オーバーロード 月下の神狼   作:霜月 龍幻

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第8話

先程モモンガ達と別れ。現在は第九層の自室へ入り、今の自分の状況を確かめている。

 

部屋は錬金術師のアトリエ風にしてあり、机の上には木製の試験管立て、そこに淡く光る液体が入った試験管があったり、ビーカーやフラスコなどの道具、魔導書のような分厚く古い本がおかれている。

 

そして今、机の横に置かれた姿見の前に佇む少女がいる。

 

背丈は157cm程、髪は黒曜石のような光沢をもった漆黒のロングヘアー、頭部には狼の耳があり、胸はこの身長にしては大きめである。

服装は魔導師風で、肩甲骨を隠すくらいの長さしかないローブを着用し、その下には神獣の革から創られた身体にフィットする革鎧を着ており、

上半身と下半身の着ているものの間からは髪と同じ美しい毛が生えた長い尻尾が出ている。

はいているスカートには所々に宝石系の装飾品が付けられている。

 

見た目は完全に女の子である。

 

視線を目の前の姿見から自分の身体に移す、着ている革鎧を胸が押し上げ、山を作っている。

 

革鎧の間から手をいれて胸を触ってみる。確かに体温があり触られている感覚もある。

 

胸から手を放し、視線を更に下へ、股間に移す。

 

「・・・・・・」

 

今まで気にしないようにしていたが、やはりアレは無くなっているようだ。

念のためその場で数回跳ねてみるが結果は変わらなかった。

 

考えていても性別が戻るわけではない、姿見の前から移動し、大きめのベッドに腰掛け、意識を自分の中に集中させ、スキルの中の『変化』が使えるか確かめる、変化とは文字通り、顔はあまり弄れないが、性別と身長と耳や尻尾の有無を弄れるため、変化で男の姿をとろうとしたが世の中そんなに甘くないようで、

使えそうで使えない、そんな状態だった、何かしら発動に条件が追加されているのだろうか?

 

「はぁ・・・・・・」

 

ため息をつき、ベッドに横たわる。

 

「異世界転移か・・・・・・昔あったライトノベルみたいだ」

 

読んだことがあるモノの主人公達の大半は、もとの世界に戻ろうと奮闘していたが。

実際に同じことになってみると、戻りたいとは思わない。

 

元いた世界は公害、自然破壊が進み。

大気汚染、土壌汚染、水質汚染等が地球全体で起こっており、地球の全生物が死滅するのも時間の問題だと言われている。

 

あんな世界にいるよりはこちらの方が良い。セバスの話では見渡す限り大自然が広がり、空には数多の星が瞬いていたという。生まれてから一度もきれいな空や自然を生で見ていない身とすれば、これほど素晴らしい世界はない。

 

アルフは身体を起こして手を伸ばし、アイテムボックスに手を入れる。

アイテムボックスの中から目的のアイテムを引っ張り出し、まじまじと見つめた。

 

今手に持っているものは『力の木の実』というリンゴに似たアイテムだ。効果は「一定時間、少し物理攻撃力を上げる」というもの。

 

迷わず口に運び、かじりつく。

 

シャクッ、という音が響き、口の中に果汁と味が広がる。

今まで食べてきた物の中で一番美味いと思えた。

 

それもそうだ、元の世界では食材全般は合成品であっても高級品であり、一般市民では手が届かない物になっているため、最も安く手にはいる栄養補助合成食とサプリメントが主食となっている。前に興味本意で高いリンゴを買って食べたことがあるが、食べてすぐさま後悔した。

味は無いに等しく、パサパサしていた、まだ味付きの栄養補助合成食の方が味が濃く感じる、そのリンゴ一つで三日分の食費が飛んだ。

 

アイテムをかじりながら立ちあがり、ベッドの上にアイテムボックスから出した、無限の背負い袋(インフィニティ・ハヴァサック)を並べていく。

 

袋にはラベルが付いており、メイン装備、予備装備、消費アイテム、回復系消費アイテム、スクロール、触媒とあり、この中で多数を占めているのは素材、データクリスタルとラベルが貼られている物で、それぞれ十袋、ベッドの上は計26の袋がベッドを埋める。

 

アイテムを食べ終え、「力の種」に変わった物をアイテムボックスに仕舞う。

 

ベッドの空いている部分に腰掛け、メイン装備と書かれた袋を取り、中の物を取り出して何か異常はないか一つづつ調べていく。

 

 

メイン装備、予備装備とチェックを終えて、特に問題がないと確認した、この調子なら他の物も問題無いだろうとパッと中身を見ただけで無限の背負い袋をしまっていく。

 

 

「御父様、準備が出来ました」

 

袋をしまい終えると同時、部屋の奥の扉が開き人影が現れ一礼をしてそう告げた。

 

「ありがとう」

 

現れた人影、改め少女に歩み寄り頭を撫で、隣に浮いている小型犬サイズの竜も撫でる。一人は嬉しそう微笑み、一匹はもっと撫でてというように手にすり寄ってくる。

 

少女の方はマリアと言い、外見は白髪赤目、肌は白く、メイド服を着ているホムンクルスであり、ナザリックのシモベとして産み出されたのではなく課金ガチャで当たった物を、課金アイテムやスキルを使ってLv100にしたり外見や設定をいじったNPCだ。

 

隣の竜は西洋風の黒龍、こちらも課金ガチャで当てたものであるが、ホムンクルスと違い。Lv100で排出された大当たり枠の景品で、状況次第ではプレイヤーをも倒せる戦闘能力を有しているのだが、職業で魔獣使い(ビーストテイマー)、竜騎士をとっていないので部屋で番犬ならぬ番竜としておいており。

元の姿が大きすぎて部屋に入らないので、サイズ調整できる腕輪を付けて現在の大きさにしている。

一応テイム系の能力を付与する装備があれば乗って戦闘が出来るが、戦闘スタイルが合わないために創っていなかった。

今度手綱を作り、黒龍に乗って空を飛び回るのも面白そうだと、心の中で思う。

 

「じゃあ、錬金しようか」

 

そう告げて部屋の奥に歩を進めた。




あとがき追加、
他の人を見習って話の中では出せなさそうな設定を書いていきます。捏造等も多分に含まれます。

課金ガチャ・NPC
基本的にはギルド拠点で作るNPCとあまり変わらないが、出てきたNPCに合う種族や職業を取っていないと弄れる範囲外極端に狭い。
プレイヤーの同意無しでは所有権の移動は不可。
フィールドでテイムするモンスターと違い蘇生出来るが、プレイヤー同様のLvドレインが発生する。

課金ガチャ・ホムンクルス
種族レベル・ホムンクルスをLv5もった状態で排出されるNPC。職業に錬金術師を持っていると、NPCの外見、設定、Lv等をアイテムやスキルを使って弄れるため、無限収集している者もいる。
他のプレイヤーには大外れであるが、錬金術師に売ってユグドラシル金貨に換えたりしている、中には知り合いの錬金術師に頼んで好みの外見にしてもらう人もいるそうな。

課金ガチャ・黒龍
イベント限定で排出されているNPC、
戦闘能力が高く、ブレス系やスキルが多彩なため、多くの魔獣使いと竜騎士が狙うも、ボーナスを全て溶かすも出てこない、あまりの排出率の低さに運営のSNSが大炎上したが、排出率は変わらなかった。
アルフは他のアイテム目的でガチャを回して偶然黒龍を手にいれた。
使い道は無かったが、そのままにしておくのももったいないので番竜として部屋に置いている。
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