オーバーロード 月下の神狼   作:霜月 龍幻

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第58話

ぶくぶく茶釜は手に持ったスクロールで自分の肩を叩きながらナザリック地下大墳墓 第九階層の廊下を歩いていた。目的地は弟であるペロロンチーノの部屋だ。

 

何故ぶくぶく茶釜ここにいるかと言うと、アルフの採寸とドレスの細部の指示等があり、ずっと待っていても暇なので弟をいじりに行くのだ。

 

ペロロンチーノの部屋の前につき、ノックをしてから声色を変えてペロロンチーノを呼ぶ。

 

「ペロロンチーノ様少しよろしいでしょうか」

 

声は一般メイドに似せている、今まで声優でやったことがないような声だ、いくら弟であっても聞き分けられないはずだ。

 

「はーい」

 

案の定疑いもないような声が扉の向こうから聞こえる。

少しして扉が開き、中からペロロンチーノが顔を出した。

 

「げ、姉ちゃん⁉」

 

ペロロンチーノはそう言いながら慌てて扉を閉めようとするが、閉まる前にスルリと滑り込んだ。

 

「げ、は無いでしょ愚弟」

 

「何、また理不尽な要求をしに来たの?」

 

「違うわよ。今日はあんたにも幸せを分けに来てやったのにその反応は失礼だと思うなぁ」

 

そう言いながら手に持ったスクロールをペロロンチーノに向けて放り投げる。

 

「あんたの態度次第ではもっと素晴らしい物を分けてもいい」

 

ペロロンチーノはスクロールを開き、保存されている映像を再生する。

映し出されたのは、アルフがクレマンティーヌの首筋に牙を立て、クレマンティーヌが甘い声を発する光景、クレマンティーヌを眷属にした時に撮った物だ。

 

「失礼いたしました御姉様‼」

 

そう言いながらペロロンチーノは片膝をつく。

 

「わかれば良いの」

 

そう言いながらもう一本スクロールをペロロンチーノに渡す。それを受け取り、スクロールを広げる。

 

映し出されたモノはアルフの全裸姿、シャワーを浴びたり体を洗ったりする光景だ、しかも細部までくっきりはっきりと映されている。

アルフがこの場に居れば「何時こんなもの撮ったんですか!」と怒られているだろう。

 

「御姉様、私は何をすればよろしいでしょうか?」

 

「まぁこれはお裾分けよ、何かあったときちょっと手を貸してくれるだけでいいから」

 

「御姉様の御心のままに」

 

そこには絶対なる姉とそれに服従する弟、ぶくぶく茶釜の理想の姉弟の姿があった。

 

「そういえば、アインズさんは今どこ?」

 

「自室にこもって情報のチェックと魔王ロールの練習してると思う」

 

「アインズさんも大変だよねぇ、じゃあアインズさんにも幸せのお裾分けをしてきますか」

 

そう言うと、ぶくぶく茶釜はペロロンチーノの部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

ぶくぶく茶釜はアインズの私室の扉をノックし、「お邪魔しまーす」と声をかけてから部屋に入った。

 

「・・・・・・」

 

アインズは紙の束を右手に持ち、左手を顎に当て何やら考え込んでいるようだ。

ぶくぶく茶釜はアインズの机に近寄るが、集中しているようで気付いてくれない。

 

ぶくぶく茶釜はそっとアインズに近寄り、声の具合を調整してロリ声にし、アインズの耳元で言葉を発する。

 

 

「モモンガお兄ちゃんそこはらめぇぇ‼」

 

 

「ぶふっ‼」

 

アインズは不意を突かれ書類を落としそうになるが、なんとか留まり、振り返って声の発生源であるぶくぶく茶釜見る。

 

「・・・・・・茶釜さん、驚かさないでくださいよ」

 

「アインズさんがいけないんですよ、扉ノックして声かけてから入ったのに気づかないんだもん」

 

「だからってあんな台詞で呼び掛けなくてもいいでしょう。で、何か用事ですか?」

 

「ん、アインズさんにも幸せのお裾分けです」

 

ぶくぶく茶釜はアイテムボックスからスクロールを取り出し、アインズに手渡す。

 

「幸せですか。鳳凰か麒麟でも見つけましたか?」

 

アインズはそう言いながらスクロールを広げて再生し、固まった。

映し出されたものはアルフのシャワーシーン、ペロロンチーノに渡したものと同じ物だ。

 

「ちょっ⁉何てもの撮ってるんですか‼」

 

「いいでしょ」

 

「いいでしょ。じゃなくてこれ盗撮ですよ‼」

 

「ここは現代ではない、故にこれは違法の品ではないのです。よろしければ差し上げますよ?」

 

「・・・・・・ありがとうございます」

 

アインズはスクロールを受けとることにした。

 

「正直が1番です。今度もっと凄いのあげますよ」

 

「う、うむ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

同刻 第九階層 会議室

 

そこにはアルベドを除く守護者達がそろっていた。

 

「皆さんそろいましたね、これより守護者会議を開きたいと思います」

 

「ねえ、デミウルゴス。アルベドの姿が見えないんどけど、呼ばなくていいの?」

 

「アルベドは今、アルフィリア様のドレスを作ると言う重要な仕事をしている。アルベド本人から今回の会議は欠席するとメッセージが来た、後で議事録を渡しておけば問題ないでしょう」

 

「ならいいや」

 

「ではこれから会議を開始します、今回の議題は我々の今後の行動についてです。今ナザリックはリザードマン制圧を行っていますが、リザードマン制圧後は王都にてアインズ様の名声を高めるのと物資補給を兼ねた作戦を行う予定です」

 

「ゲヘナ、だよね。大量の悪魔を召喚するんだっけ?」

 

「ええ、その作戦でアルフィリア様の行動次第ではより多くの成果が得られるかも知れません」

 

「ゲヘナとアルフィリア様がどう関係するでありんすか?」

 

「アルフィリア様は今度、国王主催の昼餐会に参加なされる。そこで王族と接点を持ち、ゲヘナではアインズ様とともに人間側につくでしょう。そこでアルフィリア様の行動の意を読み、それに合わせてゲヘナを進行させれば効率よく物資の回収が出きるはずです」

 

デミウルゴスは不敵な笑みを浮かべた。




黒兎詐欺様、御指摘ありがとうございます。

確かにこのままだとプレイヤー が四人いる意味がないですね。
アルフ・茶釜二人+αの異世界放浪記、とタイトル変えても違和感がないきがします。

これからは時間を飛ばす所でアインズ様やペロロンチーノ視点でも書いていこうと思います。

「さすがアインズ様‼」な展開はオーバーロードの醍醐味なので入れていきたいと思います、前にも増して変な所が増えるかもしれませんが、見逃してもらえると助かります。
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