プロジェクト・クローネのプロデューサー   作:変なおっさん

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第13話

プロジェクト・クローネのプロデューサーとして働きだして少しばかりの時間が経った。新しい担当アイドルと関わっていく中で、シンデレラ・プロジェクトのアイドル達との関わり方も見直してはきた。ただ、念のために話し合いの場を設けてみることにした。

 

「プロデューサー。最近、杏は働き過ぎなんだと思うんだー」

 

「そうですね。双葉さんは、シンデレラ・プロジェクトの中でも一番忙しいかもしれません」

 

「だよね~、だって此処に来るの初めてだし」

 

双葉杏は、武内の隣に座りグデーとしている。大人が二人で座っても余裕がある広さのソファーなので、身体の小さい杏なら広めに使っても問題ない。

 

「双葉さんは、キャンディアイランドと個人での仕事をされていますからね」

 

杏は、俗に言う天才だろう。アイドルとそうでない時のON、OFFがしっかりしており結果を出している。実際、シンデレラ・プロジェクトの中でも柱になりやすく、双葉杏、緒方智絵里、三村かな子の三人で組んでいるユニット『キャンディアイランド』も彼女に任せている。

 

「やはり個人の方が仕事は入れやすい面がありますので」

 

「はぁ~、人気があるって証拠なんだろうけどさー、もう少し杏の事も考えてよね? これじゃあ、印税生活する前に杏倒れちゃうよ」

 

「申し訳ありません」

 

「……いいよ、別に謝んなくても。プロデューサーの事だから杏の事は考えてくれてると思ってるし。……それで、二人はどうなの?」

 

「緒方さんと三村さんは、二人での仕事を最近では行っています」

 

「智絵里ちゃんとこの前は、お菓子の工場の取材に行ってきたんだよ! おいしそうだったなー」

 

「できたてのお菓子……美味しかったよね」

 

かな子と智絵里は、その時のロケを思い出したのか楽しそうに話を始める。

 

「……ねぇ~、プロデューサー」

 

「なんでしょうか?」

 

「……杏もキャンディアイランドの一員だよね?」

 

「……できる限り3人一緒の仕事を取るようにします」

 

「今度は、杏ちゃんとも一緒に行けるのかなー。だったら、アメとかの方がいいね!」

 

「そうですね……甘くて美味しいのが食べられるといいですね」

 

「……取れる?」

 

「……努力してみます」

 

この3人は、今のところ問題はなさそうだ。ただ、できる限り3人での仕事を取れるようにしよう。しっかりしているとはいえ、杏もまだ子供なのだから。

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

「新曲が出したい! ねぇーいいでしょーPくん」

 

隣に座る城ヶ崎莉嘉が、接近して上目遣いでこちらを見ている。人によっては効果があるのだろうが、可愛いだけだ。

 

「莉嘉ちゃん、あんまり無理を言ったらダメだにぃ」

 

諸星きらりが窘めるが効果はないだろう。

 

「でも、みりあも新しい歌、歌いたいなー。この前、パパとママと妹が見に来てくれたんだー! だから、新しい曲で楽しませてあげたい!」

 

少し前に行われた凸レーションのライブに赤城みりあの家族が見に来ていた。関係者として楽屋の方にも顔を出してもらい簡単にみりあの仕事について説明をしたのを憶えている。

 

「でしょー! お願いPくん。お願い聞いてくれたらデートしてあげるからー」

 

「曲に関しては、時期を見る必要があります。それに製作まで時間が掛かりますので」

 

「Pくんならすぐにできないの?」

 

「プロデューサーなら魔法みたいに作れそーだよね!」

 

莉嘉とみりあに期待の目で見られるがこればかりはどうにもできない。

 

「もぉーダメだよ二人ともー、あんまりPちゃんを困らせちゃめっ!」

 

莉嘉とみりあも、きらりからの2回目の言葉には従う。普段からきらりが二人にとっての保護者なので二人もその辺の事はわかっているのだろう。

 

「城ヶ崎さん、赤城さん。すぐには無理ですが、検討はさせて頂きます。凸レーションも人気が出てきましたから時期を見れば、出せるとは思います」

 

「ホントーに? 信じてるからね、Pくん☆」

 

「楽しみだなー!」

 

二人の期待に応えないといけないだろう。少し、早めに検討を始めるようにしよう。

 

「ごめんねぇー。でもぉ、きらりんもすこーし期待していいかにぃ?」

 

「もちろんです。二人の事をお願いします」

 

「Pちゃんに任されちゃったにぃー。きらりんふぁいとふぁいと☆」

 

ここに関しては、きらりとこまめに連絡を取る形で問題はないだろう。その代わり、きらり個人の話も聞く必要はある。

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

「お二人にお聞ききします。何か話はありますか?」

 

「私は、特にはありません。アーニャちゃんは?」

 

「нет проблем。私も、特には」

 

「そうですか」

 

新田美波とアナスタシアの二人は、特に話すことがない。あるとすれば、二人のユニットである『ラブライカ』の事についてだろう。この二人の場合は、普段から会話をしている。美波は、シンデレラ・プロジェクトのリーダーとして話をしなければならない。アナスタシアは、プロジェクト・クローネの方でも活動しているので、調整も兼ねて話し合いが必要だからだ。

 

「では、何かあればと言う事で。……時間が余りますがどうされますか?」

 

「せっかくですから、お話でもしましょう。ねぇ、アーニャちゃん」

 

「Это право。そうですね。プロデューサー。Давайте поговорим。お話しましょう」

 

それからは、あまり仕事には関係ない話をした。何かあれば、少なくともどちらからかは話が聞けるだろう。

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

「Pちゃんは、最近みく達をほったらかしにゃ!」

 

「そうだそうだ!」

 

前川みくと多田李衣菜から抗議の声が出る。

 

「もっと、猫ちゃんの素晴らしさを世の中の人に知ってもらうにはLIVEにゃ! それに新曲が必要にゃ!」

 

「猫はともかくLIVEはしたいかな? どうにかならないですか?」

 

「リーナちゃん! もっと強く言わなきゃダメにゃ! それに猫ちゃんは大事に決まってるにゃ!」

 

「いやー、私としてはロックの方が大事だし」

 

「にわかロックなんてお断りにゃ!」

 

「誰がにわかだよ!」

 

「リーナちゃんに決まってるにゃ!」

 

それからも、いつも通りの光景が目の前で行われた。二人が組む『アスタリスク』の方も評判は上々だ。二人も仕事の時は、特にケンカはしない。仮にしても普段通りなので気にする必要もないだろう。あとは、一時的に組んだ木村夏樹と安部菜々とのユニットぐらいだろう。ただ、こちらの場合は保護者になる二人が居るので任せられる。

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

「三人は、何かありますか?」

 

「未央ちゃんは、特にないよ? しいて言うならいろいろやってみたいなぐらいで」

 

「私も特には……レッスンも見てもらえていますし、相談もできてますから」

 

本田未央と島村卯月からは特に不満はないようだ。プロジェクト・クローネのトライアドプリムスとの合同レッスンも行っており、その時にレッスン内容や相談にも乗れている。

 

「……私は、あるかな? ニュージェネレーションには問題ないけど、加蓮や奈緒に甘いと思う」

 

渋谷凛から指摘が来るがそうなのだろうか?

 

「そうでしょうか?」

 

「この前も此処で寛いでたよ。時間を超えても。その辺りは、しっかりするべきだと思うけど?」

 

「確かにそうかもしれませんね。ただ、あの時は特に予定もありませんでしたから。お二人も家に送ってほしいと申されていましたし」

 

「――甘い! 最近じゃ、此処に来れない時は、シンデレラ・プロジェクトの方で待ってるんだよ? もう少し引き締めないと!」

 

「えー、別にいいんじゃないの? 二人が来てくれると楽しいよー」

 

「はい! 凛ちゃんの事とかいろいろ聞けます!」

 

「しぶりんが昔――」

 

「――みーおー!」

 

何かを言おうとした未央を凛が押さえにかかる。

 

「島村さんは、特にありませんか?」

 

念の為、卯月に聞いておく。彼女は、気持ちを笑顔に隠すと知ったからだ。

 

「……本当にないです。ダンスやお仕事は今も失敗しますけど、他の誰かが居てくれます。それにこうして話せてますから」

 

「……そうですか。何かあったら言って下さいね」

 

「――はい!」

 

この3人も特に問題はないのだろう。ただ、他のアイドル達もだが、何かあれば気づけるようにしておきたい。

 

「――ちょっと、待って! まだ、私は――」

 

凛の言葉が聞こえるが、未央との戦いで話ができそうにないのでまた別の機会に。

 




ロシア語は、これでいいのかな?
今回は、シンデレラ・プロジェクトの人間を出してみました。
言葉遣いとか気を付けましたけどあってるかな?
抜けてるように思えますが、次に出ますので

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