オーバーロード 月下の神狼   作:霜月 龍幻

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第17話

「・・・・・・主天使(ドミニオン)、ねぇ」

 

アルフは冷めた目で敵の召喚した主天使を見据える。

 

「アインズ・ウール・ゴウンの部下であるそこの獣人の小娘を消し飛ばす、そのあとは貴様の番だ」

 

ニグンはアルフの後ろに下がったアインズを指差し、宣言した。

 

「はぁ・・・・・・熾天使が出ると身構えてたけど、こんな雑魚が出てくるとは・・・・・・」

 

「ざ、雑魚だと・・・・・・どういう意味だ!」

 

ニグンが驚愕の表情で言葉はを発したアルフを見つめる。最高位天使を前にしているにも関わらず、その態度は余裕がありすぎる。

 

「最高位天使のを前に、何故そんな態度ができる!」

 

「僕を相手にするなら主天使の一つ上、最低でも座天使(ソロネ)を十体ほど呼ばないと」

 

目の前に降臨した最高位天使を前にして、態度に変化がない。

まさか、アインズ・ウール・ゴウンだけではなく、その部下ですら最高位天使を凌駕する存在なのか。

 

「いや! ありえん! ありえん! 最高位天使に勝てる存在がいるはずがない! 魔神にすら勝利した存在だぞ! はったりだ! はったりでしかない!」

 

もはやニグンに感情を抑えるすべはなかった。

 

「〈善なる極撃(ホーリースマイト)〉を放て!」

 

 

 

善なる極撃(ホーリースマイト)

 

 

魔法の発動。そして光の柱が落ちてきた。そうとしか思えなかった。

第七位階 人間では決して到達し得ない極限級の領域。

 

しかし、その少女は魔法を受けても平然としていた。

 

アルフィリアというアインズ・ウール・ゴウンの部下は、消し飛ぶこともなく、地に伏すこともなく、燃え尽きることも、何もなく、大地に両の足でたっていた。

 

爪をカリカリといじりながら、つまらなそうな声が響いてくる。

 

「一応カルマは善方向だけど、流石に少しぴりぴりするな。 で、もう終わりなの?」

 

「・・・・・・ば、ばかな。 そんなはずはない! 最高位天使の一撃を耐えるなどありえない! もう一度だ! もう一度聖なる極撃(ホーリースマイト)を!」

 

「君のターンは終わりだよ」

 

そう言い、アルフはアイテムボックスに手をいれ、一つの指輪を取り出した。

 

指輪の名前は熾天使の指輪(リング・オブ・セラフ)。効果はMPを消費し、ランダムで熾天使級モンスターを一体召喚する、使い捨てのアイテムだ。

 

その指輪を左手の親指に着けて言う。

 

「貴方に、本当の最高位天使の尊き姿を見せましょう」

 

左手を突きだし、指輪の力を発動する。

 

 

 

召喚(サモン)

 

 

 

その言葉とともに指輪が輝き、MPを吸われていく。

MPの吸引が終わり、指輪の輝きが増すと同時に空が砕け、この向こうから一体の天使が舞い降り、効果を使用した指輪が砕け散った。

 

その姿は人のようであるが、背丈は四メートル程あり、その背には三対六枚の翼、右手には黄金の炎を纏う剣、左手には美しい彫刻が彫られた盾が握られ、身に付けている鎧は銀色の淡い光をともしている。

 

至高天の熾天使(セラフ・ジ・エンピリアン)

 

ユグドラシルでの最高位天使の一角、敵はその神々しい姿を呆然と見つめていた。

 

「いけ、我が敵に聖なる裁きを!」

 

召喚された熾天使が動き出す。

炎を纏った剣を一閃、威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)は胴を横に両断され、光の粒子となって崩壊していく。

 

主天使が完全に消滅し、辺りは静寂に包まれている。

その場には至高天の熾天使(セラフ・ジ・エンピリアン)と、ただ呆然と立ち尽くす敵の姿があった。

 

 

「・・・・・・バカな・・・・・・お前たちは一体何者なのだ・・・・・・」

 

そんな中ニグンは声を発したが、それしか言葉に出来なかった。

 

「僕は神になったただの獣だよ」

 

そう言いアルフは魔法を発動する。

 

魔法抵抗難度強化(ペネトレートマジック)〉、〈魔法効果範囲拡大(ワイデンマジック)〉、〈麻痺の霧(パラライズミスト)

 

魔法が発動し、敵が麻痺によって次々と倒れていく。

 

「ではアインズさん、僕とペロロンチーノさんは先にナザリックに戻るので後は頼みます」

 

アルフはそう言って振り返り、熾天使を送還した。

 

「うむ」

 

アインズの返事を確認し、ペロロンチーノとともに転移する。

 

その心境は、処刑台を登る罪人のように重いものだった・・・・・・。




原作であったアルベドの発狂はカット。
あの部分好きですよ?、性器をミンチにして・・・・の部分は少し引きましたが、そんなアルベド様も大好きです。


設定説明

熾天使の指輪(リング・オブ・セラフ)
MPを消費して熾天使をランダムで召喚する、一回限りの使い捨てアイテム。
便利でありレア度が高めであるが、ガチャからよく出てくる。
カルマ値が善に傾いていないと使えないため、カルマが悪に傾いているギルドメンバーが多いナザリックでは使える者が少ない、ガチャで引くと善に傾いているギルドメンバーに譲渡されるので、アルフは三桁近く保有している。

至高天の熾天使(セラフ・ジ・エンピリアン)
姿に関しては完全に想像です。
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