第一話 邂逅
──昔、昔あるところに一匹の
ある時、その
「ここら辺に昔の住処があるって聞いたんやけど……ホンマにまだおるんかいなその子」
そう独り言を言っている死神──市丸ギンはとある命令によってこの場を訪れていた。
時は少し遡る──
「ギン、少しばかしお使いを頼んでもいいかな?」
そう言葉を発するのはこの
「別にええですけど……ってか隊長、なんかいい事でもあったんすか?」
藍染の表情の違いに気付いた市丸はなんとなくそのことを聞いて見た。すると藍染は何時ものように嘘で塗り固められたような笑みへと表情を戻した。
「まあ、私にとってはいい事かな? 話を戻すけど、ギン、君にある
藍染直々の頼みである。これを断れる者はこの
「別に構わないですけど……その隊長の探している子って何処にいるんですか? この広い
そう言う市丸の心配は無用だと言う様に藍染は言葉を返した。
「ああ、心配しなくてもいいよ、
そう言って市丸に地図を渡した。
──そして現在へと時間は戻る。
市丸は地図の目的地であろう場所を何度もウロウロしていた。その場所はひらけた砂漠が広がっているだけで建物や誰か他の人物の姿もなかった。見渡す限り砂漠が広がっており、目的の
「ホンマなんもない所やな……隊長の言っていた
そう言いながら右往左往していると、
「なんだいキミは、人の
咄嗟に警戒を強めて声の主を探した。しかし、どの方向にも声の主は見当たらなかった。
「何を警戒してるんだい。別に私からは何もしないよ。それと声の主を探してるのなら自分の肩の上を見てみるといいよ」
言われるがままに肩の上を見てみると、一匹の小鳥が肩に止まっていた。
「何ビックリしてんのさ。そんなにこの小鳥が珍しいのかい? だからと言って持ち帰るのは駄目だよ。結構作るの大変なんだからね」
そう言うと小鳥は市丸の肩から飛び立ち、目の前の地面へと降り立った。
「ホンマ、ビックリしたわぁ。いつの間にかボクの肩の上に小鳥が乗っとるからなぁ。ところでキミ本人は何処におるんかいな?」
そう市丸が言葉をこぼすと、
「なんだい、私に用があって来たのか。しょうがないなあ、今から私の
そう言うや否や、いきなり地面が揺れ始めた。しばらく待っていると、目の前の砂漠が割れ、その割れた地面から下に降りる階段が姿を現した。
「その階段を降りれば私の所まで来ることが出来るよ」
「えらい凝った仕掛けやなぁ。それじゃ、お邪魔しますわぁ」
市丸が階段を降りて行くと、入口が閉まり、また何もない砂漠へと戻っていった。
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市丸は階段を降りている最中、周りの景色に驚いていた。天井も床も壁も全て機械のような物で構成されており、時折不気味な光を放っている。
階段を降り終えるとそこには一つの扉があった。しかし、その扉には取手などはなく、市丸にはどうやって開ければいいか分からなかった。仕方なく近づいてみると、自動で扉は上へと上がり、開かれた。
「すごいなぁ、自動扉なんてもんもあるんかいな」
そうして扉を潜った先には更に驚く光景が広がっていた。ベルトコンベアや巨大なモニター、何かを入れる為の巨大なカプセルなど工場と研究所が混ざりあった様な光景である。
「ホンマすごいなぁ……これ全部一人で作ったんかいな?」
「そうだよ。ここにある
市丸が振り返ると、そこには一匹の
「ここにお客さんを連れてくるのはいつ以来かなぁ。それも死神を入れるなんてことは初めてだよ」
そう言うとお茶を市丸へと勧めはじめた。市丸は受け取ったお茶をすすりながら、
「なんや、ボクが死神と知っておいてここまで連れて来たんかいな。どうするん、ボクがもしキミの命を狙ってここまで来たっちゅーたら」
「そんな奴はそもそもこんな所を探し出す事もしないよ。
その言葉に市丸は眉をひそめた。
「……どっかで会ったことあったかいな? ボクの記憶が正しければ初対面の筈なんやけれど……」
「君達のことは色々知っているよ。藍染惣右介や東仙要のことなんかもね。別に関係ないけど浦原喜助や涅マユリなんかも知っているねぇ」
そんな情報をポンポンと話す相手に市丸は思った事を呟いた。
「……キミ、一体何者なん?」
「私? ああ、そういえば自己紹介がまだだったね」
そう言うと市丸の前でお辞儀をしながら言った。
「アンジェ、アンジェ・バニングスだよ。この