ザ・鉄腕&パンツァー! 没落した流派を再興できるのか?   作:パトラッシュS

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時御×少女

 

 戦車強襲競技の試合が終了し。

 

 試合に勝利した繁子達は戦車から降りると援軍に来てくれた一ノ宮達とハイタッチを交わす。わざわざ、敵に潜り込ませていた彼女達の活躍により今回の戦いが実に優勢に進める事が出来た。

 

 そして、笑顔を浮かべたまま見事な立ち回りを見せた彼女達を素直に称賛の言葉を贈る。

 

 

「いやー、見事な追撃やったで、助かったわ一ノ宮に小野寺」

 

「そんなことないですよぉ、ねぇ? リーダー?」

 

「うーん、もうちょっと頑張れたような…」

 

「ま、上出来っしょ、ね? まっちゃん」

 

「まさに、暴れん坊のサンタクロースって感じじゃん、私ら」

 

「慌てん坊だよ! 暴れてないよ! サンタさん社宅荒らしに来たの!?」

 

 

 そう言いながら、真面目な表情で返答を返す少女に突っ込みを入れるイノこと一ノ宮。

 

 暴れん坊のサンタクロースなんて、なんという傍迷惑なサンタクロースなんだろうか、クリスマスに自宅の窓ガラスを次々とかち割る暴挙をするサンタクロースなど願いさげもいいところである。

 

 だが、松方は首を傾げながらこう一ノ宮に言葉を返した。

 

 

「え? 暴れん坊じゃないの?」

 

「青葉じゃないんだからさぁ」

 

「え? なになに? 私の話?」

 

「いや、呼んでないから…、てか青葉、あんた水着の色上下違うじゃん」

 

「あ! 本当だ! やばい!」

 

「気づいたの今頃かい!」

 

 

 そう言いながら、繁子はスパンとキレの良い突っ込みを青葉に入れる。

 

 今回、繁子の援軍に来てくれた女子中学生で構成された戦車強襲競技のチーム、通称、ストームさんチーム。

 

 皆が中学生とは思えない美少女ばかりで、それだけでなくプロポーションは抜群。現在、マイナーであるはずの戦車強襲競技でかなりの人気を誇る中学生チームだ。

 

 編成は、前回、繁子の衣装選びに来てくれた。一ノ宮 香苗。

 

 そして、茶色の短髪に片目の隠れた髪型をした眠そうな顔のストームさんチームを纏めるリーダー(自宅に引きこもり体質)の小野寺 聡子。

 

 ウェーブかかった天然の長髪にアホ毛、そして、真面目で空回り気味な傾向のある。松方 朱里。

 

 彼女の家の家訓は花より団子らしい。

 

 サラサラのストレートヘアーに茶髪の完全にキャラ位置が永瀬と似通って天然な可愛らしい女の子。

 

 青葉 真子。別名、喰い逃げ系女子(割り勘のところを気配を消し、よく支払い直前で逃亡する)。

 

 そして、最後に…。

 

 

「おーい、サクっちゃん、 そんな落ち込むこと無いじゃん」

 

「この水着がキツかったのがまさか2キロ太ってたからだなんて…」

 

「いや…、そんなに落ち込む事かいな…」

 

「直前までこの服着るの嫌がってましたからね、この娘」

 

「いや、服やのうて水着やん」

 

 

 そう言いながら落ち込む少女を眺めながら告げる一ノ宮。

 

 その一ノ宮の言葉に繁子も呆れたように顔を引きつらせた。それなら最初からあのスケスケ衣装にビキニを着無い方向で良かったのでは無いだろうか。

 

 彼女の名前は佐倉野 京子。

 

 跳ねっ毛のある癖髪と短髪が特徴の将来は美人のニュースキャスターになる事が夢の女の子である。ちなみに特技は視力検査表の文字と記号全部覚えること、ピーマンの肉詰めが大好物の女の子である。

 

 そんなこんなでそんな佐倉野 京子が落ち込んでいるわけであるが、繁子はというと…?

 

 

「いちいちそんなこと気にするから影薄いとか言われるんやで」

 

「がーん!? ちょ!? 私が影薄いなら青葉はどうなるんですか!?」

 

「青葉は…ほら、まだ永瀬ちゃんとコンビ組めるから」

 

「いや、むしろあの二人を混ぜたらあかんやろ…」

 

「しどい! …うわーん!? この人達、血も涙も無いよう!」

 

「あー、よしよし。 しげちゃん! 女の子にとって体重ってのは大事なステータスなんだよ!」

 

(…あれ? なんでうちが怒られてるんやろ…)

 

 

 そう言いながら佐倉野がアキに泣きつき、アキもまた佐倉野に同情するようにプンスカと繁子にお説教をしはじめた。

 

 女の子にとってみれば体重増量はNGワードなのはもはや常識である。

 

 アキもまた最近お腹周りを気にしている女子の一人として佐倉野の援護に回るしかなかった。

 

 実に滑稽な絵面である。

 

 さて、話は変わるが、一通り試合を終えて繁子は今回援軍に来てくれたストームさんチームについてミカにこう問いかけた。

 

 

「さて、ほんで、ミカ、この娘達どうやった? なかなかのもんやろ?」

 

「うん、凄かったね、身体中に風を集めてるみたいだった」

 

「巻きおーこーせー!」

 

「いや、言わせへんよ、さっき散々叫んでたやん」

 

 

 そう言って繁子は苦笑いを浮かべそう告げる。

 

 さて、こうして、ストームさんチームとの合流を果たした繁子はミカ達に彼女達を紹介し終え、ようやくひと段落ついた。

 

 と、思いきや、ここで忘れてはいけない。今回、繁子達の援軍に来たのはストームさんチームだけではない。

 

 1輌のII号戦車が勢いよく繁子の元へとやってくる。乗っているのは当然、西住流の本家と繁子の相棒。

 

 II号戦車が繁子達の前に停車すると中から勢いよく繁子に飛びつく女の子がいた。西住まほである。

 

 

「あ、…ちょっ!? うわぁ!」

 

「しげちゃーん! 大丈夫だったか!」

 

「あー! まほりんずるいじゃん! しげちゃん! 助けに来たわよ!」

 

「もうちょっと冷静になってください、まほさん…」

 

「私のしげちゃんのピンチに冷静になってなどいれるか」

 

「いや、そんな真顔で言われましても」

 

 

 真顔でそう言い切るまほに顔を引きつらせるノンナ。

 

 しかしながら、そのことを察している立江はII号戦車から出てくると優しくノンナの肩を叩いて、彼女にこんな話をし始める。

 

 つまるところ、立江もまた、まほの気持ちが分かっているという事だろう。

 

 

「ノンナ、しげちゃんをカチューシャに置き換えてみそ」

 

「成る程、それなら仕方ないですね、カチューシャ様であるなら私がもっととんでもないことになってました」

 

「いや…そんな冷静な口調で納得されてもやな」

 

 

 そう言いながら、まほから確保され、やられるがままの繁子はなんの躊躇もないノンナの言葉に顔を引きつらせる。

 

 しかし、立江はそんなまほの肩にポンと手を置くと満面の笑みを浮かべてこう告げた。

 

 

「ほら、シゲニウム独占は良くないわ、知波単学園の副隊長として分配を提案する」

 

「陸軍としてはその案に反対である」

 

「なんやシゲニウムって、てか近いから! あんたら暑苦しいわ!」

 

 

 そう言いながら繁子はまほから離れるとふぅと一息を吐く。しかしながらまほは『あっ…』と名残惜しそうに繁子を手放した様子であった。

 

 まぁ、まほがシゲニウムを補充できないのも無理はないだろう。他校ゆえに常に繁子のそばにまほが居られるわけではない。

 

 彼女の中では深刻なシゲニウム不足問題に直面しているのが現状である。これは世界サミットを起こしたとしても解決できる問題ではないだろう。

 

 立江の場合も同上である。

 

 まぁ、当初、二人で戦車強襲競技を組もうとしていた話を持ち上げて、継続高校に転入した挙句、

 

 初戦がなんとまほではない者たちと組んだという繁子の後ろめたさも多少はあるので、その件に関してはまほには逆に謝らないとなとは繁子は思っていた節はあった。

 

 

「こんな形になってもうたけど…堪忍な? ほんまにごめん、まほりん、立江」

 

「いや、構わないさ。しげちゃんと共に戦えただけで私は幸せだよ」

 

「えぇ、私もよ。ところで、しげちゃん? そちらは?」

 

「ん…? 私の事かな?」

 

「あぁ、この娘は…」

 

 

 そう言いながら繁子は笑みを浮かべてまほ達に改めて戦車強襲競技に協力したミカを紹介しようとする。

 

 だが、次の瞬間! ミカから放たれた衝撃な一言がさらなる波乱を呼び起こす!(ガチンコ)。

 

 

「しげちゃんの新しい相棒さ」

 

「…ん?」

 

「え? 今なんて?」

 

 

 繁子と肩を組み満面な笑みを浮かべるミカ。

 

 その眼差しは彼女達の手から繁子が今は自分の隣にいることをまざまざと見せつけるには十分な一言であった。

 

 三人の間に謎の空気が渦巻き始める。

 

 さらなる陰謀か、地球が終わる時が来たのか、地球上のおっかない戦車道女子が上位3人。 まさにグラウンドゼロである。

 

 

「面白い事を言うわね、戦車に乗りな、誰がしげちゃんの相方にふさわしいか白黒付けようか?」

 

「へぇ…? やるかい? 私は構わないよ、西住流とは一度戦ってみたかったんだ」

 

「私に戦車で挑むのは一億年早いんじゃないか、 二人とも?」

 

「なんか、見ない間にめんどくさいことになってますね」

 

 

 火花を散らし睨み合う三人。そんな三人のやり取りを見ていたノンナは呆れたようにため息を吐く。

 

 繁子の相棒にふさわしいのは一体誰か! 今、まさに雌雄を決する時が来たのかもしれない。

 

 そんな中、試合を終えた繁子はと言うと…。撃破した相手戦車へ、援軍に来てくれたストームさんチームを何人か引き連れてやって来て何やら話を聞いていた。

 

 

「ねぇ、この履帯さっき壊れちゃったんだけど…」

 

「あー、これはだいぶやっとるね? スパナある?」

 

「良かったぁ、みんなー業者の方が来てくれたよ!」

 

「来週の試合に使うから助かるね!」

 

 

 そんな立江達、三人のやり取りを他所に繁子は相手チームの戦車の修理に取り掛かる。

 

 三人の火種の原因にあるにも関わらずこの対応、繁子もだんだんと世渡りの術を学んできたのであろう。天国にいる明子もこの光景には満足であるに違いない。

 

 スパナを持ち出した繁子は巧みに戦車の修理に取り掛かりはじめる。

 

 

「この戦車には思い入れがあるからね、本当に助かるわ」

 

「ん…? 思い入れがある?」

 

「とどのつまり?」

 

「思い出!ずっと!ずっと!忘れな…」

 

「それはもうええっちゅうねん」

 

「あいた! 今から良いところなのにっ!?」

 

 

 そう言いながら繁子からスパンと頭を叩かれる小野寺は涙目になりながらブスーと拗ねる。

 

 立江の後輩ながら、このストームさんチームはやはり一癖も二癖もある曲者揃いなようだ。曲者なのはスケスケ衣装にビキニ姿の時点ですでにわかりきっていた事であるのだが…。

 

 繁子はそんな曲者や戦車で大乱闘をしまいとしている三人を他所に相手戦車の修理を進める。一方、ミッコは自分の戦車に戻ると戦車強襲競技に疲れたのか安眠を取っていた。

 

 これが、後にヒートアップした三人のバトルロイヤルに巻き込まれ、叩き起こされた後にミカの戦車を操縦する羽目になるのはまた別の話である。

 

 このように、普通の業者の方を雇うよりも繁子達に頼めば部品と交換でタダでやってくれるので、何か戦車に不具合があれば知波単学園戦車道部にご相談ください。

 

 

 気になるご連絡先番号は…。

 

 

 次回のザ・鉄腕&パンツァーで!

 

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