ザ・鉄腕&パンツァー! 没落した流派を再興できるのか? 作:パトラッシュS
前回、大洗女子学園に赴く事になった繁子達。
新入生のために新たな0円戦車を求め、繁子達は休暇を使い嬉々としてこの大洗女子学園の学園艦が停泊している大洗に来ているわけであるが。
「しげちゃん! 海! 海だよ!」
「筏作ろう!筏!」
「釣竿持ってくるの忘れたわ…。仕方ないから現地で作るか」
「あんたら当初の目的忘れとらへん?」
「そうだよ! 海があったらとりあえず新種の魚を見つけないと!」
「ちゃうわ! 学園艦にある戦車を探すためやろうがっ!」
今日も今日とて繁子のツッコミが冴え渡る。
大洗女子学園に来た目的は0円戦車を作るため、部品の調達とついでに大洗女子学園の戦車を修理しに訪れたわけである。
大洗女子学園の方には連絡を取りつけてある。学園艦に入り訪問する事は容易い…だが。
「せっかくの大洗じゃん。観光しないとさ」
「…休暇に来とるね? 完全に遊びに来とるやんか」
「まーまー、休みは3日あるんだし。戦車をとっとと修理して観光すれば良いじゃない♪ね、しげちゃん?」
「立江、まず脇に抱えた大工道具降ろしてから話そうや」
そう大洗にせっかくきたのだからと立江達がやたらと海を目の当たりにしてはしゃぐので繁子としても当初の目的を忘れているのではないかと顔を引きつらせるしかなかった。
しかも、大工道具やら何やら持ち込んでくるあたりこの海岸をダッシュ海岸にしようと目論んでいることが伺える。
まぁ、確かに夏場ならきっと大洗は海で泳げるし、きっと楽しいに違いない、だが、悲しい事に今は3月である。
「そういうわけで、はよ修理しに行くでー」
「この石、石橋作りに使えないかしら?」
「お、良い感じの石じゃん、多代子」
「行くっていうとるやろ!」
そう言って拳骨をスコンと多代子と立江の二人にかまし、学園艦まで引きずっていく繁子。
時御流の性であるので仕方がないが話がこれだと一向に進まないのも事実であるからして二人が繁子に拳骨をされるのも致し方ない。
そんなこんなで大洗女子学園の学園艦へ向かう繁子達は新たなる部品を求めて足を進めた。
それから数時間の時間をかけて学園艦に到着する一同。
そこに待ち構えていたのは…。
「やぁ! ようこそ我が大洗女子学園へ! 私は生徒会長の角谷だよー! よろしくね!」
「おー! 杏ちゃん! わざわざ出迎えに来てくれたん? おおきになー!」
「いやいや、しげちゃんが来るって聞いたらやっぱり出迎えないと! にしてもうちの戦車を修理したいってしげちゃんも変わってるねー」
そう言いながら繁子はわざわざ出迎えに来てくれた大洗女子学園の生徒会長、角谷杏とビシガシグッグと仲良さげに挨拶を交わす。
それを見ていた永瀬達は首をかしげる。
何やら仲良さげな二人の光景が永瀬達には不思議だった、確か目の前の角谷杏とは今日が初対面の筈なのである。
しかし、意気投合しているあたり初対面の人間には見えない。
というより、このツインテの赤毛の様な髪色をした角谷杏はどこか繁子と同じ雰囲気というか匂いがした。
「え? なになに? 二人知り合いなの?」
「いやなー、大洗女子学園に電話した時に意気投合してもうてなー、なー杏ちゃん」
「そうだねー、電話で私もしげちゃんと話してる時に他人には思えなくてねー。そっから仲良くなって…」
「あー、確かになんか似た者同士っていうか、雰囲気が…」
「お母さん?」
オカンが二人。
繁子と角谷が並んだ姿を見た立江達は素直にそう感じた。お母さんが二人いると、この二人が側に居たら間違いなくダメ男になる事請け合いだ。
オカン属性、恐るべきである。
そして、繁子達は今回の目的について角谷杏と話をし始める。まずは、戦車についての話だ。
大洗女子学園に散らばりし戦車達。しかし、大洗女子学園には戦車道は無く、今や、その隠してある戦車は鉄の置物とかしている。
もし、学園側に見つかりでもしたら処分されるのがオチだ。
「とりあえず、これは学園側には極秘やから」
「え? なんで?」
「そりゃ、ウチの学校は経費的にも近年あまりよろしく無い状況が続いてるからねー、下手したら再来年には廃校なんてことにもなりかねない状況でさ」
「そしたら、私達が治した戦車だって」
「え! その戦車! 捨てちゃうんですかッ!」
「大丈夫、そん時は知波単学園に今回治した戦車を流すようにはしておくからさ」
「さっすが! 杏ちゃん!」
「これセーフ! セーフだよね!」
「OKです」
「よっしゃ! 俄然やる気出て来た!」
ノリノリで聞いてくる永瀬に満面の笑みを浮かべてサムズアップして応える角谷杏の言葉に喜びを露わにする一同。
それから、大洗女子学園に眠りし戦車についての詳しい話を杏の代わりに控えていた副会長の小山柚子が引き継ぎ、話を続けはじめる。
「会長から話は伺っています。戦車の隠してある場所につきましてはある程度は把握できたので地図を作っておきました」
「おー」
「同じ胸がおっきいと言えども永瀬より優秀だねぇ」
「…!? ど、どこみてるんですかっ!?」
「いいからお姉さんに揉ませてみなさい、ほれ、先っちょだけ、先っちょだけだから」
「永瀬、ちょっとそこに並んでみてよ、弾力性比べてみるからさ」
「ちょ! 話の趣旨変わってない!? 嫌だよ! 胸揉むつもりなんでしょう!」
「だからそう言ってんじゃん」
「開き直るとこかな!そこ!!」
そう言ってぐへへ〜と親父臭い事を言い出しはじめる立江と真沙子に涙目になりながら声を上げる永瀬。
珍しく永瀬がツッコミに回っている貴重な場面とも取れるが、兎にも角にも、胸の弾力性を比べられようとしている副会長の柚子もこれでは良い迷惑だろう。
しかしながら、外見は女子高生なれど中身はおっさんだから仕方ないと言えばそれまでである。
一方の繁子はというと…?
「胸なんて燃えてなくなってしまえばいい」
「やめろ! しげちゃん! 人間に戻れなくなってしまう!」
「離せ!杏ちゃん! あれはウチらに喧嘩売っとるんやで?女のプライドがある身としては負けられへん戦いがそこにはあるやろ?」
「うん、そうだね。よく考えたらそんな気も…って、ダメに決まってんじゃん 。危うく乗せられるところだった。私はあんまし気にしない派だからさー」
「うぐぐぐ…」
「会長さんの方がしげちゃんより大人かもねー」
「うっさいわ!」
「あいた!」
ビシっ!とすかさず余計なことを口走る多代子にチョップを入れる繁子。
胸にコンプレックスを抱えている繁子としては確かに大人気ないと言われたら言い返す言葉も見つからない。
胸が無念とはよく言ったものである。
さて、話は脱線しそうになったが、とりあえず戦車の隠してある場所の地図を開き全員で確認する。
「…ここと、ここらへんから当たってみようか?」
「だねー、早く見つけ出して修理してあげよう?」
「道具は持って来たし不備はないからね!」
そう言って、道具を見せてニカッと笑みを浮かべる立江。
沼地、湖など、たくさんの場所に散らばった戦車達。きっと錆びついて、誰かの修理を待ち望んでいるに違いない。
大洗女子学園の生徒会の協力の元、繁子達は大洗女子学園戦車を探す。
さぁ、果たして、大洗女子学園に眠りし戦車達とは一体どんな種類の戦車があるのだろうか?
さて、そんな時だ。学園内を共に散策していた角谷の携帯端末に連絡が入ってくる。
「ん? あ、はーいもしもーし!」
『会長! 戦車を早速1輌見つけました!』
「おー、さっすがウチの優秀な生徒会広報だよ、場所は?」
『沼地です!』
「沼地だってさ」
「沼地かぁ、レンコン育てるには良いんだけどねー」
「桃ちゃん、とりあえずそこで待機しといてください」
『桃ちゃん言うなー!』
そう言って、角谷から電話を代わった柚子は笑顔を浮かべてそう告げると端末の通信を切る。
どうやら、先に生徒会の人間を現場に向かわせていたようである。角谷の手際が良さに繁子達は思わず笑みがこぼれた。
全面的に大洗女子学園の生徒会がバックアップしてくれるなら此れ程心強い事はない。
「さすが、杏ちゃん、頼りになるなぁ」
「ふふん♪ ありがとう、ささ、早く行って修理に取り掛からないと日が暮れちゃうよ」
「そうだね、リーダー急ごう!」
「走れ走れー」
道具を脇に抱えて駆け出す時御流一同。
そして、目指す先は戦車が最初に見つかった沼地だ。まずは、沼地から引き揚げる作業から取り掛かる事になるだろう。
果たして、大洗女子の全ての戦車を無事に修理し、再生させる事が出来るのだろうか?
まず、発見したのは、大洗女子学園の生徒会広報、河嶋桃の手を振る姿だった。
「おーいこっちだ!」
「よーし! そんじゃ取り掛かろう!」
「ロープと引き揚げ用の車は今、永瀬が持って来てるよ」
「まずは状態を見てみなあかんな」
沼地に沈む戦車を遠目に見ながらそう呟く繁子。
もしかしたら部品に泥が入り込んでいたり錆びている箇所もあるはずだ。兎にも角にもまずは戦車を引き上げてみないことにはなんとも言えない。
果たして引き揚げた戦車は一体なんなのだろうか?
「これは…」
「ルノーB1bisやね、フランス戦車や」
「おフランスな感じが確かにあるねー」
「おフランスな感じって何? 一体」
泥まみれの戦車を眺めながらアホな事を言いはじめる永瀬にツッコミを入れる多代子。
泥まみれの戦車を見てどうやったらおフランスなイメージが湧くのか、永瀬の感性はどうやら独特なものであるらしい。
さて、話は逸れたが、永瀬が運転した車で引き揚げられたルノーの状態はわりかし悪くはない。
故障箇所や錆びついている部品はあれど、完全に動かないという状態ではない事がわかる。
「とりあえずメンテせなな、立江ー、スパナ取ってー」
「やっぱり信頼すべきは業者の方だよね。頼んでよかったよ」
「いや、あの…会長…。同じ女子高生ですよ?」
「え? しげちゃん女子高生だったの?」
「ちゃうで、アイドルやで」
「またまたー嘘が上手なんだからー」
「まぁ、知波単学園のマスコット的なアイドルではあるけどね〜」
そんな感じにすかさずメンテをはじめる繁子と同時に泥を取り除き洗車をはじめる多代子達。
格好を見てみると皆、水着に着替えており濡れても良い格好に早着替えしている。
しかし、季節はまだ春に入るか否かの三月。当然寒いはずなのだが…。
「まぁ、津軽海峡よりは寒くないよね?」
「ホースの水も温水だからね〜まだ暖かいほうだよ」
「津軽海峡は本気でやばかったわ、漁船大揺れやったしな」
「あのー比べる対象が違わないかい? 君達」
「杏ちゃん、自然の寒さは……辛いで?」
「いや、女子高生は津軽海峡で漁船なんか乗らないから」
そうあれは真冬、繁子達は美味しいマグロを手に入れる為に津軽海峡まで赴いた事があった。
その日は寒波の中の漁、船は揺れる中、繁子達はマグロを追い求めた。
だが、この話をすると長くなるので今回は割愛させていただく。
寒い中など、知波単学園の生徒ならば根性でどうにかなるというのは前隊長、辻つつじの教えである。
さて、泥もあらかた落ちメンテも終わったところで繁子達は一息つく。
「ふぅ、まぁ、こんなもんやろ」
「まだ、部品の全部入れ替えとかは終わってないけど他の戦車も見つけなきゃだからね」
「よーし! がんばるぞー!」
「「「おー!」」」
こうして、永瀬の声に合わせて一致団結する一同。
果たして、隠された戦車は全て見つけることはできるのだろうか? 繁子達は奮起すべく改めて大洗女子学園の敷地内を散策を再開しはじめる。
そして、この続きは…。
次回! 鉄腕&パンツァーで!