魔法少女リリカルなのは 〜fortissimoの輝き〜 リメイク   作:fortissimo 01

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リアルでやる事がたくさんあり更新遅れました〜!


目覚める力

零時とサクラが小学校に入ってしばらくたち、クラスになじみ始め友達も増え、なかなか充実した毎日を過ごしている。そんなある日の夜、

 

(なんだ……?)

 

零時は不思議な夢を見た。映像には怪物と少年が戦っている姿が映る。少年は怪物と戦うが、怪物に逃げられてしまい、少年は倒れてしまった。そして少年は倒れながらも呟いた。

 

『誰か……僕の声を、聞いて。力を貸して……魔法の力を』

 

そう少年が呟き、夢はそこで終わった。

 

 

 

翌日。零時とサクラはいつも通り学校まで歩く。零時は昨日見た夢の内容を考えていた。本当に夢……だったのか? 零時が考えているとサクラが零時の顔を覗き込む。

 

「マスター? どうしたの?」

 

「ん? ああ、いやなんでもない」

 

零時は夢の話はひとまず置いておくことにした。

 

 

 

 

昼休み。屋上ではいつものメンバーで食事をとっていた。

 

「将来の夢か……アリサちゃんとすずかちゃんは大体決まっているんだよね?」

 

なのはが今日の授業でやった『将来の事』について話し出した。

 

「うちは……お母さんとお父さんが会社経営だからね。いっぱい勉強してあとを継がなきゃ!……って感じかな?」

 

「私は機械系が好きだから……工学系で専門職の仕事につきたいなぁ〜」

 

最近の小学生はよく考えているなと零時は感心した。

 

「そっか〜二人共すごいね〜」

 

「なのはは喫茶翠屋の二代目でしょ?」

 

「うん……一応それも考えているんだけど、まだ他に自分ができることがあるような気がするんだけど……まだわからないんだ。でも私、特技も取り柄もないし」

 

なのはは若干うつむいた状態で言った。そんな事ないと思うがな……。

 

「このバカチン!」

 

「ひゃあ!」

 

するとアリサは自分の弁当からレモンを取り出しなのはの顔面に投げつけた。もっと優しくしろよ……。

 

「自分から取り柄がないなんて言うんじゃあないわよ!」

 

「そうだよ!なのはちゃんだってなのはちゃんしかできない事がきっとあるよ!」

 

アリサに続いてすずかもなのはの言葉を否定する。

 

「そ・れ・に、あんた理数の成績は私より成績がいいじゃない! なのに自分には取り柄がないなんてどの口が言ってんのよ!」

 

「ひ、ひゃいよ! ありひゃひゃん! で、でも、文系や運動は苦手だし〜」

 

アリサはなのはのほっぺを引っ張った。かなりの強さで引っ張っているのかなのはのほっぺがもちみたい伸びる。

 

「うー……あ!そういえば零時君とサクラちゃんは将来ってどうするの?」

 

なのはがそう言うとアリサとすずかも興味津々にこちらを見てくる。将来ね……。

 

「わかんない!」

 

「あんたはそう言うとなんとなくわかったわ……」

 

「零時君は?」

 

「俺も考えてないな。別に今決めなくてもいい事だからな。だからなのはも深く悩まなくていいんじゃないか?」

 

「うん、そうだね……ありがとう零時君」

 

 

授業が終わり、放課後。現在、なのは達が通っている塾の道を歩いている。零時とサクラは買い物に行く道が同じなのでついていってる。

 

「今日のすずか、ドッチボールの時すごかったよね〜!」

 

「うん、すごかったんだよ!」

 

「すすかちゃん、とってもかっこよかったの!」

 

「ああ、すずかがあんなに運動神経が高いなんてびっくりしたよ」

 

「そ、そんな事ないよ〜!」

 

すずかは皆から褒められて、顔を赤くしながら手を横に振る。そんな話をしながら、しばらく歩くとアリサが走り出した。零時達はアリサを追いかけるとそこには小さな道があった。

 

「これ! ここを通ると塾に近道なんだ!」

 

「え? そうなの?」

 

「ちょっと道悪いけどね!」

 

「なんだかワクワクするんだよ!」

 

零時達はアリサを先頭にして、小さな道を進んでいく。林の中を歩くとふと零時は夢の事を思い出す。

 

(気のせいかな……ここ夢の場所にどこか似ているような?)

 

零時がそう思いながら歩く。するとなのはが当然立ち止まって辺りを見回す。

 

「…………」

 

「どうしたの、なのはちゃん?」

 

「なのはちゃん?」

 

「え、あ、ううん! なんでもない……」

 

なのはがまた歩き出そうとした時ーー。

 

 

 

『助けて……』

 

 

 

「「「っ!?」」」

 

頭の中に声が響く。

 

「ん? どうしたの、三人共?」

 

「ねぇ……今、なんか聞こえなかった?」

 

「え? 私はなんにも聞こえなかったけど……」

 

「私もだよ?」

 

「て事は今の声が聞こえたのは俺とサクラとなのはって事か……『サクラ、これって念話だよな?』」

 

「そうみたいだね……『うん、おそらく魔力を持った人が周囲にいる魔力を持っている人に出してると思うんだよ』」

 

(という事はなのはも魔法の素質が? それにあの声……。夢で出てきた男の子の声に似ている)

 

零時はなのはを見ながらそう考えているとまた声が聞こえた。

 

 

『助けて!』

 

「っ、こっちだ!」

 

「うん!」

 

零時の声に零時とサクラは駆けるーー。

 

「私も……!」

 

「え? ちょ、ちょっと零時、サクラ、なのは!」

 

「零時君? サクラちゃん? なのはちゃん?」

 

なのはを先頭にしてアリサとすずかも零時達を追いかける。

 

 

 

 

 

「マスター! ここら辺から来たんだと思う!」

 

「ああ、この辺だな……一体どこから?」

 

零時は辺りを見渡す。そこは夢と全く同じ場所だった。すると木の近くにイタチが倒れていた。零時はイタチのところまで行き、イタチを抱えた。衰弱してるな、早く手当てした方がいいな……

 

「零時君〜!」

 

声のした方を向くとなのは達が追いついてきた。

 

「もう〜! いきなり走ってどうしたのよ!」

 

「あ!この子……動物? 怪我してるみたい」

 

「ほ、ほんとだ! どうしよう……」

 

確かこの付近に動物病院があったな。

 

「確かこっちに獣医があるはずだ!」

 

零時たちはイタチを抱えながら動物病院へと向かった。

 

 

 

零時達は動物病院に着き、さっそく獣医の先生に先ほどのイタチを診てもらう事にした。現在手当てされた状態でベッドに寝ている。

 

「うーん、怪我をそこまでだったけど……だいぶ衰弱してるみたい。もしかしてずっと一人ぼっちだったんじゃないかな?」

 

「院長先生、ありがとうございます」

 

「「「「ありがとうございます!」」」」

 

「どういたしまして!」

 

零時達はベッドに寝ているイタチを見る。大きな怪我は無いがやはり衰弱していたのか深い眠りに入っている。

 

「先生……これってフェレットですよね?」

 

「フェレット……なのかな? ここらでは珍しいけど……それにこの首についている宝石は?」

 

獣医の先生がフェレット? の首にある赤い宝石を触れようと思ったらフェレットが目を覚ました。

 

「あ、起きた!」

 

起き上がったフェレットはあたりを見渡す。そして、零時の方に向くとそのまま零時を見つめている。

 

「この子……零時を見てる?」

 

「みたいだな……」

 

零時はフェレットの頭を指で撫でる。するとフェレットは静かにまた眠りに入った。獣医の先生はフェレットを籠の中に優しく入れた。

 

「まだ、衰弱してるみたいだから……1日、この子はここで預かるわ」

 

『ありがとうございます!』

 

「よかったら、また明日様子を見てきてあげてね?」

 

『はい!』

 

これで一安心と思った零時は病院にある時計を見てある事を思い出した。

 

「そういえば、なのはとアリサとすずかは塾大丈夫なのか? もう結構時間経ってるぞ?」

 

「え!? そういえばすっかり忘れてた!」

 

「俺とサクラはここから買い物に行くから、じゃあな」

 

「うん、じゃあね! 零時君、サクラちゃん!」

 

なのは達は病院を急いで出て行った。零時とサクラは獣医の先生に再度お礼を入ってから病院を出て行った。

 

 

 

スーパーで買い物をしながら零時とサクラは念話で会話をしていた。

 

「(まさかなのはに魔法の才能があるなんてな……)」

 

「(私も驚いたんだよ! でも気になるのが……)」

 

「(あのフェレットだな……)」

 

おそらくあのフェレットが念話したのだろう。気になるところがまだ多いが今は置いておこう。

 

「悩んでもしょうがない。この話は晩御飯の時に話そう。ところで晩御飯は何が良いんだ?」

 

「私、久しぶりにカレーが食べたいかも!」

 

「カレーか……最近食べてないからな。それにしようか」

 

零時とサクラは晩御飯のメニューが決まったのでカレーの食材を買い、家に戻った。

 

 

 

零時の自宅。サクラがソファに座ってテレビを観てる中、零時はテーブルで今日起こった出来事を考えていた。偶然とは思えない……。

 

「……なんか嫌な事が起きそうだな」

 

零時は夜空を見ながらそう言った。

 

刹那ーー。

 

『聞こえますか……僕の声が、聞こえますか!? 聞こえているあなた……僕に力を貸してください。お願いです、僕の所に……!』

 

「! フェレットか……」

 

そこまで喋ると念話は途切れた。どうやらあのフェレットの身に何かあったようだ。

 

「とりあえず行ってみるか。サクラ、行くぞ!」

 

「うん!」

 

零時とサクラは動物病院のある方へ走った。

 

 

 

数分後、動物病院に着いた零時とサクラは目の前の光景に目を疑った。それは病院が無残に半壊してたからだ。零時は周りに誰かいないか確認する。

 

「どうやら周囲に誰もいないみたいだな……それにしても一体何が?」

 

「マスター! これ……」

 

瓦礫の中からサクラが見つけた物は夕方フェレットを入れていた籠だった。中にはフェレットがいない。何処かに逃げたか? 無事ならいいが……っ!

 

「魔力反応!?」

 

魔力を感じ取った方に顔を向けると桃色の光の柱が現れた。

 

「この魔力……なのはちゃんなんだよ!」

 

「何かあったんだな……。急いで向かうぞ、サクラ!」

 

「了解!」

 

零時とサクラはなのはの事を心配しながら桃色の柱のところまで走った。

 

 

 

 

数分前、夜の道ーー。歩く人影が誰もおらず、辺りは静寂で守られていた。そんな道を一人の少女と一体の動物が走っていた。

 

「ま、まだ追いかけてきてるの!?」

 

高町なのはは走りながら後ろをちらっと見る。視線の先には黒い異形な生物が追いかけてくる。

 

「どうすれば……!」

 

刹那、なのはの横を怪物の触手が横切った。触手はそのまま壁に衝突すると壁は粉々に粉砕された。このまま逃げたところでーー!

 

【グルルル……】

 

「!」

 

なのはは後ろを向くと黒の怪物がこちらにじりじり迫ってきてる。

 

「もう、これしかない!」

 

するとフェレットがなのはの肩に乗り、自分の首にかかっている宝石をなのはに渡した。

 

「これって……?」

 

「この宝石を握って、目を閉じて、集中して!そして、僕が言うことを続けて言って!」

 

「わ、わかったの!」

 

やらないよりやる。なのははそう思い、宝石を優しく握る。

 

「よし、じゃあ行くよ!」

 

「うん!」

 

なのはは目を閉じ集中する。

 

「我、使命を受けし者なり」

 

「わ、我、使命を受けし者なり」

 

「契約のもとその力を解き放て」

 

「えと……契約のもと、その力を解き放て」

 

「風は空に、星は天に」

 

「風は空に、星は天に」

 

「そして、不屈の心は」

 

「そして、不屈の心は」

 

 

「「この胸に!」」

 

「「この手に魔法を!……レイジングハート!セットアップ!」」

 

瞬間ーー。宝石を握っていた手から桃色の光が溢れ出す。その光は天まで届いたーー。

 

「え……な、なに!?」

 

「なんて魔力だ…………はっ!落ち着いて、イメージして。君の魔力を制御する杖の姿を!自分を守る衣服を!」

 

「そ、そんな事……急に言われても! えーっと、とりあえずこれで!」

 

なのははとりあえず頭ですぐ思いついた杖を服をイメージした。

次の瞬間……桃色の光がなのはを包む。その光が消えると小学校の制服に似た純白の服を身に纏い、手には杖のようなものを握っていた。

 

「成功だ……!」

 

「え!え!嘘!なにこれ!?」

 

【ぐるる……ぐおおおおお!!!】

 

なのはが突然の出来事についていけず動揺していると怪物が跳躍し、なのはとフェレットに向かって飛びかかってくる。

 

「!……危ない!」

 

「え……!」

 

なのはがやっと自分の状況を理解し、怪物を見る。とても躱せる距離じゃない。

 

「オラァ!」

 

【グッ!!?】

 

直撃する寸前ーー。突然怪物に剣や槍など、無数の武器が突き刺さる。怪物はそれをまともにくらい、体制を崩しながら墜落する。

 

「一体誰が……っ!」

 

フェレットは近くの屋根を見つめる。なのはも釣られてみるとそこにはなのはがよく知ってる人物がいた。

 

「俺がきたからにはもう安心しろ、なのは!」

 

「か、海斗くん!?」

 

屋根の上には赤い衣を纏った御剣海斗の姿があった。

 

「彼は一体何者だ? それに先ほどの攻撃……。彼の武器は何処から?」

 

「いくぞ!雑種!」

 

すると海斗の周りの空間が歪む。そこから剣や斧、槍など様々な武器が飛び出てきた。その武器達は怪物の方に矛先を向ける。

 

「オラァ!」

 

武器が一斉発射される。砂埃で見えないが怪物は相当ダメージを負ったに違いないとユーノは確信する。

 

「これなら……!」

 

しかしーー。

 

【グォォォォォォ!!!】

 

ーー砂埃の中から触手が突如現れる。触手は真っ直ぐ海斗の足を捉え、絡みつく。

 

「な、なに!? うおっ!?」

 

海斗は触手によって身体を持ち上げられ、コンクリートの壁に激突させられる。

 

「くそ……」

 

海斗は意識があるものの身体が言う事を聞かず冷たい地面に身を伏せる。怪物は再度なのはとフェレットを視線に捉える。そして怪物はこちらに向かってきた。

 

「くっ!……ここまでかっ!」

 

「そ、そんな……」

 

なのはの視界では周りが遅く感じられた。ゆっくりと怪物がこちらに向かってくる。ああ、これが死ぬ直前の状態なんだな……。なのはは非常な現実を目の前に静かに目を閉じる。

 

(ごめんね……お母さん、お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん。ごめんね、アリサちゃん、すずかちゃん、サクラちゃんーー。

 

ーー零時君)

 

なのはの目から静かに雫が一つ溢れる。雫が地面を落ちた瞬間だったーー!

 

 

 

福音の魔弾(ヴァイス・シュヴァルツ)!」

 

【グォッ!?】

 

「……え?」

 

突如、白と黒の閃光が怪物に直撃する。怪物は少し体制を崩し、地面に伏せる事になった。一体誰が……?

 

「ーーどうやら間に合ったようだな」

 

すると屋根から誰かがなのはの前に降りてきた。その者の顔は暗闇で何も見えないが、この声に聞き覚えがあった。もしかしてーー。

すると月を隠していた雲がちょうど移動し、地上に月の光が下りる。

 

「怪我はないか?」

 

その者はーー。

 

「れ、零時君……!」

 

漆黒と純白の二拳銃を両手に持つ、神谷零時の姿がそこにあったーー。

 

 

「零……時君……零時君!」

 

「おっと!」

 

緊張感がとけ、なのはは零時に抱きついた。

 

「うぅ……零時くん、ありがとう……怖かった」

 

「悪い、遅れた」

 

零時は少しでもなのはを安心させるように優しく頭を撫でながら言う。

 

「マスター!」

 

「お、来たか」

 

「え?」

 

何処からか声が聞こえる。すると屋根から戦闘服に着替えた零時の二心同体の相棒が降りてきた。

 

「ふ〜やっと追いついたんだよ」

 

「え、サクラちゃん!?」

 

「あ、なのはちゃん! 大丈……夫……」

 

サクラは零時となのはの今の状況を見て目を見開いた。

 

「ど、どうしたのサクラちゃん?」

 

「ま、マスターとなのはちゃん! なんで抱きついてるの〜! むむむ……羨ましいんだよ!」

 

「あ、こ、これはその……」

 

なのはは顔を赤くしながらすぐさま零時から離れ、オロオロし始める。

 

「おい、二人共。そんな事言ってる場合じゃねぇぞ」

 

「「え?」」

 

【ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!!】

 

すると怪物は体制を立て直し、雄叫びをあげる。

 

「まずは怪物(こいつ)をなんとかしないといけない……だろ?」

 

零時は二人に言った後怪物を見る。先ほど零時が放った福音の魔弾(ヴァイス・シュヴァルツ)を受けた傷が塞がっている。どうやら再生能力は中々のようだな。

 

(能力を強めて消し飛ばす……いやそうなると周りに被害が……)

 

零時は目の前の敵をどう倒すか考える。

 

「ーー“封印” があります……!」

 

「ん? フェレット?」

 

なのはの方をみるとなのはの肩にあのフェレットがいた。

 

「封印すればこの怪物を倒せます!」

 

「……その封印、できるか?」

 

「僕には今魔力が回復してないので使えません……ですが彼女なら」

 

フェレットはなのはの方を見る。

 

「え、私!? でも……どうやって?」

 

「あれは、忌まわしき力によって作り出された思念体……封印するには呪文を唱えてその杖で封印しないといけないんだ。心をすませてみて……そうすれば君の封印呪文が出てくるはずだ!」

 

「う、うん!」

 

なのはは目を閉じ己の心に問い掛ける。しかしーー。

 

【グオオオオオ!!】

 

ーー怪物はそんな時間を与えない。怪物はこちらに突進してきた。

 

「やっぱり黙ってないよな……なら!」

 

零時は目で怪物を見定めながら右手の拳をあげる。体内の魔力を拳に集中させる。すると右手の拳に蒼い光が放たれる。怪物が飛びかかってくるのと同時に零時は拳を振るう。

 

「“ 神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ) ”ーー!」

 

零時の拳から青い魔力の塊が怪物に向かう。規模が広く怪物に躱す術はなかった。

 

【グギャアアアア!!!】

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)が直撃し、怪物は壁に激突する。

 

「零時君!」

 

なのはが声をあげる。どうやら封印呪文がわかったみたいだ。

 

「頼むぞ、なのは!」

 

「うん、リリカルマジカル! 封印すべきは忌まわしき器……ジュエルシード、封印!」

 

するとなのはが握ってる杖から桜色の魔力の糸が出てきた。そしてそれは怪物に纏わりつく。

 

「ジュエルシード!シリアル21!封印!」

 

【ぐぉぉぉぉぉ!!!】

 

桜色の光にあたりは照らされ、光が収まると怪物のいたところに変わった形をした石が落ちていた。

 

「それが、ジュエルシード……君の持っている杖『レイジングハート』で触れてみて」

 

なのははフェレットに言われた通り、杖の先端で石に触れる。すると石は杖の先端についてる赤い宝石のところに吸い込まれていった。

 

「お、終わったの……?」

 

「はい、あなた達のおかげで助かりました。」

 

「よかった〜!」

 

「ねぇ、マスター。これどうするの?」

 

「ん? ……ああこれか」

 

サクラの指摘で零時は辺りを見渡す。辺りは先ほどの戦闘でボロボロだ。

 

「うう……」

 

「あれ? お前は……御剣?」

 

零時は壁の近くで横たわっている御剣のところに向かった。

 

「なんでこんな所に? ……ってお前、怪我してるじゃねぇか」

 

「さ、触るんじゃねぇ!」

 

「何意地張ってんだ。ちょっと待っとけ……復元する世界(ダ・カーポ)!」

 

零時の手から青い光と共に魔法陣が現れた。するとその魔法陣から強い光が溢れ出す。光が収まると御剣の怪我がなくなっていた。

 

「これで大丈夫だろ?」

 

零時は倒れている御剣に再度手を差し伸べる。

 

「…………ふん」

 

ーーパシッ

 

御剣は零時の手を取らず、一人で立ち上がった。

 

「……礼は言わないぞ」

 

「別にいいよ、当然の事をしたまでだからな」

 

「……ちっ」

 

すると御剣は光に包まれ消えた。何かしらの魔法を使ったようだな。すると遠くからかすかにサイレンの音が聞こえた。どうやら近くの人が通報したようだ。

 

「ど、どうしよう……」

 

「ひとまずここから離れよう」

 

 

 

 

 

零時達は公園のベンチに着くとその脚を止める。ここまで来たらもう大丈夫だからだ。

 

「ここまで来れたらもう大丈夫だな……」

 

「はぁ……はぁ……疲れたの」

 

「はぁ〜……今日はよく走るんだよ〜」

 

運動が苦手の二人はベンチに座った。そんな中零時はフェレットの方を見つめる。

 

「なぁフェレット、お前の名前はなんていうんだ?」

 

「……僕の名前はユーノ・スクライア。スクライアは部族名だからユーノが名前です」

 

「へ〜! ユーノ君って言うんだ。かわいい〜!」

 

「本当かわいいんだよ〜!」

 

なのはとサクラはユーノの頭を幸せそうに撫でている。ユーノも二人の行動に戸惑う。しばらくして二人もユーノの話を聞く事にした。

 

「すいません……僕はあなた達を巻き込んでしまいました」

 

ユーノは小さい頭を下げて言った。

 

「あ……えっと、たぶん私は平気だよ! ね、零時君、サクラちゃん!」

 

「うん!」

 

「ああ、俺たちは気にしてないよ」

 

「あ……ありがとうございます」

 

ユーノは零時達に頭を下げる。するとなのはが小さく手をあげている。

 

「どうした、なのは?」

 

「あ、私ちょっとさっきから気になったんだけど……なんでサクラちゃん零時君の事【マスター】って呼んでるの?」

 

「あ! あの〜それは……ね〜『ど、どうしようマスター!』」

 

サクラはなのはに必死に言い訳を言おうとするが何も思いつかない様子。サクラはたまらず零時に念話で助けを呼ぶ。

 

「俺たちの事や今日の出来事含めて明日話さないか? 時間的に家の人が心配するだろう」

 

零時は公園の時計を見ながら呟いた。

 

「あ、そうだね」

 

「ふぅ〜……あ、そういえばユーノはどうするの?」

 

サクラはユーノを抱えながらそう言う。

 

「そうだったな……。う〜ん……」

 

「私の家に来ても大丈夫だよ! お父さんに聞いたら家で飼ってもいいって言われたから!」

 

「そっか、じゃあ頼むなのは」

 

「ありがとう、なのは!」

 

「うん、どういたしまして!」

 

「よし、じゃあなのはとユーノを高町家の近くまで送るよ」

 

「え……いいの?」

 

「こんな真夜中に女の子が歩いていたら危ねぇだろ? ……それになのはの事だから士郎さん達に黙ってきたんだろ?」

 

「うっ……バレてた……」

 

「言い訳考えておけよ? じゃあ行こうぜ」

 

 

その後、零時とサクラはなのは達を送り届けてから自宅に戻った。

 

 

 

 

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