魔法少女リリカルなのは 〜fortissimoの輝き〜 リメイク   作:fortissimo 01

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雷光の少女

なのは達と零時が別行動になって数日が経過した。現在、両方合わせジュエルシードの数が五個になった。そして現在、なのは達と別行動をしている零時は人が寄らない森の入り口に来ていた。

 

「この中だな……」

 

零時は周囲を警戒しながら森の中を歩く。

 

「それにしても広いな……。探すのは困難ーー」

 

【ギャャャャャ!!】

 

「……でも無いみたいだな」

 

零時は声と魔力がする方に向かう。しばらく走ると少し広い所に出た。そこにはジュエルシードのせいで大きくなったと思える巨大な怪鳥がいた。そして零時がもっとも釘付けにされたのがその巨大な怪鳥と闘う、金髪の少女だった。

 

「あの子は一体?」

 

零時がそう考えていると少女は空中で体制を崩した。怪鳥は少女を鋭いくちばしで貫こうとする。

 

「まずい! 疾風迅雷(タービュランス)!」

 

瞬間ーー。零時の身体から電気が迸る。そして零時は思いっきり地面を強く蹴るとそこには零時の姿が無く、一瞬で怪鳥と少女の近くまで辿り着いた。その速さはまるで雷の様な速さだった。

 

「間に合え!」

 

怪鳥のくちばしが少女と零時に命中する……一方手前で零時はなんとか少女を抱きしめ怪鳥の攻撃を躱す。しかし、零時は着地の事を考えておらず盛大に森の中を転がっていった。

 

 

 

 

しばらく転がり続け、森の奥深くでようやく止まった。

 

「くっ……ここは何処だ?」

 

零時は周りを見渡したて言った。魔力は感じられる。怪鳥はまだ近くにいるな。

 

「そういえばさっきの子は何処にーー」

 

ーープニッ

 

「ん?」

 

瞬間ーー。零時は自分の右手がおかしい事に気づいた。何か柔らかい物を掴んでるような感触に襲われた。そして零時は初めて視線を下に向ける。そこにはーー。

 

「き……きゃ……」

 

鮮やかな紅の瞳。一本一本繊細で美しい金髪の髪。そして人形の様に華奢な身体をした、先程の少女がいた。端から見ると零時が少女を押し倒している様に見える。顔を赤く染め、その鮮やかな紅の瞳でキッ! と零時を睨んでいる。そして肝心の零時の右手は少女のまだ成長途中の胸をしっかり掴んでいる。

これはーー不味い!!

 

「きゃあーーむぐっ!?」

 

「待て待て待て待て! 頼む、落ち着いてくれ!」

 

叫ぶ少女の口を零時は空いてる手で防いだ。少女は零時を退かそうとジタバタする。端から見たら少女を無理やり襲っているように見えた。

 

「むぐっ! むぐっ!」

 

「今、大声出したらあの鳥にばれちまう! だから頼む!」

 

「むぐっ……むぐっ」

 

零時の必死の頼みに答え、少女はコクコクと首を縦に降る。零時は安心して少女の口を塞いでいた手を退ける。

 

「ぷはっ! …………それと早くその右手を退かしてください」

 

「は、はい!」

 

零時は忘れていた右手の状況に気づき、少女の胸から手を引いた。そして零時は少女の身体の上から退いた。少女は自分の身体を抱き寄せながら零時を睨む。

 

「え、えっと……」

 

「ーー変態」

 

「ぐっ! そう言われると傷つくな……」

 

「それにしても此処はーー」

 

【グギャアアアア!!】

 

すると零時と少女の真上に先ほどの怪鳥が降りてきた。

 

「もう気づいたのか!?」

 

「バルディッシュ……くっ!」

 

少女は立ち上がり構えるが先ほどの戦闘と転がったせいで力が出せず、手を抑えてしまう。そして怪鳥はまたくちばしをこちらに向け、突進してきた。

 

「危ない!」

 

「キャ!?」

 

零時はすぐさま少女をこちらに引き寄せ躱す。怪鳥のくちばしが地面に当たるとそこはクレーターが出来ていた。怪鳥はすぐさま体制を直し、空に羽撃く。

 

「は、離してください! 変態さん!」

 

「誰が変態だ! ってそれよりも先に彼奴をどうにかしないとな……」

 

「せめて()()()()()()()()()()……」

 

 

 

「それだ!」

 

零時は少女を降ろし、右手を前に出す。すると右手には巨大な斧が握られる。零時は魔力で足を強化し、怪鳥のところまで跳躍する。

 

「はあぁぁぁぁ!」

 

【グギャャ!!】

 

零時は巨大な斧を振り上げ、怪鳥の頭上に振り下ろす。怪鳥も迎え撃つ為にくちばしを零時に向ける。

 

「今だ……すんげぇ強えぇ重力(グラビトンプレス)!」

 

【グキャ!?】

 

斧とくちばしが当たる前に怪鳥は高速で地面に落ちた。

すんげぇ強えぇ重力(グラビトンプレス)……。相手の重力感覚を支配する能力。これにより鳥の重力の認識を操り、鳥を重くさせた。そして零時は下に向かって叫ぶーー。

 

「後は任せた、金髪!」

 

「!ーーーーうん!」

 

少女は再び黒い杖を握り、立ち上がる。

 

「いこう、バルディッシュ!」

 

『Yes. sir!』

 

少女はバルディッシュを前に出すと、黄色の魔法陣が浮かび上がる。

 

「撃ちぬけ、轟雷!」

 

黄色の魔法陣から魔力が集中しーー

 

「サンダースマッシャー!」

 

ーー解き放つ。黄色の魔力はレーザーの様に怪鳥に向かう。

 

【グギャャャャ!!】

 

それは怪鳥に直撃する。その魔力は雷を含んでいるようで、怪鳥は黒焦げになった。すぐさま少女は怪鳥にデバイスを向ける。

 

「ジュエルシード、封印!」

 

デバイス『バルディッシュ』から黄色の魔力が飛び出し、怪鳥を包み込む。光が収まるとジュエルシードと小鳥があった。小鳥はすぐさま空に駆けていった。

 

「ふぅ……終わった」

 

「おつかれさん」

 

零時は少女の近くに着地する。零時は少女に駆け寄るとーー。

 

「う、う……ん……」

 

「お、おい! 大丈夫か!?」

 

少女は安心したのか気を失ってしまった。

 

「ど、どうしよう……」

 

 

 

 

 

(う、ん…………?)

 

金髪の少女は不思議な感覚に陥る。それはとても嫌な気分じゃない、むしろ心地いい。少女は自然に顔が緩んだ。

 

「あったかい……」

 

「ん、起こしちゃったか?」

 

『どうやらそうみたいです』

 

すると先程自分の胸を揉んだ変態の声と愛機の声が聞こえる。一体何処からーー? 少女は静かに目を開ける。

 

 

 

「ふえっ?」

 

目を開けると少女は先程の男の子におんぶされていた。

 

「ん、おはよう」

 

「〜〜〜〜!」

 

今の状況を理解し、瞬間的に少女の顔は赤くなる。

 

「お、降ろして! 降ろしてください、変態さん!」

 

「疲労が溜まってんだろ? ここは我慢しろ。そして俺は変態じゃない」

 

『我慢しましょう、マスター』

 

「ば、バルディッシュ? 何で……?」

 

少年の右手に握られている愛機が何故かこの少年を庇う。よく見るとさっきまで傷だらけの筈なのに今は傷一つない。

 

『この少年はマスターが気を失った中、私やマスターを手当てしてくれました。独断ですが彼は悪い者ではないと判断しました』

 

「そう、なんだ……」

 

少女は落ち着きを取り戻し、少年の背中に身体を預かる。

 

「あの……バルディッシュの事も含めてありがとうございます」

 

「どういたしまして……もう少しで森を抜けられそうだからな」

 

少年はそう言うと黙々と森の中を歩く。少女は先程と同じ心地いい感覚に襲われた。

 

「(あったかい……)」

 

ぎゅっと少女は少年に抱きつく力を少し強くした。少女は自然と目を閉じた。

 

 

 

森を出た頃はもう外は暗い。ーーすると零時は空を見上げた。

 

「お、すごいな」

 

『これは……美しいものですね』

 

「だろ? おい、金髪。空見てみろ」

 

「う、ん……?」

 

零時は背中で寝ている少女を揺さぶる。少女は静かに目を開ける。

 

「ーーうわぁ!」

 

少女の目には満天の夜空が広がっていた。

 

「綺麗……」

 

零時は静かに少女を降ろす。少女は立ち上がれるまで回復し、夜空を眺める。しばらく零時と少女と少女の愛機は夜空に心を奪われていた。

しばらく時が経ちーー。

 

「じゃあ私はこれで……」

 

「帰る前にほれ」

 

零時はポケットから何かを取り出し少女に向かって投げた。少女はあたふたするもその何かをキャッチする。何かをキャッチした手を開くとそこにはジュエルシードがあった。

 

「あ、これーー」

 

「あいつを倒したのはお前だ。それはお前が持っといてくれ」

 

「でも、貴方もこれを……」

 

「気にすんな、じゃあな」

 

「あ、待って!」

 

少女は零時を引き止める。零時はなんだ? と思いながら少女の方を向く。

 

「あの、名前を教えてくれませんか!」

 

少女は真剣な眼差しで言う。

 

「ーー神谷零時だ。お前は?」

 

「私はーーフェイト。フェイト・テスタロッサ!」

 

「フェイト、か……じゃあまたな、フェイト」

 

零時は少女、フェイトに背を向けながら手を振った。零時は歩みを早くした。

ーー家でサクラが飢えているかもと考えながら。

 

 

「ーー神谷、零時」

 

フェイトはその後ろ姿を見えなくなるまで見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

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