プロジェクト・クローネのプロデューサー   作:変なおっさん

47 / 47
第47話

ニュージェネレーションのレッスンが始まった。予定とは少し違ったが、順調な始まりになったと思う。これも彼女達が日頃から努力をしてきた結果だろう。今日は、ニュージェネレーションの方はトレーナーに任せて、もう一つの方も始めていく。

 

「緊張しますね」

 

「美波、私が傍に居ます」

 

新田美波、アナスタシア。今日は、ラブライカの新曲を初めて二人に聴かせる。

 

「今回の曲は、ボーカルに力を入れています。他にも動きの一つ一つに繊細な動きが求められます。どちらかと言えば、シンデレラ・プロジェクトよりもプロジェクト・クローネに近い物と思って頂くといいかもしれません」

 

今回用意された曲は、プロジェクト・クローネの為に作られた物だ。ただ、ラブライカに関していえばプロジェクト・クローネに居たとしても違和感があまりない。そのため、ソロはもちろんだがラブライカでも十分に使用できる物となっている。

 

「先ずは、聴いてみてください」

 

二人に歌詞を渡し、実際に曲を聴いてもらう。

 

「……曲だけ聴くと綺麗でいいですけど、歌うとなると大変そうですね」

 

「Красивая песня。早く美波と一緒に、歌いたいですね」

 

実際に曲を聴いてみて心配そうな美波と、純粋に美波とステージに立てるのが楽しみな二人の姿がある。不安と期待がそこにあるのだろう。

 

「新田さん、アナスタシアさんのお二人は、元々ボーカルに関してはかなり高い位置にあります。日頃のレッスンの内容から見ても特に心配はしていません」

 

アナスタシアに関しては、プロジェクト・クローネで受けたレッスンがある。美波に関しては、シンデレラ・プロジェクトで見れば、全体的に見てもトップクラスのバランスの良さを持っている。曲が二人の得意なボーカルを重視した物であるのも考えると不安に思う所はない。

 

「ですので、ラブライカでレッスンを行う際はほとんどが調整になります。新田さんには、シンデレラ・プロジェクトのリーダーとして他の方を引っ張って頂きます。アナスタシアさんは、いずれプロジェクト・クローネの方のライブの準備がありますので、それまでに満足のいくものにして頂きます」

 

「プロジェクト・クローネの方でもライブがあるんですか?」

 

「はい。シンデレラ・プロジェクトの後になりますが、公演までの期間は短いです。内容は前回とあまり変わりませんのでそこまで大変ではないと思います。あくまでも、ニュージェネレーションとトライアドプリムスの曲が同時期に発表されるのですがそれの宣伝の為です」

 

「凛ちゃんも大変なんですね。今でも大変そうなのに」

 

「凛は、クローネでも頑張っています。とても、Он светит。輝いています」

 

「そうですね。アナスタシアさんも大変だとは思いますが、渋谷さんはシンデレラ・プロジェクトのライブの前には、トライアドプリムスの方でのレッスンも行います。プロジェクト・クローネの方での仕事もありますので本当に大変だと思います」

 

渋谷凛は、島村卯月や本田未央とのステージの方を見ていたが、スケジュールに関していえば今の段階でも相当ハードなものだ。それでも、今の凛のやる気には僅かの影響も与えないだろう。今の凛は、武内の予想よりも上を行っている。

 

「私達も負けていられませんね。頑張りましょう、アーニャちゃん!」

 

「美波となら、大丈夫です。一緒に、Давайте сделаем наше самое лучшее。頑張りましょう、美波!」

 

「では、今日は曲のイメージを掴んで頂きます。特に難しい事は考えずに曲と歌詞に心を向けて下さい」

 

レッスンと言うよりも顔合わせのような物だ。曲と向かい合い、曲に対しての自分なりの考えや気持ちを得る為に。

 

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

美波とアナスタシアの歌声に耳を傾けながら仕事をする。時々二人の様子を見る為にノートパソコンから視線を外す。

 

「ココは、もう少し抑えた方がいいのかな?」

 

「どうなんでしょうか?」

 

二人は、歌を歌いながら自分達の好きなように曲のイメージを掴んでいく。聴いているだけだが、同じ曲、同じ人間が歌っているとは思えないぐらいに表情は豊かだ。

 

(イメージを掴むのは時間が掛かりますか)

 

二人の中でのイメージを合わせている訳だが良くも悪くも進んではいない。どちらも深く考えているからこそすり合わせが上手く行かない。ただ、技術的な物は問題なさそうなので、それを踏まえて今後を考えていく。

 

「プロデューサーさん」

 

「なんでしょうか?」

 

「アーニャちゃんと話してみたんですけど、ココの部分は少し抑えた方がいいと思いますか?」

 

どうやら先ほど話していた部分のようだ。

 

「新田さんはどう思いますか?」

 

「私は、ココは抑えて次に繋げた方がいいと思います。その方が気持ちを伝えられる気がします」

 

「アナスタシアさんは?」

 

「難しいです。でも、美波の言う事もわかる気がします。どうすればいいでしょうか?」

 

曲を合わせる際には、製作者側とすり合わせる方法もある。ただ、実際に歌を歌いステージで演じるアイドルに任せる事にした。

 

「この曲は、お二人の物です。大変だとは思いますが、自分達の力だけでやってみてください。答えは幾つもあるでしょう。しかし、お二人の持つ物は、お二人にしかわかりません。そして、それがラブライカにとっては答えになるはずです」

 

この曲は、既に二人に託された物だ。その結果がどんなものであったとしても良い物であると信じている。

 

「わかりました。アーニャちゃん、頑張りましょう!」

 

「はい。美波と一緒なら」

 

二人は、元の位置に戻るともう一度歌ってみてイメージを掴もうとする。

 

(難しい事です)

 

二人の話を聞き。二人の歌声を聴いている。こうしてただ聞いている身としては、その変化を楽しんでさえいる。二人には大変だとは思うが、聴いている方からしてみればどれも良くて答えは出せない。

 

(会議でも悩むでしょうね)

 

彼女達の歌からどのようなステージや衣装を決めるか? 今回の物はサンプルとして収録してある。結果が決まればいいが、決まらなければ会議でも揉めるだろう。

 

(ラブライカの問題はこちらですね)

 

今も一生懸命に曲に向き合う二人を見て、歌声を聴いて、今後の会議への癒しとしよう。

 





二晩考えたけど許して。
アーニャのヤンデレとか。
凸レーションとのゲーセンとか。
智絵里との太鼓の達人でのバトルとか考えたけど頭が働かん。

気分転換に他でいろいろと書いてたけどダメなんや。
全部、暑いのが悪い。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。