できるだけ無欲で生きていきましょう   作:タクロス

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一年経ちました。
その間に溜め書きしましたが、やはりダメでした。ろくに書けてません。一応3話分は書きましたので時間をかけて投稿します。
完結はさせます。プロット通りに行きますが時間的に予定通りに行くことはまずないです。
こんな作者ですので許さないでください


チャイナリターン 〜成長と調整〜

「午後の授業を始める、その前に今朝に伝えたトーナメントだが優勝報酬もある。クラス全員で取り掛かるもよし、クラス代表の織斑にすべて任せてもよし、お前たちが自分で考え自分たちで行動しろ。積極的でも無関係でも構わん、自由に行動してくれ。

ちょうどいい事にこの時間は山田先生の授業だ。山田先生もこの時間はお前たちのための時間にしていいと言ってくれてな、全員一限分の時間を使ってゆっくり考えてくれ。我々は邪魔にならないよう職員室にもどる。何か聞きたいことがあったら直接に聞きにきても構わないが、他のクラスは授業中だ静かに来るように。

 

では山田先生、後は生徒たちに任せましょう」

 

山田先生は、はい、と笑顔で頷くと生徒たちにも笑顔を向けて、皆さん頑張ってくださいね。織斑先生が言ったとおり聞きたいことがあればお答えしますので、と言うと千冬と共に教室から出て言った。

 

唐突な宣言に騒然とするクラス内で返事をする者は少数だった。

 

 

「えー、さっそくですが今度のクラス対抗戦で優勝するにはどうしたら良いか、意見を出し合いたいと思います。クラス代表としての初仕事だし、俺としては優勝したい。だからみんなの知恵を貸して欲しいんだ」

 

先生二人組が教室から出た後、クラス内は一分間ほど事態を把握することに費やすと、いつも通りのざわつきに戻る。

 

 

いつも通りの騒々しさにようやく頭の追いついた一夏は、自分が何をしなければならなくなったのかを把握する。

 

そしてあの台詞にまで戻ってきたのだが、彼女たちの瞳に宿る意思はこの前のクラス代表決定戦の時とは違い、少し楽観視気味だった雰囲気から真剣なものに変わっていた。彼女らもまた成長するのだ。彼女たちにも彼女たちの物語があり、決して成長しないモブやただここにいるだけの野次馬ではないのである。

 

「まずは他のクラス代表について知ってる人はいるかな?」

「はい、2組と3組の人は私たちと同じでこの学校に入ってからISに触りはじめた、って言ってたわ」

「そういえば4組の代表って誰なんだろ?」

「は〜い、4組の代表はね〜かんちゃんなんだよ〜」

「知っているのか!?のほほん!」

「うん、私の親友でね〜日本の代表候補生なんだ〜」

「なんだって、代表候補生がいるのか!?」

「専用機持ちなの?そのかんちゃんって子」

「んーとね、これ以上は言えないかな〜」

「どうしてだ?何か事情があるのか?」

「うん、そんな感じ〜。どうしても言えないんだ」

 

そうか、なら仕方ないとクラスが納得する中、一夏と一緒に新人は教壇に立ってクラスメイトが発言した内容を必要な分にまとめて、慣れない手つきで仮想型(未来技術のある世界によくある、実体はないけどキーボードの形をしたホログラフィックが出てそれに触れると実際に文字がうてるアレ)のキーボードを使って黒板に映し出す。今の所書かれているのは、先程でた2組3組がIS初心者であることと4組が代表候補生であることだけである。

 

「そういえばおりむー、白式のスペックってどうなってるの?」

「白式のスペック?」

「そーそー、拡張領域(バススロット)の空きとか、基本速度、最高速度、瞬時加速(イグニッションブースト)時の機動性と使用エネルギーの量とか、ワンオフの詳しい性能とか、まずは相棒のことを知ってあげなくちゃね〜」

「お、おぉ。のほほんさんからそんな意見が、しかもあんなにはっきりスラスラとでてくるなんて予想外だったけど、相棒のことをもっと知るってのはいいことだな、うん」

 

布仏からこんな意見が出るとは予想外だったとクラス中の女子が意外そうな顔をすると、む〜、ひどいな〜これでも整備科志望なんだよ、プンプンと、頬を膨らませて私怒ってますと主張する。まあ、普段の態度と雰囲気のせいで全く怖くはないのだが、一夏が意見を採用すると新人はキーボードを打ち始める。

 

「他には何かないかな?」

「なら、一夏さんが剣以外の武器を使えるかのスキルテストをしてはいかがでしょうか?

私と戦ったときは剣しか使っていませんでしたが、他の武器も使ってみて感覚を養うのは良いことだと思いますわ」

 

セシリアの意見を聞いた一夏は剣以外にも興味があることを見抜かれたのかと、少し驚いた。銃、特に新人が使ったアンチマテリアルなんてのはまさに男のロマンである。一夏が採用、と言うとすぐに新人がキーボードで打ちこむ。

 

「なら私たちは偵察班希望でーす」

「偵察班?」

「そうそう、他のクラスの子がアリーナで練習してるのを観察したり、お話ししながらそれとなーく聞いてみたり、そうまさしくスパイってやつですよ!」

「スパイだと他のクラスの中に自然と溶け込みながらの情報収集になるのでクラス替えをしなければならないと思うのですが」

「・・・」

 

新人のマジレスで撃墜されたクラスメイトの1人だが、偵察班自体のやることは至極まともなことなので是非やってほしい、ということになった。新人がキーボードで打ちこむと、一夏が他に意見はないかと伺う。これ以上は特にないようなのでここで会議は終了した。新人がまとめたものはクラス内のフォルダへと保存され、同時に次の作業として誰がどの仕事を担当するかを決めることになった。

セシリアと新人、シャルロットは当然実践練習班、箒も希望したことでこの4人に決まった。布仏率いる計測班は白式のスペックを最大限引き出すためにデータを集める役割だ。整備科希望や興味のあるメンバーで構成されている。最後に偵察班は人脈に強いメンバーや隠密ができるメンバー(?)で構成され、今日の放課後から早速始動するらしい。

 

移り変わって今日の放課後、新人が試合での感覚を忘れないために取っておいたアリーナで早速練習をすることになったのだが、まずは計測班が白式のスペックを調べるため他の3人でやりあってくれということになった。新人はカタログで見たシールドや他のショットガンやハンドガン、実体剣やレーザーライフルなど多種多様の武器を拡張領域に仕込み、今か今かと使う機会を無表情なまま楽しみに待っている。初戦はシャルロットが相手だ。左手に盾、右手にアサルトライフルを構える。シャルロットは両手をシールドで固め、言い方は悪いが新人のサンドバッグになるつもりのようだ。しかし、シャルロットはこれでも代表候補生なのだ。盾を構えればセシリアのときのように意表をついた攻撃をしようとそうそう防御の構えを崩すことはできない。新人は思う存分武器を取り回す。盾を構えながらの射撃や二丁拳銃、ナイフとハンドガンでのどこかの蛇を彷彿とさせるインファイト、徒手空拳による格闘攻撃や間接攻撃、終いにはセシリアが使っているものとは別タイプのレーザーライフルやアンチマテリアルを何度も撃ち放った。結果だけ言えば何度も盾を交換する羽目になったがシャルロットは自前の器用さと洞察力で新人の攻撃をほとんど防ぎきった。唯一通った攻撃は徒手空拳による攻撃のみだった。これは新人が実家にいた頃に習っていた格闘術のおかげと言える。だが、完全に防御に回った代表候補生に攻撃を当てられなかったことは少なからず新人に悔しさと尊敬の念を抱かせた。

 

「やっぱりシャルさんはすごい、一瞬の隙もなく攻撃を防がれてしまった。自分なんかとは比べ物にならない。ここまで完璧に防がれると自信がなくなりますね」

「ううん、新人もすごいよ。大体の武器を使ってたけどどの武器にもすぐに慣れちゃったよね。みんな得意不得意があるけど新人にはそれがなかった。どの武器も扱えるのは強みだと思うな」

「励ましてくれてありがとうございます。でも締めはアンチマテリアルにしたいのですが、そこに持ってくまでのコンビネーションがなかなか思いつきません」

「そこは無理にこだわらなくてもいいと思うんだけど…」

「いえ、とどめの一撃というのはロマンなんです。ここは譲れません」

「あはは…私にはわかんないや…」

 

無表情のままシャルロットを褒め称える新人にすぐさま励ましの言葉をかけるがどうやら悔しさではなく、どうやったらロマン砲で相手をぶち抜けるかを模索していて沈んでいたらしい。それでも悔しさをバネに次こそはもう少し被弾させて見せると、シャルロットに伝えるといつでも挑んできていいよと、返事をする。

さて、次はセシリアとの実戦だが、ここで白式の解析が終わった一夏がピットから降りてくる。一夏はいろいろとわかったことがあるから実戦で体感してみたい、と告げるとアリーナ内の空中にいくつものパネルが表示される。実体はないが的としてはちょうどよい。

一夏はおもむろに飛び立つと速度を切り替えながら自由気ままに機体を操っていく。ロールや急旋回、瞬時加速を使い、切りつけては次の的に向けて機体の向きを変え瞬時加速、ブースターを切り慣性に機体を委ねつつ落下しながら一刀を振り下ろし、着地する前に一瞬だけブースターを吹かし隙を減らす。最高速からの慣性制御で振り返りながら機体を止めて反転攻勢をかけれるようにしたり、零落白夜(ワンオフ)を刀身全体ではなく鋒から中腹まで、切っ先のみに発動できることを確かめたり、それぞれの消費量を確かめたりと、思いついた限りのことを体感し吸収していく。一度ピットに戻ってからエネルギーの補給をすませるとすぐさま飛び出して今度はセシリアと試合をする。零落白夜でレーザーを切り払ったり、試した機体制御を実戦でこなして見たりとしているうちに今日の利用時間が過ぎてしまったため本日は解散となった。

 

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