俺がいるココロコネクト-ヒトランダム-   作:チャッキー!!

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お待たせいたしました。
思っていたより、早くあげる事ができました!

それではどうぞ!!


「お」から始まる『アレ』

「ああ~もう、お前ら少しは頭を冷やせ‼」

 稲葉のその言葉とともに、昨日の集まりは解散。

 定例部会は次の日へ持ち越しとなった。

 

 1日たち、再び部室へと集合した際、青木も桐山も落ち着きを取り戻してはいたが、

やはり2人とも気まずげな空気を漂わせていた。

「さて、じゃあ部会を始めようか。まずは―」

「あっ!教室に忘れ物があった!」

 流れをぶった切って部長の永瀬が突然言った。

「くっ、せっかく今日はまともにやろうと思ったのに出鼻をくじくんじゃねえよ!」

半ギレになる稲葉。

「稲葉ん。ドンマイドンマイ」

「お前は自分のせいだということを認識してるか!?」

「で、稲葉ん。取りに行って来てもいい?」

 邪気のない子供のようなニコニコ顔で永瀬が言う。なんだか括られた後ろ髪が

ぴょこぴょこ跳ねているように見える。ありえないって?いや、感覚の話だから。

「お前が部長だろうが、アタシに聞くな」

「じゃあ、行ってきまーす!」

元気な声とともに永瀬は部室を飛び出していった。

「ふふっ、稲葉も伊織だけにはお手上げね」

今日部室に来てから初めて表情を緩めた桐山が言った。

「お手上げってほどじゃないが……手を焼いてるのは事実かもな。」

 稲葉も嘆息混じりに応じる。なんとなく場の空気が弛緩していた。

「俺もちょっと飲み物を買いに行ってくるわ」

永瀬が忘れ物を取りに行く間、俺も時間を潰すことにした。

「それはいいがそのままずらかるなよ」

稲葉が念を押すように言ってきたので、俺は適当に返し、部室を後にするのだった。

 

 

「ふう、やはりマッカンに限るな」

俺は中庭のベンチに腰を掛けながら、一息ついていた。

さて、これからどうするか…稲葉に言われている以上、戻らない訳にはいかないが…

「あら比企谷君。こんなところで何をしているのかしら」

「なんだ、委員長か…」

彼女の名前は藤島麻衣子。後ろでまとめられたしっとりとした黒髪と、

メガネがトレードマーク、俺や八重樫のクラスの学級委員をやっている奴だ。

「同じクラスなのだからそろそろ名前を覚えて欲しいわね」

「そういう委員長はここでなにをしているんだ?」

ため息をつきながら俺ははぐらかすように言葉を返す。

「私は委員の仕事で残っていて、今から教室を閉めにいく所よ」

「俺は休憩中なだけだ」

「そう、なら私はいくわね。サボりも程ほどにしなさいよ」

 なんだよ、ばれてるじゃないか。なら、いちいち聞くなっつうの。

そう愚痴を吐きながら、マッカンに二口目をつける。

委員長が校舎に入っていくのを見た後、俺は再びベンチへ深く腰を下ろす。

 さて、ここは俺たちのクラスへ向かう道の途中なのだから、いつか永瀬が通るだろう。

それまで、ここでゆっくり待つとしよう。そんな事を考え、だらけた様子で、

俺は再びマッカンを飲もうと口に近づけた、その時だった。

 

 

―世界が暗転した。

 

 

気付くと、目の前に稲葉がいた。

「おい、太一。急にどうしたそんなアホみたいな顔して」

はっ?太一だと?いったい何を言っているんだ…。

いや、それ以前に俺の前になぜ稲葉がいるのか?

今の状況を少しでも理解しようと周りを見渡すが更に混乱してしまう。

 

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ‼

『俺は中庭で1人マッカンを飲んでいたと思ったら、いつの間にか部室にいて、稲葉たちに心配そうに見守られながら、太一と呼ばれた』

な…何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだ…

催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わっているぜ…

 

あまりにも今起きたことが荒唐無稽でつい某有名漫画の

台詞のようなものをつぶやいてしまった…

「太一、ほんとに大丈夫か?」

青木が俺の顔を見ながら心配そうに見てくる。いい加減に俺のことを太一と

呼ぶのをやめろ。「なにを―」そう言いかけたとき、俺は違和感に気付く、

声が自分の声と思えるものではなかった。

まさかと部室に置いてある鏡をのぞき込む、するとそこには

 

八重樫太一の顔が、鏡の中から俺を見ていた。

 

 

 

 

八重樫太一は気づくと、世界が横向きになっていた。

……いや、自分の頭が横向きになっているだけか。

と、俺はすぐ当たり前のことに思い当たる。

 椅子にも座らず、机にべったりと頬をつけて寄りかかっているようだ。

 俺は体を起こし、辺りを見渡す。

 教室だった。

人影はなく、どこかの部の練習の音、かけ声が聞こえてくる。

 自分は今の今まで部室で稲葉と話していたはずだった。

しかしなぜか、今この瞬間には教室にいる。

なにが、起こったのか。

配置された机、張られた掲示物、黒板に書かれた所連絡どれもが俺にとって、

よく見慣れたものだった。そう、つまりここは俺のクラス、1年3組だ。

 いや、それはおかしい。どんなに急いでも部室から数分はかかってしまう

はずの場所、そこに俺はいるのだ。

ぞくりと嫌な鳥肌がたった。

「いったいなにが……お?」

 自分が言葉を発した際、余りにも衝撃的に言葉を詰まらせてしまう。

本来低いはずの声がとても高かったのだ。どうして自分の声がやわらかく

なめらかな女の子みたいな声になっているのか…

 

「嘘だろ…」そう呟き、手を首元へと持っていく。

喉仏の隆起がほとんど感じられない、まるで女の子のようになめらかな首だった。

 あまりの異常さに夢かと疑うが、この感覚、質感は夢ではなく

現実のものとしか思えない。

 

 落ち着け、俺は何度もそう繰り返す。これ以上妄想が変な方へ行かないよう、

コントロールしようとするが、どうにも止まらない、止まってくれない。

 昨日、青木が言っていた事が頭をちらつく。

 もう一度自分の状況を確認しようと、一つ深呼吸をする。そしてゆっくりと

自分の足元に視線を落とした。まず目に飛び込んできたのは、決して男が

着ることの無いスカートだった。次にほっそりとした白い足、黒いハイソックスと

続き最後にとても小柄な学校指定のシューズが目に映る。

 

 「ああ」と呻きながら、今度はぐっと顎を引き、自分の上半身を包む

『もの』を両手で引っ張りながら確認する。

 見紛いようもなく、山星高校の制服、ただし…女子生徒用。

 そしてなによりも、先程から視界にちらつく膨らんだ胸板、

一般男子の胸筋ではまかないきれないこの膨らみは、疑いようもなく

「お」から始まる『アレ』あろう。

 

 そしてコレが仮に本物なら、今の状況を認めるしかないであろう。

俺は再び深呼吸をし、自分の両手を胸の位置へと持ってくる。

そして意を決し、右手で右の、左手で左の山を摑み、揉んだ。

 

もにゅ、もにゅ、もにゅ、もにゅ…

 

 とろけるような柔らかさがありながら、それでいてしっかりとした弾力を持ち、

なんとも例えようのないものが、そこにはあった。

まさに、未知との遭遇。十六年間の人生において、本物を触ったことは

一度もないが、それでも確信した。

 これは本物の「お」から始まる『アレ』だということを。

そして、今この状況がどうなっているのか、確信へいたろうとした、その時、

がらりと教室の扉が開き、藤島麻衣子が入ってくる。そして、

俺と目が合うと同時に、彼女はこう言った。

「【永瀬】さんは……いったい何をしているの?」

 

―藤島は、八重樫太一のことを、【永瀬】と呼んだ。

 

自分は【永瀬】ではない、八重樫太一のはずだ。でも今は―【永瀬伊織】なのか。

「見たまんまを言えば、自分で自分の胸を揉みしだいているように見えるのだけど…」

藤島に言われて、自分がまだ手で胸を鷲摑みにしていた事に気づき、慌てて手を離す。

「…」

「…」

 なんともいえない空気のなか、二人はただ、見つめあう。

「揉んであげようか?」

「…………………え?」

 沈黙を破ったのは藤島の予想外の発言だった。

「いや、自分でやるより人にやってもらった方がいいじゃない、色々と」

「いえ、間に合ってますんで」

『色々』の部分が非常に気になったが、ひとまず拒否しておいた。

「遠慮しなくても大丈夫よ。私、結構自身あるから」

ずい、と藤島は一歩前に出る。

「ふ、藤島?」

藤島に変なスイッチが入ってしまったようだ。これはもしかすると、

貞操の危機を迎えているのかもしれない。しかしこの場合の貞操とは誰のもで……

いや、そんな事はどうでもいい。

「い、いったん落ち着こう、藤島!落ち着いて話し合えば分かり合えるはずだ!」

「ええ、話し合いましょう!……体で!」

「か、体!?ちょ、ちょっと待って!」

 なにがどうなったら、こんな状況になるというのだ。

 自分自身に体に起こった衝撃的な事態すら未だに把握できていないと言うのに。

 すると再び、誰かがもの凄い勢いで教室へと駆け込んできた。

「ヒーッキーーーーーーーー‼‼」

息を弾ませながら大声を上げたその人物は―、【比企谷八幡だった。】

「ひ、【比企谷君】っ!?」

突然の乱入者である【比企谷】に狼狽する藤島。

「藤島さんっ!なんかヒッキー…じゃなくてわたし…でもなくて【永瀬伊織】に

用があったんならゴメンっ!緊急事態だから連れて行くね」

「な、なんなの!?【比企谷君】!?今大事なところなのよっ!」

「確かにもう少しで一大事が起こりそうだったけれども!離してくれ、藤島!」

と言ったのは八重樫【永瀬】

「ほらヒッキーも……じゃなくて【永瀬】もいってるでしょ!」

と言う比企谷。いや、言動的にどうにも比企谷ではないようだ。と言うより

ヒッキーと俺を呼ぶ時点で今【比企谷】の中にいるのは、

永瀬だとしか考えられなかった。

 

「なんか二人とも話し方おかしくない!?とにかく永瀬さんを連れて行くなら

ちゃんと理由を言っていきなさい!」

 あくまで藤島は最後の抵抗の意志を見せ続ける。

「くっ、こーなったら……これでも喰らえ!」

 叫ぶと同時に、永瀬【比企谷】が飛びかかった。

 

「こちょこちょこちょこちょ……」

 

「やっ、うひゃ、やめてっ!脇腹はぁぁぁぁひゃひゃ……て、ていうか

【比企谷君】のセクハラぁ!……っあははは、、や、やめ」

「お、おい!永瀬!お前永瀬なんだろ!?とりあえず今のお前は【比企谷】なんだからあんまり変な真似はよせっ!」

 

 

 

 

 

 俺【八重樫】は廊下を全速力で走っていた。先程部室で目覚め、

状況を確認すると、何が起きたか、理解したくはなかったが、

すぐに理解できた。その結果、出した答えはこうだ。『俺の身体が危ない』

 例え誰が俺の身体に入ろうとも、面倒なことになる事は予想できていたからだ。

先程まで自分が休んでいた場所へ走ると、そこには

「どうなってるの!!?」

と叫びながら走って校舎へ入っていく自分がいた。

誰が中に入ってるかは今は置いておいて今は奴の確保が先だ!!

急いで同じように校舎の中へ入ると、自分達の教室から、

何かを言い争う声が聞こえると同時に、女子の笑い声が聞こえてきた。

急いで俺も教室へ入ると…

 

そこには腐った目の男【俺】が、

委員長をくすぐり。それを必死で止めようとする、永瀬という

なんとも犯罪臭のする、阿鼻叫喚の景色が広がっていた。

 

「なんだ…これは…」

 俺はただ、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。




こんにちは、チャッキーです!!
今回は初めて主人公(一応、比企谷八幡)が入れ替わる所です!
原作にはないオリジナルの会話を入れてみたりと
ちょっとチャレンジした話になります。

オリジナルの所は駄文になってるかもです(汗)
また、感想や意見をお待ちしております!

では、また次会をお楽しみ下さい。
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