魔法少女リリカルなのは 〜fortissimoの輝き〜 リメイク   作:fortissimo 01

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星と雷の出会い

ジュエルシード集めが始まり何日かが経過した日の朝ーー。ここ、神谷家の一室で零時は何処かに出かけるのか荷物をまとめていた。

 

「えっと、後はこれで大丈夫だな」

 

零時は持っていくものを袋に入れる。準備が出来、零時はリビングに戻る。リビングに入るとそこには相棒(パートナー)の姿が見当たらない。

 

「サクラがいない……という事はあそこしかないな」

 

零時は少女がいると思われる場所に足を運んだ。そこに行ってみるとーー。

 

「ほえ〜…………」

 

「やっぱりここだったか」

 

予想通り。サクラが縁側で呑気に座っていた。

 

「あ、マスター。おはようなんだよ」

 

「また『ひなたぼっこ』か? お前も好きだな」

 

「ひなたぼっこは私のライフワークなんだよ!」

 

天気がいい日はいつもこういう光景だ。

 

「マスターもどう? 気持ちいいよ?」

 

サクラは空いてる空間をペシペシと叩き、座るように言う。とても魅力敵な相談ーーだが。

 

「俺はいいよ。それとまだ時間はあるけど……いつでも行けるように準備しとけよ?」

 

「うん、今日はすずかちゃんのお家で遊ぶんだよね!わかってるんだよっ!」

 

「ならよし」

 

零時はサクラの返答を聞いて満足すると、ストレッチをし始めた。

 

「マスター。もしかして特訓?」

 

「ああ、少しだけな。じゃあ、行ってくる」

 

「いってらっしゃ〜い」

 

サクラの気の緩んだ応援を聞きながら零時は家の地下に向かった。

 

 

 

 

 

……

 

…………

 

………………

 

 

「ふぅ……」

 

零時が訓練場に入って約三十分が経過した。体を十分動かした零時はこの特訓の目的である武器を右手を出した。その手には禍々しい姿をした黒き魔剣が握られていた。

 

「『スウァフルラーメ』、頼むぞ」

 

零時はその剣を両手で持ち、構えるーー。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

零時は思い切り剣を一閃ーーーーしかし。

 

「ぐっ! お、重っ!」

 

その一振りに威力、スピードが全く無い。振ってみると見た目以上の重量を感じさせる重圧。

 

「やっぱりーーまだ認めてもらえないか」

 

そうーー。重圧を感じるのはこの魔剣がまだ零時を『拒んでいる』からだ。零時はまた魔剣を強く握る。

 

「よし、今度こそ……」

 

零時は再度、構えるーーすると。

 

「マスター! すずかちゃんのお家に行こ〜!」

 

訓練場にサクラの声が響いた。零時は構えを解き、現在の時間を確認する。

 

「もうそんな時間か……。サクラ! 先に玄関で待っといてくれ!」

 

はーいと返事が聞こえると階段を駆け上がる音が聞こえる。零時は手に持っている魔剣をしまい、汗を流すため急いでシャワーを浴びに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「るったら〜ふふふ〜ん!」

 

「………………」

 

「てってて……デレステテレデデン! ヘイっ!」

 

零時とサクラは数分前に自宅を出発し、現在すずかの家までの道を歩いている。サクラは楽しみなのか自分で作曲したのであろう鼻歌とは全く異なるものを歌いながら歩く。

 

「なぁサクラ?」

 

「なぁに? マスター」

 

「ーーそろそろ手を離さないか?」

 

零時は自分の右手の人差し指でサクラの右手と自分の左手が繋がっている部分を差しながら言った。

 

「むぅ……マスター、この前私が飢え死にするかもしれない時、一つ言う事を聞いてあげるってマスターが言ったんだよ? だからこのままなんだよ〜!」

 

「ぐっ…………」

 

零時は反論する言葉が見つからなかった。確かに零時はフェイトと初めてあった時、帰りが遅くサクラを飢え死にさせるところだった。そしてそこで思い切って約束してしまった自分に後悔する零時だった。零時とサクラはそのまま手を繋いだまますずかの家に向かった。

 

 

 

 

 

 

数分間歩き続け、零時達は無事目的地であるすずかの家についた。

 

「でかいな……」

 

零時とサクラはすずかの家の前ですずかの家を見上げていた。そこはまるでお嬢様が住むような立派な豪邸だった。

 

「すずかはリアルお嬢様ってわけか……」

 

()()()……なんか憧れるんだよ」

 

サクラは目をキラキラ輝かせながらすずかの家を眺める。

 

「まぁとりあえず中に入れてもらおう」

 

零時は立ち止まっているサクラを引っ張りながらインターホンを押す。少し経つとドアが開き、中からメイド姿の人が現れた。

 

「神谷零時様と神谷サクラ様ですね?」

 

「うわぁ〜本物のメイドさんなんだよ……」

 

「はい、どうして俺たちの名前を?」

 

「零時様達の事はすずかお嬢様から話を伺っております。申し遅れました、私の名前はノエルと言います」

 

メイドのノエルさんはスカートの端を少し持ち、軽く会釈する。

 

「えへへ〜」

 

サクラはノエルさんと同じ風に白いワンピースの端を持って会釈する。

 

「ふふ、それでは中に案内します」

 

ノエルさんの案内のもと、零時のサクラは家の中に入る。ノエルさんが前を歩き零時とサクラはその後ろについていく。

 

「マスター、マスター」

 

「なんだよ?」

 

「私、メイドさんになってみたいかも!」

 

サクラはノエルさんに尊敬の眼差しを送る。こいつは結局何になりたいんだ……。少し歩くと大きいドアがあり、ノエルさんはそこを開ける。そこにはアリサとすずかとなのはが座っており、一人メイドさんが立っていた。すると皆はこちらの存在に気づいた。

 

「零時君、サクラちゃん!」

 

「零時様、サクラ様、こちらにおかけになってください」

 

ノエルさんに椅子をだされたので、零時とサクラはそこに座る。

 

「お茶を出しますが……何になさいますか?」

 

「俺はおまかせで」

 

「私もレイジと同じのでお願いするんだよ!」

 

「かしこまりました。ファリン!」

 

「はい!了解です、お姉様!」

 

ノエルさんがそう言うともう一人のメイド、ファリンさんはこちらに会釈すると茶を持ってくるため奥に行った。すると零時はノエルさんに袋を渡す。

 

「あ、ノエルさん。これ、よければ後で食べてください」

 

「ありがとうございます、零時様。ではごゆっくり」

 

ノエルさんは零時が渡した袋を持って部屋を出て行った。

 

「零時君もサクラちゃんもゆっくりしてってね」

 

「ああ、ありがとう」

 

「……………………」

 

サクラはすずかの方を見ながらじっと固まっている。

 

「サクラちゃん?」

 

「どうしたのよ?」

 

「私の顔に何かついてる?」

 

なのはとアリサはサクラの様子がおかしいと思い顔を覗く。覗くとサクラはすずかに尊敬の眼差しを向けていた。

 

「ああ、そいつの事は気にすんな。ただお嬢様に憧れているだけだよ」

 

「なんかサクラらしいというかなんと言うか」

 

「サクラちゃんらしいね」

 

アリサとなのはもサクラの様子を見てサクラらしいと決めつける。するとーー。

 

「キュウーーー!!」

 

「ニャーーー!!」

 

下から声が聞こえ、零時は下を覗く。するとユーノと猫が追いかけっこしていた。

 

「ユーノも来てたんだな」

 

「あ、アイ! ダメだよ!」

 

すずかは猫の名前を呼ぶがユーノを追いかけるのに夢中のようだ。ユーノと猫がドアの方に向かうとちょうどドアが開き、ファリンさんが入ってきた。

 

「お待たせしました。お茶とケーキでーす……ってきゃあ!?」

 

ファリンさんの下をユーノと猫が動き回ったせいでファリンさんは体制を崩してしまう。

 

「危ない!」

 

零時はすぐさまファリンのところに駆けつけ、ファリンさんを支える。後から来たすずかとなのはとアリサとサクラも一緒に支え、結果何事もなく事を終えた。

 

 

 

 

 

場所を移動し、零時達は外でお茶会をする事にした。

 

「おいで……おいで〜」

 

「にゃ?」

 

サクラは人差し指を猫の前に出す。猫は不思議そうにサクラの人差し指を眺める。そしてーー。

 

「にゃ!」

 

「あぅ……」

 

俗に言う猫パンチがサクラの手に炸裂した。少ししょんぼりするサクラだが気を取り直して他の猫にも同じことをする。

 

「それにしてもすずかの家って猫多いな」

 

「うん! ……でも何匹かは里親が見つかってる子達もいるからね。何匹かはお別れしないといけないんだ……」

 

「そっか……すずかは辛くない?」

 

アリサはすずかを気づかって心配する。するとすずかは顔を横に振った。

 

「この子達がこの先も大きく育ってくれるなら……私は幸せだよ?」

 

すずかの慈愛の表情は猫達にもわかるのかどんどんすずかの周りに集まっていく。一匹だけ零時の足元にやってきた。

 

「にゃー」

 

零時はしゃがんで猫の顎を撫でる。

 

「優しいご主人に飼われてよかったな」

 

「にゃー」

 

猫は嬉しそうに鳴く。まるでその通りと言ってるようだ。するとーー次の瞬間。魔力反応を感知した。

 

『マスター! ジュエルシードだよ!』

 

『みたいだな……さて』

 

零時はすずかとアリサを怪しまれないようにジュエルシードの反応があるところまで行く方法を考える。するとユーノが突然反応があった森に入っていった。零時はユーノの行動した意味を理解する。

 

「ユーノ、どうしたんだろう?」

 

「何か見つけたかもな。ちょっと探してくる」

 

「あ、私も!」

 

「ああ、二人共待ってなんだよ〜っ!」

 

零時はユーノが入っていった森に入っていく。後に続くようになのはとサクラも入っていった。

 

「「??」」

 

 

零時達がしばらく森の中を進むとユーノがいた。

 

「ユーノ、ジュエルシードは?」

 

「うん、ばっちり位置を特定できた。反応はこっちで合ってるよ。だけど、その前にここ周辺に結界を張っておくよ」

 

するとユーノが立っているところに緑の魔法陣が浮かぶ。すると周りの景色が少し薄くなっていくのがわかった。

 

「よし、これで気にせず戦える!」

 

【ーーーーーー!】

 

「あっちだな!」

 

零時達は更に先を進んでいく。しばらく進むと少し広い所に出た。そこにはーー。

 

【ニャ〜〜〜〜!】

 

「「「…………猫?」」」

 

「わぁ〜! 大きくて可愛いんだよ〜!」

 

木より大きくなった巨大な猫がそこにいた。今は寝転がっており、こちらの存在に気づいていない。

 

「ユーノ君……あれって?」

 

「おそらく『大きくなりたい』という願いが純粋に叶った姿だと思う……たぶん」

 

「なるほどな、だけどこんなデカくなったら飼うのが大変だ。元の姿に戻さないとな」

 

そう言い終わると零時は構えた。同時に拳に魔力を溜める。

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)!」

 

【ニャーーー!】

 

神討つ拳狼の蒼槍(フェンリス・ヴォルフ)が巨大猫に命中する。すると猫は倒れこむと同時に光に包まれ、光が収まるとそこにはジュエルシードと子猫がいた。零時は子猫とジュエルシードのところに駆け寄る。

 

「悪かったな、もう大丈夫だぞ」

 

「にゃ〜〜」

 

猫はすずかの家の方に走って行った。零時は落ちているジュエルシードを拾う。なのは達が零時のいる場所に駆け寄るーーーーその時だった。

 

 

「そのジュエルシードを渡してください」

 

「!」

 

声が聞こえた一同は声の発生源を探す。そんな中零時は上に視線を向ける。そこいた人物は空からこちらを睨むように見下ろしていた。

 

 

 

「お前は……フェイト?」

 

「神谷……零時」

 

フェイトは空から地上に降りる。零時以外の者は見知らぬ彼女を警戒する。

 

「誰……?」

 

「マスター、この子と知り合いなの?」

 

「ジュエルシードを集めている時に、な」

 

零時は皆より一歩前に出た。

 

「また会ったね、零時」

 

「ああ。フェイトはジュエルシードを取りにきたのか?」

 

「うん、だから渡してくれないかな? できれば零時とは戦いたく無い」

 

そう言いながらフェイトは零時に手を差し出す。零時はその手を少し見つめた後、自分の手のひらにあるジュエルシードを覗く。

 

「無理……と言ったら?」

 

「ならしょうがないね……」

 

するとフェイトの背後に無数の魔力弾が生成される。

 

「ーー少し手荒くいくよ」

 

「そうか……」

 

零時はジュエルシードを服のポケットにしまい構える。なのは達もそれに合わせ構える。状況的に一人対四人でこちらが圧倒的に有利。しかしフェイトはそれでも引くかがない。するとーー。

 

 

「ガウ!!」

 

「なっ!?」

 

突如、茂みから大きな犬が飛び出してきた。しまった、フェイトに集中しすぎて気づかなかった……! 零時は急いで対応しようとするが犬の方がはやく動いた。魔力弾を生成し、それをこちらに向かって放つ。それと同時にフェイトも先ほど溜めていた魔力弾をこちらに放ってきた。数発の魔力弾が地面に命中し、砂煙が舞う。

 

「きゃっ!?」

 

「これじゃあ視界が……」

 

砂煙でうまく周りが見えない。

 

「なら……っ!」

 

零時の近くに浮遊する赤いケータイが出現する。

 

「“風よ、砂煙を吹き飛ばせ”!」

 

零時は能力『曇りなき真実の嘘(アルケイディアジンクス)』の力で零時の言霊が現実のものとなってやってくるーー! 突如、突風が吹き荒れ、砂煙を払った。砂煙が晴れるとそこにはフェイトとあの犬の姿がなかった。

 

「逃げたか……サクラ、ユーノどうだ?」

 

「……ダメ、もう近くにはいないみたいなんだよ」

 

「僕も……おそらく転移魔法で離脱したんだと思う」

 

「そうか……」

 

おそらくあの犬がフェイトを連れて逃げたんだろう。ジュエルシードも無事だしな。

 

「しょうがない、一旦戻るか」

 

「うんっ!」

 

「そうだね」

 

「…………」

 

零時の言葉にサクラとユーノは賛成する。そんな中、なのははぼーっとしていた。

 

「なのは? 大丈夫か?」

 

「えっ……あ、うん大丈夫だよ」

 

「そっか」

 

零時達はすずか達のところへ戻っていった。

 

(あの子……なんであんな寂しい眼をしてたんだろう?)

 

 

 

 

 

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