オーバーロード 月下の神狼   作:霜月 龍幻

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第23話

コキュートスが振り向くとそこには、杖を肩に担ぎ、浮いているアルフがいた。

 

闘技場が静寂に包まれている、観客席にいる者達もコキュートスの攻撃が当たると思っていた。それが攻撃が当たる直前姿を消し、次の瞬間にはコキュートスの背後から杖で後頭部を叩いていた。

 

「アウラ、コール」

 

『え? あ、はい! 勝者・アルフィリア様!』

 

アウラが勝者の名を告げると、観客席のシモベ達が歓声を上げた。

 

「ムムム・・・・・・」

 

コキュートスは口から冷気を吐き出しながら唸っている。

 

 

「アルフさんの戦い久しぶりに見ましたが、腕は鈍ってないようですね」

 

声のする方を見るとアインズ、ぶくぶく茶釜、ペロロンチーノ、階層守護者達が歩いて来ていた。

 

「いや、まだ本調子じゃないですよ」

 

「あの攻撃を捌けるなら十分ですよ」

 

ぶくぶく茶釜がそう言いながら両の手を合わせる。

 

「アインズ様、質問よろしいでしょうか?」

 

「何だアルベド、質問を許可する」

 

「はい。先ほどアルフィリア様は加速魔法をリキャストタイムを無視して使っていたようですが」

 

「うむ、あれはアルフさんの杖、アスケイオンの能力だ。あの杖には加速魔法の他、加速効率上昇、消費MP減少のデータクリスタルが主に使われている。

込められている加速はMP消費無しでも発動できるが、MPを消費して発動することによりリキャストタイムをゼロにする効果があるのだ。

アルフさんの戦い方に興味があるのなら図書館に行ってみるといい、ギルドメンバー達の試合を記録したスクロールがあるはずだ、己が創造主の戦闘を見てみるのも良いだろう」

 

そんなこんなでコキュートスとの試合は終わった。帰り際、ニグン達を見てみると、号泣しながら祈りを捧げていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナザリック地下大墳墓・第十階層 大図書館 23:00

 

アルベドとデミウルゴスは大図書館の扉の前に来ていた、本当はもっと早く来たかったのだが、情報の選別をやっていたらこんな時間になってしまった。

 

「ではいきましょうか、デミウルゴス。アインズ様の戦う姿を映像とはいえこの目で見れるとは思わなかったわ」

 

そう言いながら自分を抱き、くねくねとしている。そんなアルベドをみてため息を吐き、デミウルゴスは言葉を発する。

 

「アルベド、気持ちはわかりますが自重してください」

 

そう言いながら図書館の扉を開き中に歩を進めた。

 

 

 

図書館に入ると、まず目にはいるのが巨大な本棚だ。それが数え切れないほど図書館内に立ち並んでいる。

 

そんな中、数本のスクロールを抱えたシャルティアが横切った。

 

「シャルティア、ここで何をしているのかね?」

 

「あら、デミウルゴス。それにアルベドも来たでありんすか?」

 

「「も?」」

 

「考える事は皆同じ、と言えば分かるでありんすか?」

 

「ああ。そう言うことね」

 

「では、ついてくるでありんす。他の守護者ももう来ているでありんす」

 

そう言い、シャルティアが歩き始め、そのあとに二人が続く。

 

少しすると開けた所に出た。そこには椅子と机が複数あり、貸し出しカウンターもある。

その一角に他の守護者達がいた。

 

「あ、アルベドとデミウルゴスも来たんだ」

 

アウラが近づいてくる三人をみて、手を振ってそう言った。

 

「皆はもうスクロールは見つけたでありんすか?」

 

「このとおり」

 

守護者達が囲むテーブルの上にはスクロールが山になっている。

スクロールにはラベルが貼ってあり、対戦者の名前と撮影者の名前、ルールがかかれている。

主にアルフの物が多いが、中にはアルフの名が書かれていないものもある。

たぶん、自分の創造主の試合が気になり持ってきてしまったのだろう。

 

「にしても何でこうバラバラにあったのでありんすか?、司書は居るのでありんしょう?」

 

「あたしに聞かないでよ。でも、近々図書館のシモベ総出で整理するみたい」

 

シャルティアがスクロールを山に追加し椅子に座る。

アルベドとデミウルゴスも空いている椅子に座った。

 

「デハ、ドノスクロールカラ見ルノダ?」

 

「これにするでありんす」

 

シャルティアの持ったスクロールには武人建御雷対アルフィリア 撮影者ペロロンチーノ、とある。

ルールはコキュートスの時と同じのようだ。

 

「異論ハナイ」

 

全員が異議なしと確認し、シャルティアはスクロールを開いた。

 

 

映し出された戦闘は、コキュートスと同じような状況だった。

最初にアルフが無限増幅を唱え、加速していく。

建御雷の攻撃が次々弾かれていくが、中には見切りを突破することもあるがかわされ、アルフが跳び引き加速を唱える。

 

そんな中シャルティアが映像の妙な所に気づいた。

 

「何でローアングルが多いのでありんしょう? わたしにとっては眼福でありんすが」

 

そう、アルフが飛んだり跳ねたり、衝撃波等が起こると必ずといっていいほどアングルが下がり、アルフのスカートがアップになる。

 

「ペロロンチーノ様、下着が見たいのでありんしたら、わたしに言ってくれれば見せるでありんすのに」

 

 

 

「シャルティアよ、こういうのはただ見れれば良いというものではない、チラリズムが大切なのだ。見えそうで見えなが、時々見える下着というのが至高である、のだが、丸見え、捲し上げというのも捨てがたい!」

 

 

 

「そうでありんすか?・・・・・・ ペロロンチーノ様?!」

 

その言葉に守護者達が一斉にシャルティアの方を見た。

気がつくと、シャルティアの横にはペロロンチーノがたっていた。




22話の誤字指摘ありがとうございます。

シャルティアは取り敢えず「ありんす」をつけとけば問題ないだろうと適当になりつつあります。


設定説明

アスケイオン
アルフの装備する杖
杖には加速効率上昇と消費MP減少のクリスタルが主に使われている、加速特化の杖。
封じられている加速はMP無しでも発動できるがリキャストタイムが発生する、MPを消費して杖の加速を発動するとこでリキャストタイムがゼロになる。
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