アインズは陽光聖典をナザリックに送り、村での説明を終え、ナザリック地下大墳墓の地表に来ていた。
そこには一人のメイドが待機していた。
「モモンガ様、ぶくぶく茶釜様がお待ちです」
メイドが一礼し、そう告げる。
「確かアルフさんが調整したホムンクルス、名はマリアだったか。アルベドよ、私は用事ができた。先に玉座の間に戻っていろ」
「はっ!」
アルベドは短く返事をすると、リングの力で転位していった。
「では、案内を頼む」
「了解しました、ぶくぶく茶釜様は第九階層の空き部屋にいます」
「分かった、転移する」
アインズはマリアの肩を掴み、第九階層に転位した。
ナザリック地下大墳墓・第九階層
第九階層に転位したあと、マリアの案内で部屋へ向かう。その途中、ぶくぶく茶釜からの用事を聞こうとメッセージを使ってみるが、繋がらない。
恐らく会って直接話し合いたいことでもあるのだろう。そう理解して思考を終えると同時、マリアが歩みを止める。どうやら目的の部屋に着いたようだ。
「こちらでお待ちです、私は持ち場に戻ります」
「うむ、ご苦労だった」
マリアが一礼し、この場を離れていく。
アインズは扉に体を向け、扉を開き中に入った。
部屋の中にいたのはぶくぶく茶釜の他、アルフとペロロンチーノがいるのだが、二人は何故か正座させられている。
「いらっしゃいモモンガさん、貴方も正座してください」
「はい?」
「いいからそこに正座」
ぶくぶく茶釜はアルフとペロロンチーノの間を指差し、静かながらも威圧感のある声で告げる。
アインズは逆らえず、二人の間で正座する。
「モモンガさん、私に何か報告することはありませんか?」
やさしい声で告げているが、威圧感は増している。
「い、いえ。特には何も・・・・・・」
「へ~・・・・・・じゃあこう言えば分かるかな。 アインズさん、私に何か報告することはありませんか?」
「・・・・・・」
ぶくぶく茶釜の威圧感がさらに増し、質量を持った重石が上からのし掛かってくるような錯覚に陥る。
「何でモモンガさん一人がこの名前名乗ってるのかな、こういうことはギルドの皆で話し合って決めることじゃなかったかな? それとも、モモンガさんにとってこの名前はそれほど軽いものだったのかな? ねぇ、聞いてる?」
「は、はい!。聞いております! 私は決してギルドの名前を軽く思っていたわけではなく、ちゃんとした理由がありまして・・・・・・」
「まぁいいや、それは後で聞いてあげる。 それより」
ぶくぶく茶釜はアインズの両隣のアルフとペロロンチーノを睨み付ける。
「アルフさん、愚弟。どうしてもっと早くメッセージくれなかったのかな?」
そのあと暫く、ぶくぶく茶釜による説教が続いた。
「ふぅ・・・・・・今回はこれで許してあげる」
ぶくぶく茶釜の気がすみ、説教が終わり、威圧感が消えた。
今回、モモンガがアインズ・ウール・ゴウンを名乗ることについて、名乗った理由。
ギルドメンバー、または他のプレイヤーがこちらに来ているのであれば、自分達はここにいると知らせるため。
というのが考慮されアルフ、ぶくぶく茶釜、ペロロンチーノの同意のもと、名乗ることが許された。
「それから、アルフさん」
「・・・・・・はい」
「貴方は今回モモンガさんのすぐそばにいながら、止めずそれを黙認した」
「はい、すみませんでした」
「今回は許しますが、次あった場合・・・・・・」
先程消えた威圧感がアルフにのし掛かる。
「その時は、私の持てる凌辱系エロゲの知識を総動員して犯し尽くしてあげる、現実世界での男が感じられないほどの快楽をその体に刻んであげるから、覚悟してね」
「・・・・・・は、はい・・・・・・」
ぶくぶく茶釜の言葉を聞き、体がガタガタと震えていた。
ぶくぶく茶釜が立ち去り、アインズが立ち上がった。
「すみません、俺が勝手にギルドの名前を名乗ったせいでこんなことに・・・・・・」
「いえ、僕こそ。その場にいて止められたのに・・・・・・あっ!」
「うおっ!」
アルフとペロロンチーノは立ち上がろうとしたが、こけてしまった、恐らく足が痺れてうまく立てないのだろう、こけた体勢から動けないでいた。
「んぅ・・・・・・あ、足が」
「うん、なんかアルフさんが喘ぎ声あげてるみたいで良いな、それにパンツが丸見えで素晴らしい・・・・・・うおぉぉお!、やっやめっ!ごめんなさいぃ‼」
ペロロンチーノの台詞を聞き、アルフはペロロンチーノの足を無言でベシベシ叩いている。
「だ、大丈夫ですか? 状態異常無効が働かないとなると回復系は効かなそうですね」
アインズは心配そうに二人を見つめ、考えている。
「うぅ・・・・・・しばらくはこのままか。 アインズさん、貴方は長としてたくさんやることあるんですから待ってなくていいですよ」
「わかりました、では失礼します」
そう告げると、アインズは部屋を出ていった。
「こんなとき血の通わない体が羨ましい」
「ですけど食べ物は食べられないですよ」
ペロロンチーノの言葉にアルフが答える。
その後、玉座の間で集会が開かれたが、ペロロンチーノとアルフは足の痺れが取れず、出られなかった。
その集会でアインズの口から告げられた、
アルフを四二人目として忠誠を誓えと。
アインズ・ウール・ゴウンを名乗る事を。
アインズ・ウール・ゴウンと言う名を世界に轟かせ、伝説とし、神話や伝説を塗り潰せと。
「これよりお前達の指標となる方針を厳命する アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説とせよ!」
アインズの言葉に、その場にいたシモベ達が一斉に歓声を上げた。
原作1巻終了
アインズの宣言のあと、例の勘違いが発生しますがカットしました。