提督(笑)、頑張ります。   作:ピロシキィ

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この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は実在名称等ありますが、実在のものとは関係ありません。

いつも感想、評価、誤字修正、報告をくれる方々、本当にありがとうございます。



提督(笑)の名は。

人間と言うのは考えこめば無言になる。

 

至極当然の事と言えばその通りだが、味わった事のない緊張感と胸の奥から湧き出る高揚感。

とにかく今までに味わった事のない感覚に無言になる。

「あぁ、信長とかアーサー王とかクレオパトラとか猫型ロボットに実際に逢う事になるとこんな気分になるのか」と自身の感情に合点がいったライバックだった。

 

まぁ間違いなくあと数十年もすればサブカル界隈で歴史上の偉人達と戦いに挑んでるでしょ。

それを考えると皇国ファクトリーは時代の先端いきすぎ…。

しかしいつの時代でもそういった文化を切り開くのは冒険心を忘れない異端児達。

混沌とした世界になってもHENTAI文化の保全と促進に余念がないこの国は実は平和ボケと言うより神経が図太いのではないか。

 

と見当違いな思考に嵌っていくライバック。

 

だいたい、何で野郎だけなの? 現在、ライバック自身と空挺隊の二人。

そして苺入り餃子改め長野壱業は鋭い目つきで炒飯を咀嚼している。

 

ホモが喜びそうな顔立ちと体つきだ。

 

と誰か艦娘に聞かれたらぶん殴られるかもしれない思考で現実逃避を決め込む。

 

「……」

「……」

「……」

「……」

 

ライバックは誰かがこの空気を打破してくれることを願うが、誰も喋らない。

SEと言う名の社畜をやっていたが故にストレス耐性は高い筈だが、胃の辺りがキリキリと痛み始めた。

 

どうしよう? タメ口きいてたこと謝った方が良いのか?

というより、なんでこの四人を選んだのよ?

うわ、こっち見た。改めて正面から見るとおっかねぇ。

今回の件、長門が言った意味改めて考えると恐ろしいね。

目の前の御仁の指揮下にいる艦娘達の待遇もそうだし、人類初の快挙を自分たちの手で行った事にしたいって言う海軍の思惑は分かるんだけど…、相手が悪過ぎないですか大本営さん。

本物の戦神って、アメリカが血眼になってぬっころそうとした人よ?

人格以外完璧と言われた日本人大嫌いのアーネスト・ジョゼフ・キングが「アイツがGF長官だったらあと数年我が国の若者の血が流れ続けた」とか言っちゃうくらいぶっ飛んでた戦功積んだお人よ?

全パラメーターがSでアイオワが出会ったら「くっころ」って言っちゃうよ?

いや、「くっころ」はウォースパイトの方が似合うか?

違うそうじゃない。今回の件、普通に考えたら長門じゃなくても本人ぶちギレ案件ですやん。

百合恵女史が本人が望んでないとか言ってたけどそんなの嘘ですやん。

 

ほら、こっち見た。視線で人が殺せそうなほどお怒りですやん。

戦神っていうフィルターがくっついたからか纏う空気というか人間の厚みみたいなのをヒシヒシと感じるような気もする。

 

こ、これが大戦中に戦神と呼ばれた者のプレッシャーか!?

 

ライバックはまだ余裕があるのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャーハン旨っ!

 

お艦さすがやで、米の一粒一粒に卵の黄身が溶け込み、口の中で香ばしさと広がる。

具材自体は葱と玉子だけのシンプルなものだがバランスも抜群で、一口食べる事に食欲をそそる。

さらにチャーハンも然る事ながら、それと一緒に提供された汁物。

鶏がらベースのスープに海藻と葱とあとわずかに香るニンニクが良いアクセント。

正に「ワカメと言って差し上げますわ」ってところだ。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

で、そんな美味しいお食事なのだけど、誰も喋らずに黙々と口に運んでいる。

ご家庭によっては食事中の私語はマナー違反と言うところもあるかもしんない。

でもさ、俺的にはお食事は楽しく食べたいわけですよ。

会議室に響くのが食器の音だけってどうかと思うの。

スペース的に難しかったと言うのもあるが、精神衛生的にちょっとメンズだけで過ごしたかったので女性陣追い出した。

まぁ文句ブーブー言われたけどね、健全な男子の体を少しは労わって欲しいので押し通した。

かといって硫黄島にいる提督が好みそうな展開はこれっぽっちも願っちゃいない。

そこのところよろしくね空挺のお二方。

 

「…今後の事ですか?」

 

空挺部隊の隊長の佐々木さんが躊躇いがちに口を開いた。

今後の事? え、予定通り父島帰って、二、三日休養して本土に今回の件の説明行くんだよね?

 

「何か予定に変更が?」

 

俺が眠ってるうちにあったのかな?

 

「…いえ」

 

「あー、えー、そのですね。ちょっとお伺いしたいことがあるような、ないような…ははは」

 

どうしたんだライバック氏は顔が引き攣ってるように見えるけど。

 

「何だろうか?」

 

俺がそう言うとライバック氏は深呼吸を何度かした。

 

「良し決めた! ホモもお徳用も絶対に巻き込む! こんなん俺一人抱えるなんて無理だっての! ミコトはどうでもいい。あいつ馬鹿だし…」

 

う、うんん? なんの話?

 

「あ、失礼しました。単刀直入に伺いますが…」

 

といって後半ためるライバック氏。ファイナルアンサー的な? 良し、来い! ボケる準備は何時でもできている。

 

「クーデター…粛清…弾圧…排除…抹殺…もっとライトな感じの…唸れ俺の語彙力っ!」

 

物騒な単語を並びたてるライバック氏。一体何なんだ?

そういえば粛清と言えば、オペレーションナガノカノンの一環で重慶で英米中ソによる対日作戦会議したことに対してソ連に抗議をしたら、いくらかヨシフさんによって血の雨が降ったらしい。

独裁国家って怖いです。以後、ソ連に対しては無関係の人間を巻き込む可能性があったので慎重にならざるを得なかったな。

 

「そこまで言ってしまわれたのなら、言葉を取り繕う必要性を感じませんが」

 

曹長の宮本さんがライバック氏に対して苦笑いを浮かべている。

俺氏、話に全くついていけない件。

 

「長野業和提督、いえ、長野壱業提督」

 

隊長の佐々木さんが、ってあれぇ? バレてーるぅ!? 

 

──目の前で艦娘ホイホイしていたら勘繰られて当然かと。

 

そこはユーリエちゃんが上手く誤魔化してくれてたりしたんじゃ…。

 

──隠しきれないと判断されたようです。

 

あぁ、そう。で、俺がこの部屋に入った時、空気がおかしかったのも多少の原因が?

 

──肯定。

 

ミック先生ちょっとお伺いしたいのだけれど。

 

──何をお調べしますか?

 

何だお前、ケータイのAIか! ってそうじゃない。俺の知名度って戦国武将に例えるとどんなもんなの?

水谷正村クラスくらいだとおもうのだけれど。

 

──水谷 正村(みずのや まさむら)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将。結城氏の家臣。

蟠龍斎(はんりゅうさい)の名でも知られている。

「結城四天王」の一人。野心家であり「負け知らずの猛将」と後世に伝わる。常陸国下館城及び久下田城主。

 

おいっ! ググってんじゃないよ! そこそこ名が通ってるだろうが!

 

──マイナー武将に分類されています。

 

茨城の人に謝れ! おっと佐々木さんが呼んでいるのだった。

 

「なんでしょうか?」

 

「私の一存では多くの兵は集められませんが、行動を起こすと言われるのであればご協力いたします」

 

「行動…ですか」

 

何の? うん? 

 

さっき言ってたライバック氏の言葉と曹長さんの言葉。

 

ティンときました。

 

良くない方にっ!

 

「自分としては出来れば思い留まって欲しいと言いますか…俺、私などでは心中をお察しするのは烏滸がましいのは承知いたしておりますが…えっとそのー」

 

ライバック氏ぇ…だから、しませんよ! ただ一人だけ

 

「細倉という男の首以外に興味はない」

 

細倉って野郎にうちの嫁艦追い込んだケジメとらす! おや、なんか物騒な言葉発した気がする。

 

「…そ、そうですか。 あぁ、金剛本人に聞いたのか。でも、あれ? うん? あれ?」

 

「しかし海軍の綱紀は乱れております。新たな風を取り入れる時ではないでしょうか?」

 

新たな風って俺の事か。どっちかって言うとカビ臭い風になるんじゃないのかな。

もし仮に本土で上の方に行くとすると政治とか絡んできそうで面倒くさいし。で、そんな場所から艦娘指揮するとか無いわー。

父島で勝手にやらせてもらえたらそれでいいや。目の届くところでいざって時は彼女達の盾にならなきゃならないし。

 

「私は現場でいい」

 

というか現場が良い。

 

「先程、長門…さんが仰られてましたがこの国は貴方の名誉を踏み躙っているという事でしたが」

 

名誉か。俺の持論だとそもそも軍人に名誉なんてない。

 

「軍人に名誉など無い。例えどんな理由があったにせよ、やってる事は人殺しだ」

 

褒められる事じゃないだろう。

その点、自衛隊って組織は人命を救う事が多かった。国民から感謝されることも。

それをちょっと歴史を変えてしまった事で軍という組織を残してしまった俺は責めを負うべきなのかもしんないな。

 

「……」

「……」

「……」

 

三人が押し黙ってしまった。

 

ここはあれだな、

 

「後上提督」

 

「はひっ!?」

 

声裏返ってますよ?

 

「君の推しは誰だ?」

 

好きな艦娘は誰かな? せっかく野郎だけなんだからエロートークしようぜ?

 

「………………はっ?」

 

あれ滑った!?

 

──貴方の知名度を戦国武将に例えると信長、秀吉、家康クラスになります。

 

何でこのタイミング!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「長門さん、お口に合いませんでしたか?」

 

鳳翔の問いかけにテーブルに向け複雑の表情を浮かべていた長門は顔を上げた。

 

「いや、そんなことは無い。ただな…」

 

百合恵提督と艦娘達、女性陣は会議室から追い出された。

その事で、疎外された気分と必要ないと言われているようで長門の胸中は表情に現れていた。

 

「提督には提督のお考えがあるのでしょう。長門さんを蔑ろにして追い出したのではありませんよ。

おそらく、提督は少し皆さんに冷静になってほしかったのではないでしょうか?」

 

「そうだといいのだが…」

 

「騒がしくなっちゃいましたからね、きっとそうですよ。私まで追い出されるのには納得できないところがありますけど」

 

そこに百合恵提督が口を挟む。

 

「百合恵提督の場合は長野提督のいう事、無条件に従いそうだからじゃないの」

 

「えー? そんな事ないですーっ」

 

と、頬を膨らませる自身の提督に陸奥は苦笑いに止め、

 

「でも、何を話しているのか気になるわよね」

 

会議室の中は今どういった話し合いが行われているのか考える。

 

「やはり、海軍の綱紀の引き締めではないのか…それには…」

 

「司令は反乱など起こす気はないと思うぞ」

 

長門の言葉を遮って磯風が腕を組んで長門を見据える。

 

「…そうですね。以前、私達が長門さんと同じことを提督に訴えた事があります」

 

「『つまらん冗談だ』って凄まれて冷や汗かいたねー」

 

磯風の言葉を肯定するように以前の話をする浜風と谷風。

 

「…お前たちはこのままでいいのか?」

 

「あのネ、ナガトー」

 

それまで黙っていた金剛が口を開く。

 

「ワタシもテートクが悪く言われるの悔しいヨ? だけど、テートクは昔言ってたデス」

 

と艦時代の記憶。具体的にはマーシャル諸島に米輸送船団拿捕しに行く前の頃の事を語る。

 

 

 

 

 

父島にてマーシャルまでの燃料を榛名から抜き取り中の時だ。

 

夕立の艦長が長野に対して、長野を御旗にして軍令部に弓引く内容の血判状を持ってきた。

 

「私は難しい事は分かりません。ですが、このままでは海軍は駄目です。どうか司令に賛同いただきたく」

 

「吉川艦長。どんな大義を掲げても武力による権力奪取には大義はない。それはかつて陸軍の青年将校たちが引き起こした事件で証明されている」

 

当時の状況を顧みれば反乱を起こしている時間的猶予も資材も乏しい。

既に大日本帝国延命の為の時間稼ぎしかできない程、疲弊していた。

それでも、諦めずに足掻こうとした者達の想いがその血判状だったのかもしれない。

 

「軍令部は航空機による自爆攻撃を企図しているという話も上がっております。このまま黙って見ていると仰るのですか!」

 

「…そうか。神風…台風か。最低七月いや八月…ならば硫黄島は…まで持ち堪えてもらわねば…」

 

「司令?」

 

「…吉川艦長。この戦争を終わらせる道筋が見えた。感謝するよ」

 

「では!?」

 

「反乱は起こさんぞ。大戦果をもって俺の案を何としても認めさせる」

 

「その案とは一体?」

 

「…まずは一手。『米が無いならパンを食え』だ」

 

「はぁ? どういう意味でしょうか?」

 

「…今回の作戦名はこれで行こうと思うがどうか?」

 

吉川艦長は無言だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「Oh…テートクのネーミングセンスはあんまりだったデース」

 

「いや待て待て、金剛よ。話が脱線している」

 

途中から思い出話の方向性が変わりつつあるので、長門は慌てて止めた。

 

「分らないデスカー? つまりは、『反乱NOなら戦功GO!』デース」

 

と長門へ小首をかしげる金剛。

 

「え、えーと、金剛さんの仰りたい事は私達が武勲を積み重ね、誰も無視できない立場まで提督を押し上げようという事でしょうか?」

 

「イエース!That’s right!流石、ホーショーGrandmotherのお年玉袋デース!」

 

我が意を得たと言わんばかりに指をパッチンと鳴らし、鳳翔へとウィンクする金剛。

 

「……」

 

鳳翔の頬は引き攣った。

 

「金剛お姉さまっ! お年玉袋じゃなくて知恵袋です!」

 

榛名は鳳翔の顔を見て慌てて訂正に入るが、「違う! そこじゃないっ!」と周りにいた全員が思ったのである。

 

 




私の推し艦(嫁艦)

ろーちゃん
しおいちゃん
朝潮
ふみぃ

の四人
苺餃子と私の趣味は違うのだよ。宜しいな?

おまけ

図鑑説明 島風 (苺味)

艦隊型駆逐艦の最高峰を目指して開発された、高速で重雷装の駆逐艦、島風型よ。
レイテ湾では最大45ノットの最高速をだした一番早い艦なんだよ。魚雷艇なんかに負けないから!
でも、量産には向かなくって、私一隻しか建造されなかったの。
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