべきかと迷ったが、爆雷がまだ装備されていない事に気づき天津風に。

 

「おんし、簡単に言うつろーが」

 

さらりととんでも発言しているので杉本が苦言を呈するが、山澄は先のソロモンでの馬鹿げた深夜の長距離狙撃を目にしているので見守る事にした。

陸奥、第二駆逐隊の士官たちも一緒である。

 

「全責任は私が取る」

 

その言葉で、山口も無言の肯定を示すこととなった。

斯くして、壱業と行く豪州艦砲射撃の旅。オペレーションタートルが発動されるのである。

 

言葉通りスンダ海峡の出口で、豪州の潜水艦を沈める長野。

そしてインド洋に出て艦隊を集結させ、各艦の士官を集めた陸奥の艦橋で、その男は再びとんでもない発言をする。

 

「これより西進して東洋艦隊を討つ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陸奥さん…陸奥さん…大丈夫?」

 

「…え、えぇ。ちょっと走馬灯の様なものが見えたけど大丈夫みたいね」

 

いつの間にか降下を終えて膝をついている自身の今の状況を見て、陸奥は何とか声を発した。

百合恵は落下傘が開く空中から、艦首切断して珊瑚に乗り上げている平波の様子を横目にみて、居ても立っても居られない様子だ。

 

陸奥は自身の体を確かめながら立ち上がる。遠目に艦首切断した平波が見える。

その姿を見て昔の、艦時代の記憶が蘇ったが、頭を振って掻き消した。

 

そして他の者達と多少着地地点はばらけたものの合流し、点呼を取って全員無事を確認する。

 

尤も妖精さん達には木の枝にひっかかっている者等もいるが…。

元気に騒いでいるので一先ず問題なしと判断し、仮設司令部を目指す事に。

 

小さな島なので10分もかからずに到着した。

 

 

そこには驚きの光景が広がっていた。

 

 

「ムムム…来てマース来てマース」

 

「…ぽいぽいぽいぽいっ!」

 

「んんん」

 

幾分修繕された建物の前で仁王立ちする金剛に夕立と時雨。

 

「こがな仕打ちあんまりじゃ」

 

簀巻きにされ、転がされている浦風。

 

「お前ら覚えてろよな!?」

 

「何でこんな目に…」

 

と長波と浜風。

 

「…陸奥さん、これ艦娘特有の何かの儀式?」

 

「違うわよ。…にしても随分と愉快な性格になっているようね」

 

陸奥も百合恵も知る限り、金剛はどこか張り詰めた雰囲気を醸し出していた。

建造されて最初の頃は明るい楽しい性格だったと陸奥は姉の長門から聞いていたが、実際に自分が艦娘として再会した際は既に張り詰めた空気を纏い、人間嫌いに陥っていた。

 

百合恵も士官学校の時に何度か顔合わせしていて、最初は仲良くお茶をしたりもしたが、

時を重ねるごとに、表情が抜け落ちていく金剛の姿に居た堪れない思いをしたものである。

 

「ハッ!」

 

という声と共にカッと目を見開く金剛。

 

「oh…ムッツォとユーリエデース。お久しぶりデスネー! でもおかしいデース。今確かにテートクレーダーが反応したデース」

 

おかしいのはお前たちの行動だ。

と、この場にいる救援部隊の面々は思ったに違いない。

 

「ね、ねぇ。時雨姉さん、夕立、何しているのかしら?」

 

白露型の三女が長女に代わり口を開く。

ちなみに長女はグロッキー状態で、春雨と五月雨に肩を貸してもらい引き摺られている。

 

「ぽいっ?」

 

「あ、皆どうしたんだい?」

 

問いかけられ目を開く夕立と時雨。

 

「こっちが聞きたいんだけど…」

 

「提督さんを探してるっぽい?」

 

「三人を餌にして…いや囮なのかな? 金剛がこうすれば提督がやって来るっていうからね」

 

いやいやそうじゃない。それも気になるけどそうじゃない。

悲壮感を漂わせて、戦闘狂になっていた貴女達は何処に行ったの?

 

という白露型姉妹の心の声は本人達には聞こえない。

 

「あ、そうか皆が救援だったんだね。助かったよ。ありがとう」

 

「あ、はい」

 

次女のお礼にそう返すのが精一杯だった三女、村雨であった。

 

「村雨。白露はどうしたの?」

 

「…うっぷ」

 

顔を上げ力のないサムズアップをする長女。

 

「夕立姉さん。春雨たちあれに乗って飛んできたんですよ」

 

とそれに答えたのは春雨。春雨の指差す方には遠ざかっていく輸送機。

 

「飛んだの?」

 

と目を輝かせる夕立。

 

「…はい。怖かったです」

 

と五月雨が言うが、

 

「なにそれ楽しそう」

 

姉妹で趣向はかなり違うようである。

 

「ねぇ蒼龍。救援で来たんだよね? 私達」

 

「なんか楽しそうだよね…」

 

空母艦娘の会話が空挺隊の心境を語っている。

 

「…あの、金剛さん。業和さんは?」

 

「業和?」

 

「あー、提督の事だよ。そういう事になってんの」

 

簀巻きにされている長波が律儀に答える。

 

「Why?」

 

「業和さん説明してないのか…。えっと、とにかく提督はどちらに?」

 

「ohそうデシタ。 ! テートク!」

 

「…何事だ?」

 

声のする方に顔を向ければ、百合恵、陸奥の会いたかった人物がこちらに歩いてくる。

もっとも、会いたかったのは二人だけでは無かったようで、

 

「テートクゥゥー!」

 

「ぽいっ!」

 

男に声をかける前に間をすり抜け、その人物に迫る金剛と夕立。

そこからは何とも言えない光景が広がる。

 

顔色一つ変えずに、すぐさま状況判断し、隣にいた榛名を盾にするその男。

 

さらに、それを意に介さない金剛。妹を軸に使って方向転換してそのまま飛び付く。

 

さらに夕立もそれに続く。

 

男はそれも読んでいたが如く、回転しながら二人を受け止め、いつの間にか左右に二人を担いでいる。

 

凄いのだけど絵面がひどい。

 

「…テイトクゥー。思ってたのと違うデェース」

 

「…米俵っぽい?」

 

「…世間ではお米様抱っこと言うそうだ。女子は泣いて喜ぶと聞いたが?」

 

「テートクゥ。それ絶対に間違った知識デース」

 

「ぽーい」

 

そのまま、こちらに歩み進める男。途中で時雨がソワソワと男の周りを回りはじめる。

その傍らで顔を赤らめて帯を締め直している艦娘もいるが、男は全く見ていなかったから大丈夫である。

 

「…救援感謝する」

 

仏頂面で口を開く男に対して、言いたい事は山ほどある面々だが、

まずは担いだ二人を降ろせと全員が思ったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空中に咲く大小の落下傘を眺めながら、司令部施設カッコカリへと榛名をお供に海岸線を歩く。

 

助けを求める通信をしたが、まさか空挺部隊を使ってくるとは思わなかったな。

おそらくボロボロになっている滑走路付近が着地地点だろう。

桜の花弁の下に二つの落下傘に吊るされた碇というのが海軍の空挺部隊のバッジだが、

部隊は果たして、海軍の空挺か陸軍の空挺か。

なにはともあれ蘭印作戦を思い出す。

とは言ってもその頃は長門でボケェーっとしていただけだけど…。

 

そもそも海軍の方の空挺部隊は残っているのか?

 

──佐世保に部隊がいるようです。

 

残っているのかよ…。

 

目を凝らしてよく見ても、流石にバッジが見えるほど人間離れしていない。

が、二人で仲良くランディング体勢に入ったのが見える。

 

…あれはもしや艦娘を抱えているのか?

 

なるほど、空から女の子な訳だね。

 

しかし、無茶な事を…いや…。

 

…前面部隊に敵を引き付けて、HALO(ヘイロウ)による敵後方からの強襲。

航空機から飛び出したら艤装展開…、だと艤装展開時に干渉するか…。

着水寸前にパラシュートを切り離して艤装を展開、これなら訓練が必要だがいけるか。

それとも艤装にパラシュートが開くギミックをつけられれば、そちらの方がいいか。

あとはあの深海棲艦の探知能力と飛行物体がどの程度の高度まで上ることが出来るのか未知数だが、一考の余地ありだな。

 

これはまさしく高度な戦術だ。HALOだけに…。

 

 

 

とか考えつつ、途中で木にひっかかっている妖精さんを救助しながら向っていると、

 

「ムムム…来てマース来てマース」

 

司令部施設カッコカリの前で人だかりが出来ていた。

 

入口の前で目を瞑り仁王立ちの金剛。頭の触覚がぐいんぐいん回っているのだが…。

あれ、電探だったの?

 

「…ぽいぽいぽいぽいっ!」

 

「んんん」

 

その隣で夕立と時雨も同じようなスタイルで、髪でできた耳が上下にピコピコ動いてる。

 

…何しているんだあいつら?

 

ちょっと遠目だから表情は分からないが、彼女らの前にいる全員が困惑気味の雰囲気を醸し出している。

救援は…ユーリエちゃん!? えっと貴女、空からダイブしてきたの? 

なんてアクティブな娘さんなんだ。大企業の令嬢やろ、君…。

隣にいるのはムッツォこと陸奥のむっちゃんか。

艦これではお姉さんキャラだったが、俺の方が年上になるんだよなぁ…どういう態度で来るんだろうか。

艦時代の思い出は亀作戦と爆破未遂事件か、あとは天一号前に北方捻じ込むときにちょっとあったな。

…あ、亀作戦の時、陸奥の艦首で魚雷受けて菊花紋章とか諸々吹き飛ばしたことは恨みに思われてないよね?

大丈夫だよね? よし、その話題は触れないで行こう。

そうそう初対面の体で行けば大丈夫さきっと…。

他にも、白露型が4人と蒼龍と飛龍。あとは空挺部隊の方々かな?

 

なんか飛龍の姿見たら胃がキリキリして来た。

 

まぁ今はいい。そんな事より皆入り口前で固まって何してるの?

 

「…何事だ?」

 

「! テートクゥゥー!」

 

「ぽいっ!」

 

声を上げた瞬間には勢いよく砂塵を巻き上げながら走って来る高速戦艦長女。あと夕立。

 

ヤバイ! 

 

アレを受け止めたら腰が逝く。

すまない榛名、緊急事態だ…変わり身の術!

とは言っても榛名の腕を取り、引き寄せて、自分は反動をつけて榛名のいた位置に場所を入れ替えただけ。

 

「えっ? えぇぇぇ~!?」

 

「…なっ!?」

 

榛名から驚きの声が上げる。

それはいい。俺が引っ張った事に驚いたのだろうから。

しかし問題は俺も驚いている事だ。

 

金剛が榛名の帯を掴んで軸にして無理やり進路変更しやがった。

妹は時代劇の悪代官にやられる「ああ~~れぇ~~」の町娘の如く回転してたたら踏み。

姉は、身を投げ出すが如く宙に舞った。その行先は俺。さらに夕立は後ろから追いかける形であったから、

進路変更を金剛よりスムーズに行っていて、こちらもすでに空中に舞っている。

 

くそっ! やるっきゃねぇ! 耐えてくれ俺の足腰っ! 

 

大日本帝国拳法くるりんぱ3倍ダァァ!!

 

 

 




すまぬ。英国の首相が禿る話までいけんかったばい。次回こそ必ず。

あと方言で変なところあった場合、指摘してくださると助かります。

ちょっとした補足

海軍の空挺部隊が何故存続しているかというと戦後、軍縮&軍備制限かけられます。
艦船の保有数も減らされますから、「船が無いなら海兵隊を作ればいいじゃない」の流れです。もともと陸戦隊も空挺隊もいたので難しいくはないという訳で佐世保にいます。登場予定はないですけどね!


おまけ

図鑑説明 夕立(苺味)

白露型駆逐艦の4番艦、夕立です。
第三次ソロモン海戦では、けっこう頑張ったっぽい?
坊ノ岬沖海戦でも、頑張ったぽいっ!
何気に「猟犬部隊」って言葉、失礼しちゃうわよね?


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